3日午後8時から放送された「ものまねグランプリ」(日本テレビ系列)で、CHAGE&ASKAを演じた2人が初出場で優勝を果たした。2人は「CHAGE&ASKA完全コピーバンド」として、福岡を拠点に11年前から活動中。ものまねのプロを相手に最高の結果を出し、「頭の中が真っ白」と感動に震えていた。

 ASKAを演じたのは、シンガー・ソングライターK-ing(キング)=本名・古賀国晃(42)。伸びやかな高音、細かな歌い回しまでそっくりだ。そこにCHAGE役のKINZ(キンジ)=本名・金城匡範(40)=のハーモニーが重なると、本物と聞き分けることすら難しい。

 番組にはMr.シャチホコ、荒牧陽子、松浦航大ら30組が出演。「KINZとK-ing」として登場した2人は、ブロック予選で「SAY YES」を歌い、最高得点で突破した。その歌唱力に、チャゲアスのファンクラブに入っていたという審査員の新妻聖子は「今も泣きそう」と感激。土屋アンナも「(2人の)ファンクラブに入ります」と激賞した。

 7組で争った優勝決定戦で歌ったのは「YAH YAH YAH」。

 決定戦は4組が2票ずつで並び、最後に審査員長の関根勤が「KINZとK-ing」に票を投じて、優勝が決まった。

 取材に対して、古賀は「グランプリが決まった瞬間、頭の中が真っ白になって。支えてくれたファンと仲間に、ありがとうと言いたい」。金城は「まさかと思いました。これからもチャゲアスの復活を願って活動していきます」と感想を語ってくれた。

福岡市のライブハウスで演奏するCHAGE&ASKA完全コピーバンド(筆者撮影)
福岡市のライブハウスで演奏するCHAGE&ASKA完全コピーバンド(筆者撮影)

 2人は2011年に結成した「CHAGE&ASKA完全コピーバンド」として、バックの5人とともにライブを開いてきた。全員がチャゲアスの大ファン。「本気で」その音楽を再現するために練習を重ねてきた。

 歌やパフォーマンスだけでなく背格好や容姿、衣装、そして曲の合間の語り口まで、本物をトレースしたかのようなステージ。バックバンド5人の演奏も本物を忠実に再現していて、ライブでは「チャゲアス愛にあふれている」「鳥肌が立った」と涙を流す観客もいる。

 「偽物なのに感動してしまう、そんな幸せな魔法をお客さんにかけたい」

 そんなメンバーたちの思いも、今回の優勝でひとつ報われた。

立ち姿も本物に見える2人(筆者撮影)
立ち姿も本物に見える2人(筆者撮影)

小学4年で「飛鳥になりたい」と決意

 福岡県粕屋町で生まれ育った古賀。小学校低学年の頃はアイドルグループ「光GENJI」のファンだった。テレビでデビュー曲の「STAR LIGHT」が流れた際、テロップに「作詞飛鳥涼、作曲チャゲ&飛鳥」とあった。それが出合いだった。

 その後、テレビでチャゲアスが「恋人はワイン色」を歌うのを見て、すっかりファンに。小学4年の文集で将来の夢を「飛鳥になりたい」と書いた。

 高校でギターを始めたが、チャゲアスの曲は難しくて弾けなかった。進学した福岡大でフォークソング愛好会に入会。頼まれて恐る恐るやってみたボーカルが褒められ、20歳からシンガー・ソングライターとして活動し始めた。

 22歳の時、ライブハウスでのリハーサルでチャゲアスの曲を歌うと、出演者が楽屋で話し掛けてきた。「僕も大好きなんですよ」

 それが金城だった。キーボード奏者も加わり、3人で「いつかコピーバンドをやろう」と約束を交わした。

「YAH YAH YAH」で盛り上がるライブ会場(筆者撮影)
「YAH YAH YAH」で盛り上がるライブ会場(筆者撮影)

本物の活動再開を願うバンドに

 10年後の2011年、仲間を集めてようやくバンドを結成。練習を重ねていた13年、うれしいニュースが飛び込んできた。本物が活動再開するという。

 「うちのバンドで勝手に前夜祭ライブをやろうと盛り上がった」

 ところが、そのライブ当日、本物の活動延期が発表された。再開を祝う言葉や進行を考えていたが、急きょ、ライブの趣旨を「再開を願う」に変えて開催した。

 それ以来、年に1回のライブを重ね、一昨年は東京、大阪でも開催。東京には本物のバンドメンバーたちも駆けつけてくれた。「前半は硬かったけど、よかったよ」と言葉を掛けられ、胸をなでおろした。

ステージ上の動きから演出までそっくりだ(筆者撮影)
ステージ上の動きから演出までそっくりだ(筆者撮影)

自分で「似てる」と思えたことはない

 今でも高校1年の時に初めて生で見たチャゲアスの姿を忘れることはない。マリンメッセ福岡(福岡市)のステージでASKAが歌うと、その声だけで床が揺れた。声量を全身に浴び、気絶しそうになった。

 曲、歌、しぐさ、語りまで。音楽に携わる自分の「100パーセント」の理想が、そこにある。だから、自分の歌がASKAに似ているといくら言われても、自分で似ていると思えたことは一度もない。

 「僕らのバンドは、あくまでチャゲアス“ごっこ”。だけど、大人が本気でやる“ごっこ”なんです」

 ほとばしる「チャゲアス愛」と向上心が、今回の優勝に結びついたのだろう。完全コピーバンドは復活の日を願いながら、ファンの心を癒やし続ける。

■CHAGE&ASKA完全コピーバンドは、YouTube公式チャンネルで、最新ライブ「concert2022 spring」の映像を公開中。視聴無料で投げ銭あり。チャンネルはこちら

■CHAGE&ASKA完全コピーバンドconcert2022 初夏の陣~東京公演

5月25日(水)

SHIBUYA TAKE OFF 7

19:00開場、19:30開演

チケット:3,400円(要1オーダー)

配信チケット:2,000円

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