4月は街からスカウトマンは消える?取り締まり強化から考える本当にやらなければいけない対策

(ペイレスイメージズ/アフロ)

■スカウトマンへの取り締まりは激化

近年、AV強制出演問題やJKビジネスなどの問題が注目されています。こうした世界への動線としてスカウトマンの影響力は大きい為、問題の注目度が高まることに比例しスカウトマンへの取締りも厳しさを増しています。4月が「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」(以下「集中月間」)として指定されるなどの動きも見られるようになりました。今回はこうした動きが社会課題解決に効果を発揮しうるか?夜の世界側から社会を見てきたぼくの視点で考察してみたく筆を執りました。

内閣府男女共同参画局 若年層を対象とした性的な暴力の啓発

■4月は街からスカウトが消える?

今年も集中月間中は内閣府の啓発活動や警視庁の街頭取締りが繁華街を中心に強化されるという情報が入ってきています。この活動がスカウトという仕事を減らすことに効果が期待できるでしょうか?

期間中街頭でのスカウト行為は一時的に減少させることは十分出来るでしょう。しかし、スカウトマンの総量を減らすという意味においては効果が薄いというのがぼくの見解です。その理由はビジネスモデルです。スカウトマンが収入を得る手段は基本的に2つに分類されます。

1つ目は、店舗に女性を紹介した時点で紹介料を得るという行為です。これは業界では「買取り」と呼ばれ、主に水商売等を対象に行われているのが実態です。紹介したら報酬を得るという業界を知らない人でもイメージしやすい行為かなと思います。

2つ目は、店舗等に紹介した女性が稼いだ報酬の10~20%ほどを受け取れる仕組み。これは「バック」と呼ばれており、不労所得に近い機能を有しています。街頭に立たずとも紹介した女性が稼げば収入が入ってくるしくみです。

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こうした収入を得る方法が機能している限り、スカウトマンという立場の撲滅は不可能です。なぜならば街頭に立って声をかける行為だけがスカウトマンの仕事ではないためです。集中月間である4月にわざわざ街頭に立つなどのリスクを犯さなくてもバックで収入は確保されているので街頭でのスカウト行為は別の月に行えばいいからです。

■本質は狭い世界で孤立させないこと

前述の理由から集中月間があってもスカウトマンは街頭にいなくなるだけで実質存在し稼ぎ続けることが可能な立場なことは間違いありません。スカウトマンという存在をこの世から消すことを目的とした活動は暖簾に腕押しです。

また、そもそもスカウト以外にも夜の業界への導線は存在しています。店舗が独自で作っている求人サイトや、誰もが一度は見たことがあるバニラやいちごナビ等の高収入求人媒体なども存在しており、夜の世界への入り口はスカウトマンに限ったものではありません。

更に考慮しなければいけないことは、いろいろな理由があって自ら夜の世界に関わることを選択した人を一方的に静止することは正しい選択ではないという視点も忘れてはなりません。

状況は複雑であり、油断するとそもそも何を解決しなければ行けないかがわからなくなりそうです。だからこそこの記事で明言します。最優先に考えなければいけないことは、夜の業界に対する比較的に知識が乏しい未経験の子たちを孤立させないということなのです。

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上の赤丸ゾーンの女性を無知のまま孤立させないことが重要なのです。

夜の世界の情報は大人にならないと入ってきません。知らない世界では知識のない存在である未経験者はとても不利な状況に置かれます。こうした状態を防止するためには教育の問題など様々な議論があるかもしれませんが、少なくとも周りの大人たちがいかに孤立させない社会を作っていくかを共通の課題として掲げなければいけません。シンポジウム等や街頭活動を通して業界未経験者へ関心をどれだけ持たせることが出来るかを考えることです。

また最近は法律家の方々による相談の窓口の拡充も進み、行政でも窓口が作られるなどしています。しかし、せっかく制度や仕組みがあっても使われなければ意味がありません。私たちは次はどうしたらこれらの制度や仕組みを必要な人が利用してくれるようになるのかを考えなければならないタイミングにきています。そのためにもこれから大人たちはこうした問題に対する制度や仕組みを1つの立場からではなく多面的に見なければいけない時代にきていることは間違いありません。4月から新年度が始まります。どんな立場にいようとも知ることの大切さを自覚し生きていくことを忘れてはなりません。