『夜の世界』への支援を安部首相が表明。発言から6月以降の夜の業界を予想。

安部首相(写真:ロイター/アフロ)

2020年5月25日の記者会見で、安部首相は緊急事態宣言を全国で解除することを正式に発表、社会保障のさらなる拡充を約束し経済活動の再開支援の意識を表明しました。

会見の全模様は動画をご覧いただければと思いますが、この記事で伝え続けているコロナ禍の『夜の世界』(ナイトタイムエコノミー)に関連した社会補償や今後の展望については下記の発言に影響があります。

安部首相発言の一部を抜粋します。

集団感染が確認された夜の繁華街の

『接待を伴う飲食店』

『バーやナイトクラブ』

『ライブハウス』

などについてはご協力を頂いていることに感謝申し上げます。こうした施設も専門家の皆さんにご協力頂きながら来月中旬を目処に、ガイドラインを策定し、上限200万円の補助金により有効な感染防止対策が講じられるよう支援する考えです。それまでの間、どうか身を守る行動を続けて頂ますようにお願いします。

外出自粛の様な社会経済活動を制限するようなやり方はできる限り避けたいと考えています。市中感染のリスクを大きく引き下げていけばそれが可能となります。そしてそのためには感染者をできるだけ早期に発見する。クラスター対策を一層強化することが必要です。その鍵は『接触確認アプリ』の導入です。スマートフォンの通信機能により、陽性が判明した人と一定時間近くにいたことが判明した方々、すなわち濃厚接触の可能性が高い方に自動的に通知することで早期の対策につなげるアプリです。

~略~

個人情報は全く取得しない安心して使えるアプリを来月中旬に導入する予定です。

(※上記動画リンク内、30:13~32:45)

発言内容から夜の業界への影響を考察します。

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■政府は夜の業界の『区分け』を認識している

『接待を伴う飲食店』『バーやナイトクラブ』『ライブハウス』

出典:安倍首相発言

このように分けて発言していることから、政府は複雑な夜の業種を区分けしており、特に感染リスクの高い業種の認識ができているようです。性風俗従事者(個人)への休校補助整備や、今回の“社会経済活動を制限するようなやり方はできる限り避けたい”という発言からも、業種毎に異なる事情があることは明らかで、今後各現場からの声を反映した社会保障整備に向けて期待できるでしょう。

「夜の業界っぽいものは営業を停止せよ」では無く、

感染リスクの高い業種

(キャバクラ、(スナック)、クラブ、バー、ナイトクラブ、ライブハウス)

へは補助をするから自粛や現場での対策を手厚めにとの見解。

感染リスクの低い業種

(店舗型及び無店舗型性風俗店、ラブホテル、パチンコ、雀荘)

については、感染拡大に配慮した上で『通常運行』をしておいてくれとの認識でいる模様です。

各業界関係者の方々それぞれご意見あるでしょうが、一気にすべての業種の支援は困難なため、トリアージ(緊急度に従った優先順)ができていることについては一定の評価をしていいとは思います。

ただし、以下の点はまだまだ悩ましい状況です。

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■専用補助金は6月中旬以降

感染リスクの高い業種(キャバクラ、(スナック)、クラブ、バー、ナイトクラブ、ライブハウス等)に向けた支援制度が整うことは明るい傾向ですが、6月中旬にガイドラインが発表される模様なので、今までの傾向から実際の着金は7月中旬以降と予想されます。

該当業種は高額なテナント料(家賃)がかかっている傾向があるため、今回の発表で一旦「7月中に補助金が入るまで」と家主への家賃交渉等を具体的に依頼しやすくなったかもしれませんが、肝心の補助内容は現状では未定(経費の一部助成?現金給付?)のため、補助金ありきで事業計画を立てることは現実的に難しいことに変わりありません。

経営が辛い状況にある店舗の方々は、6-7月については引き続き内部留保の切り崩しを行いつつ、他の補助制度(持続化給付金、企業融資 等)を頼らざるを得ない状況です。

業界の整理はできたが補助金支給へのスピードが間に合っておらず自粛が明けても、つらい時期はしばらく続きそうです。

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■顧客情報への配慮が求められる

6月中旬以降夜の業界で『接触確認アプリ』の導入が検討されています。補助金を出してまで夜の業界での感染拡大の防止を図ろうとしていることから導入は自主的というよりも義務化する可能性がかなり高いと予想されます。

夜の業界は傾向として『秘匿性』を求められる世界です。顧客の個人情報を外に漏らすことは業界自体の信用に関わるため、SNSの時代でも情報流出は比較的抑えられています。(昨今、流出が一部見られようになってはいますが)

こうしたアプリ導入が義務化することで、顧客減少につながらないように顧客感情への配慮や、導入インフラの整備など6-7月中の対応に店舗は追われることになりそうです。

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■引続き各業界の声は届けるべき

前述の通り、政府は夜の業界が多様であることは認識したが、業界特有の細かい事情はまだ認識を追えていない模様です。

専門家の力を借りてガイドラインを作成するとの発言から、今から数週間は現場の声をまとめ伝えていくことは、今回補助対象になっていない業種にとって重要です。

署名サイトの活用や、SNSを使った国会議員への情報共有等が確認できていますが、一層動きを活発にする必要性があります。情報発信時には可能な限り、個人的感情ではなく定量的な情報を交えて伝えていくことが肝心です。営業を行いながらの作業になるため労務に負担がかかっている状況かと思いますが、とにかく各店『データ集め』が推奨される状況にあります。

またこの記事でもコロナ禍の夜の現場インタビューは続けています。現場の情報やデータ届けたいという業界関係者の方はご一報いただければ幸いです。