ロックバンド「WILD-G」を率いる隈富太郎(57)=福岡市出身=が、メジャーデビュー25周年を迎えた。7月1日にはニューアルバム「PARTY」をリリース。今や「ロックの伝道師」の風格漂う隈が、沈鬱な時代の魂を揺さぶる。

 隈は音楽プロデューサーとしても活動。全国各地で開催してきたソロのライブ「音楽・隈の世界」は今年、150回を迎える。元チェッカーズの藤井尚之とは九産大付属九州産業高校の同級生。2人で母校の応援歌を制作するなど、地元との絆を大事にしている。

 新型コロナウイルス流行の真っただ中で制作した「PARTY」は10曲入りで、全曲を隈が作詞作曲。「つまんねえよ この世の中」「悪い夢 しらけた時間が消える」と鬱憤をぶつける詞が並ぶ。

 しかし一方で、「一人きりじゃ このダンスは踊れない」「何げなくさりげなく生きていく」と人の温もりや人生を歌う。力強いアメリカンロックだが、ブリティッシュの香りもするスタイリッシュなナンバーに仕上がっている。

「恩を忘れず歌っていく」と語る隈富太郎(筆者撮影)
「恩を忘れず歌っていく」と語る隈富太郎(筆者撮影)

 コロナ禍のため、全楽曲をリモートで制作しなければならないという苦難もあった。しかし、隈は「オーディエンスに喜んでもらえることだけを考えた。熟練のメンバーたちの腕があってこそ」と感謝を口にする。

 「ライブができなくなって、福岡に帰って焼き鳥でも焼こうかと考えた。でも酔っ払いとけんかになりそうやし」と笑い飛ばす隈。活動再開できる環境になり、「支えてくれた人たちの恩を忘れずに歌っていく」と力を込めた。

 7月18日午後5時半から、「原宿RUIDO(ルイード)」(東京都渋谷区神宮前)で25周年記念ライブを開く。生配信もある。詳細はこちら