「モンクレール」のプロジェクトにジョナサン・アンダーソンや「リモワ」が参画 藤原ヒロシらも続投

コレクションの発表に先駆けて公開されたビジュアル (写真:MONCLER)

 高級ダウンジャケットで知られる「モンクレール(MONCLER)」は2月3日、さまざまなクリエイターとの協業によりコレクションを制作するプロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」の2020年のラインアップを発表した。

今回メンバーに加わったジョナサン・アンダーソン(写真:MONCLER)
今回メンバーに加わったジョナサン・アンダーソン(写真:MONCLER)

今回新たに加わったのは、スペイン発のラグジュアリーブランド「ロエベ(LOEWE)」とロンドンを拠点にする自身のブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」を率いるとともに、「ユニクロ(UNIQLO)」とのコラボレーションなども手掛けているジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)だ。早くから「シェアド・ワードローブ(Shared Wardrobe/男女が自由に共有できるワードローブ)」を掲げ、性別にとらわれないクリエイションを見せてきたアンダーソンは、ダウンジャケットを軸にどのようなコレクションを披露するのか。すでに9人のコラボレーターによる2020-21年秋冬コレクションの象徴的なルックを集めたビジュアルは公開されたが、その全貌は2月19日にイタリア・ミラノで開かれるプレゼンテーションで明らかになる。

 また、今回からプロジェクトは新たなフェーズに入り、デジタル領域でのつながりや感情を現実世界にもたらし、パーソナルなコミュニケーションを強化する取り組みをスタート。その第一歩として、ドイツの高級ラゲージブランド「リモワ(RIMOWA)」との協業により、テクノロジーの革新やデジタル時代における連結性とコミュニケーションを取り入れた大胆なトラベルコンセプトを持つ「モンクレール リモワ “リフレクション”(MONCLER RIMOWA "REFLECTION" )」コレクションを発表する予定だ。加えて、デンマーク発の電動自転車「メイト.バイク(MATE.BIKE)」と共に開発した製品も披露する。

 そのほかのコラボレーターは、前回からの続投。「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」を主宰する藤原ヒロシや「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」のマシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)をはじめ、ロンドンを拠点に自身のブランドを手掛けるシモーン・ロシャ(Simone Rocha)、クレイグ・グリーン(Craig Green)、リチャード・クイン(Richard Quinn)、2010年から「モンクレール グルノーブル(MONCLER GRENOBLE)」を手掛けてきたサンドロ・マンドリーノ(Sandro Mandrino)、ブランドの創業年を冠したラインでウィメンズとメンズをそれぞれ担当するヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)とセルジオ・ザンボン(Sergio Zambon)が名を連ねる。また、ドッグウェアブランドの「ポルド ドッグ クチュール(POLDO DOG COUTURE)」との協業も継続する。なお、初回からコラボレーションを続けてきた「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のクリエイティブ・ディレクターでもあるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)と、「パーム・エンジェルス(PALM ANGELS)」を手掛けるフランチェスコ・ラガッツィ(Francesco Ragazzi)は、プロジェクトから離れた。

「モンクレール ジーニアス」は成功しているのか?

 2018年2月に鳴り物入りでスタートした「モンクレール ジーニアス」は、1シーズンにさまざまなクリエイターと共に複数のコレクションを制作することで、ブランドの多様な可能性を探求。各コレクションを順次発売することにより、店舗のイメージを常に新鮮に保っているだけでなく、発売に合わせたイベントなどでSNSやメディアでの露出を高めている。そんな新たな取り組みはビジネス的にも好調な滑り出しを見せ、18年度は売上高が前年比19%増の14億2010万ユーロ(約1705億円)、純利益が同33%増の3億3240万ユーロ(約399億円)と大幅な増収増益になった。そして、19年上半期も売上高、純利益ともに前年同期比15%以上の伸びを記録。各クリエーターの個性が光る多彩なデザインを揃え、これまで顧客ではなかった若年層を取り込めたことが功を奏しているようだ。

 また、そのビジネスモデルは、時流にも乗っている。他のラグジュアリーブランドでもゲストデザイナーを招へいする例は増えており、「モンクレール」は確実にその先駆者と言えるだろう。例えば、ドライビングシューズで知られる「トッズ(TOD'S)」は18年秋にコラボプロジェクト「T ファクトリー(T FACTORY)」を始動し、「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」のアレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell'Acqua)や元「ランバン(LANVIN)」のアルベール・エルバス(Alber Elbaz)と協業。今日2月4日、日本人デザイナーの黒河内真衣子による「マメ(MAME KUROGOUCHI)」とのコラボレーションも正式に発表した。加えて、「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」も20-21年秋冬シーズンから社内のデザインチームによるコレクションからの方向転換を図り、その第1弾としてパリコレブランド「コーシェ(KOCHE)」を手掛けるクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)をゲストデザイナーに迎える。