福岡市出身のCMディレクター橘潤樹(じゅんき)さん(31)=東京在住=が初監督した短編映画「忘れられない」(21分)が、世界の映画祭で快進撃を続けている。フィリピン、トルコ、ドイツ、中国の映画祭で相次ぎ受賞。「より多くの人に見てほしい」とYouTubeでの全編公開に踏み切った。

 映画の主人公は、服役中の兄を持つ23歳の男性。中学生の頃から兄弟2人で暮らし、優しい兄が大好きだったが、犯罪によって人生は狂う。婚約者も離れていき、出所目前の兄とどう向き合うか葛藤する。兄弟愛の行方はー。

 「人は一人では生きていけない」というテーマが共感を呼び、これまでに10カ国以上の映画祭で受賞、ノミネートされた。

 受賞したのは、アジア・シネマアワード(フィリピン)の月間最優秀作品賞(4月)など3部門、ハリカルナッソス・フィルムフェスティバル(トルコ)のベスト短編賞、カンヌ・インディーズ映画祭(フランス)の脚本賞、ARFFベルリン映画祭(ドイツ)の最優秀賞、北京映画祭と上海短編映画祭の最優秀俳優賞など。

 橘さんは福岡市の映像制作会社「ティーアンドイー」の社員で東京支社に勤務。クラウドファンディングで資金を募り、昨年12月から今年1月にかけて全編を福岡で撮影した。

監督の橘潤樹さん(筆者撮影)
監督の橘潤樹さん(筆者撮影)

 「新型コロナで人のつながりが失われつつある今、大切な人との関係をもう一度考えてほしかった」と橘さんは話している。