映画「スティーブ・ジョブズ」は、11月公開で本当にいいのか?
アシュトン・カッチャー主演ジョシュア・マイケル・スターン監督の映画「スティーブ・ジョブズ」の公開が決まった。
米国では2013年8月16日公開、日本では2013年11月XX日公開。
トレーラーが公開されはじめている。http://youtu.be/exOFfoxcXW8
映画サイトも用意されている
米国での公開は、約一ヶ月後の8月16日。それは、9月半ばと予想されているアップルの新製品発売時期の前哨戦ともいえる見事なタイミングだ。しかし、日本ではその新製品発表・発売後、約2ヶ月後の映画公開となる。期間が空きすぎではないだろうか?もしも、新製品が不発で終わっていたら(そうは思いたくないが…)、この映画公開のタイミングはチャンスを逃しているのかもしれない。
日本でも新製品発表前に映画公開の方が期待がさらに大きいのではないだろうか? むしろ11月公開ということは、そのままロングランで正月映画まで狙おうという判断なのだろうか?
往々にして映画の場合は、米国で映画の公開で話題を先行させて、そのパブリシティーも含めて日本は後で公開という戦術が打たれる。
あのfacebookを取り上げた映画「ソーシャル・ネットワーク」では、米国で2010年10月1日公開、日本では、約2ヶ月半後の2011年1月15日であった。これは当時、日本ではほとんど、普及していなかったfacebookなのでタイミングをずらした事が功をなしたいい事例だ。
いずれにしても、映画マニア、パソコンマニアだけではなく、日本からも大量のビジネスマンがこの映画を見ることになるだろう。さらに、知名度がこれだけある映画、そして新製品が話題になるのであるから映画公開日は、日米8月16日同時公開でも良かったのではないだろうか?
スティーブ・ジョブズ初映画化ではあるが、ドラマとしては秀逸な作品がある。それが、ノア・ワイリー主演による、「Pirates of Silicon Valley(日本題:バトルオブシリコンバレー)」1999年だ。
ビル・ゲイツとらをApple社内に招待するシーンがこれだ。
この映画もよくできているが、1998年発売の初代iMacの頃までのジョブズしか描かれていない。(1999年放送だから仕方がない)
なによりも、この秋に公開される映画「スティーブ・ジョブズ」は、iPhone iPadの成功、そして闘病、そしてその死まで描かれていることだろう。
故に、彼のプロダクトに対する姿勢、サービスに求める美学などもちりばめられているからこそ、9月の製品発売前に公開されることにより、フラットデザインの意味あいもジョブズの示した方向性の上にあることがわかるだろう。
おそらく、画期的な新製品から、より成熟した製品に向けての、いぶし銀のような地道なアップデートがどのように評価されるかがこれからのAppleの歩む道だ。しかし、ジョブズの「期を熟した技術が出そろった頃」に大量に投入して新市場を作るという方程式は、今も稼働しているはずだ。
携帯電話に全面タッチパネルを採用したiPhoneで、スマートフォンとなる市場をAppleが作ったのは2007年。今から、たったの6年前だ。そして、iPodを作ったのは2001年でiPhone登場の6年前である。iPod登場の3年前、1998年に初代iMacを作っている。そう、パソコンを再発明したiMac、音楽プレーヤーを再発明したiPod、iPod touchに電話をつけたiPhone、iPhoneを大きくしたiPad(2010年)はiPhoneから3年後、そして、2011年ジョブズが亡くなる。
しかし、ジョブズのことだ、次の3年後、6年後には、このパーツとこのパーツがこれくらいのスペックになり、これだけの発注をすればこれくらいの価格なので、製品価格◯◯◯ドルの製品が世界で◯◯◯万台売れるだろうと2017年くらいまでのマイルストーンは残してくれていると願いたい。この映画のラストがどういう終わり方をするのか? それだけが気になる。