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不当表示問題、ホテルだけで終わるはずがない

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

本日、「偽装メニューの先にくるもの」という記事を寄稿したが、その後も、続々とfacebookなどで情報が集まった。

たとえば、

「ホテル披露宴などで使われるキャビアは、グロテスクな風貌のダンゴウオの卵。カスピ海産の純正キャビアは50グラムで3万円もしますが、これなら500円です。回転寿司で人気のトロサーモンは、輸入品のトラウトサーモン(ニジマスの一種)。タイはティラピアやマンボウ、アナゴはウミヘビ、エンガワはオヒョウやカラスガレイなのは有名です。

居酒屋で頼むあん肝はマダラの肝臓、アワビはロコ貝。どうりで安いわけだ。水産庁の名称ガイドラインは、「広く一般に使用されている和名であれば記載することができる」と認めているので、ホッコクアカエビが甘エビに化けたりもする。

国内のエキストラバージンオイルは、調べたら約3割が偽物だったというデータもある。オリーブ油に安価なひまわり油などを混ぜ、青色の色素を入れて完成。本物のバージンオイルは光に当たると緑色色素のクロロフィルが分解されて黄色くなる。やけに青いオリーブオイルは疑ったほうがいい。

居酒屋で頼むあん肝はマダラの肝臓、アワビはロコ貝。どうりで安いわけだ。水産庁の名称ガイドラインは、「広く一般に使用されている和名であれば記載することができる」と認めているので、ホッコクアカエビが甘エビに化けたりもする。

出典:http://gendai.net/news/view/112077

回転寿司のあの安さは、長引くデフレと企業努力とサプライチェーン網の改革のおかげと信じていたが、どうやらそうではないようだ。

さらに、NAVERまとめを見てみると、回転寿司屋に行く気が、完全に失せてしまった。

おいしいね!回転寿司で大活躍の偽装魚まとめ

http://matome.naver.jp/odai/2133554454846832501

大手チェーンでは明確な産地表示からアレルギー表示もされているけれども、それ以外の寿司屋のメニューは、偽装とまでは言わないまでも、不当表示が多いと言えそうだ。

引用文にあるように、水産庁の魚介類の名称のガイドラインを見ても明確だ。

このガイドラインは、生鮮魚介類の小売販売を行う事業者等に対し、JAS法に基づき魚介類の名称を表示し、又は情報として伝達する際に参考となる考え方や事例を示すものである。

出典:水産庁

つまり、このガイドラインは、生鮮魚介類の小売販売事業者だけであり、その魚介類を加工し、調理する事業者、外食産業においては、このガイドラインが適応されていない。

しかしだ…。もし、水産庁が外食事業者に対しても、ガイドラインを策定したとすると、寿司屋さんでの注文体系が大きく変わってしまうことだろう…。

マグロ→アロツナス

鯛→ナイルテラピア

ブリ→シルバーワレフ

ネギトロ→アカマンボウ

サーモン→ニジマス

イワシ→スプラット

カンパチ→シイラ

エンガワ→オヒョウ などなど…。

これを覚えて、オーダーはほぼ不可能だわ。

食肉の偽装問題と同じで、メニューの不当表示も、どこからどこまでが、許容範囲なのかを迅速に決めないと外食産業全体がショックを受けてしまうことになりかねないぞ!

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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