ボスニア戦の鍵はサイドバックか。槙野智章が感じたこれまでとの違い

(写真:アフロスポーツ)

ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で勝敗の鍵を握るのは、FWでもトップ下でもボランチでもなく、もしかしたらサイドバックなのかもしれない。

ボールを回して相手を崩す上でよく言われることに、「幅と深さを使え」という教えがある。「幅」というのはピッチの両サイドを大きく使うことであり、「深さ」というのは相手のDFラインを下げるような動きのことである。

どちらも共通しているのは、ピッチ上にスペースを大きく生み出すための施策だということだ。ピッチの幅を大きく使えば、相手はそれをカバーするために横に広がらなければならず、選手間の距離が大きくなりやすくなる。深さを生み出すために前線の選手が裏を狙えば、相手は後方に下がってカバーしなければならなくなり、縦に間延びしやすくなる。

これまでのハリルジャパンでは、「幅」を生み出すのは主にサイドバックの役割だった。3日のブルガリア戦でもウィングの清武弘嗣や小林悠は内向きの動きをすることが多く、サイドの幅を担保していたのはサイドバックの長友佑都や酒井宏樹だった。

昨年10月に行われたW杯アジア二次予選のシリア戦でも、前半はウィング(特に左の原口元気)が外に張って「幅」を作っていたが、それがあまり機能していないのを見たハリルホジッチ監督が後半に両ウィングに中に入って選手間の距離を詰めるように指示し、サイドの幅をサイドバックが作る流れにしたところで3ゴールが生まれた経緯があった。

しかし、ボスニア戦ではこれまでと違った崩しのパターンが見られるかもしれない。「明日のゲームはサイドで勝負というよりも、中に入っていけと言われている」。今回、センターバックとしてではなく、サイドバックとして招集されている槙野智章は自身の果たすべき役割についてそう話す。

つまり、ハリルジャパンはこれまでとは違った形を用いてボスニアを仕留めようとしているようだ。

「縦とかじゃなくて、中に入る動きを求めていたから。サイドバックが中にどんどん入っていけと。相手を分析した上でのことだと思う」

ハリルホジッチ監督はアジア二次予選最終戦のシリア戦が終わった後、「第一段階は終わった。第二段階はもう少し難しくなる。タクティクス、メンタル、フィジカル、テクニック。そして得点能力をもっと伸ばしたい」と話していた。

サイドバックのインナーラップも「第二段階」に進む上での進化の要素の一つなのか。ボスニア戦はサイドバックの動きに注目してみると、面白い発見があるかもしれない。