エディ・スリマンが「セリーヌ」のディレクターに就任 再びファッション界に新たな流れを生み出すか?

エディ・スリマン(写真:ロイター/アフロ)

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH)は1月21日、傘下の「セリーヌ(CELINE)」の“クリエイティブ、アーティスティック&イメージ・ディレクター”にエディ・スリマン前「サンローラン(SAINT LAURENT)」クリエイティブ・ディレクターを起用することを発表した。2月1日付に就任し、既存のウィメンズ・コレクションに加え、メンズ・コレクション、オートクチュール、フレグランスも始動する。デビュー・コレクションは9月のパリ・ファッション・ウィークで披露する予定だ。

 

これまでのエディ・スリマンの経歴

 スリマンは、1968年7月5日生まれの現在49歳。90年代にイヴ・サンローランでファッション・マーケティング・アシスタントとしてキャリアをスタートした。その後デザイナーに昇格し、96年にはメンズライン「イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ オム(YVES SAINT LAURENT RIVE GAUCHE)」のアーティスティック・ディレクターに就任。2000-01年秋冬コレクションを最後にブランドを去った後は、ドイツ・ベルリンで写真家として活動していた。01年には新たに始動する「ディオール オム(DIOR HOMME)」のアーティスティック・ディレクターに就任。2007年まで同職を務めた。彼の提案するスキニーシルエットのスーツやデニムは当時のメンズファッションの流れを一変させるとともに、若者を中心に熱狂的な支持を集めた。

 そして、退任後はモードの表舞台からは姿を消し、ロサンゼルスを拠点に写真家として活動していたが、2012年に「イヴ・サンローラン(現サンローラン)」のクリエイティブ・ディレクターとして古巣にカムバック。ロックを感じる若々しいクリエイションをはじめ、ブランドロゴや広告、店舗に至るまで大改革に取り組み、ブランドイメージを大きく変えた。当初、スリマンの嗜好を強く反映させたディレクションには賛否が分かれたが、結果としてブランドの売り上げ拡大に貢献。そして、創業者イヴ・サンローランにオマージュを捧げた16-17年秋冬コレクションを最後にブランドを去った。

 

「セリーヌ」はどう変わるか?

 現在「セリーヌ」を手掛けるフィービー・ファイロ(※3月に発表する2018年プレ・フォール・コレクションを以って退任)は、現代女性のニーズやマインドを巧みに汲み取ったウェアやバッグ、アクセサリーで支持を集め、「セリーヌ」を人気ブランドへと押し上げてきた。しかし、今後のブランドの更なる売上拡大を考えると、メンズウェアやフレグランスといった新たなカテゴリーが必要だったのかもしれない。

 ではスリマンは、すでに高い人気を誇るブランドをどのように変えるのだろうか?ここからは個人的な予想になるが、「サンローラン」でもそうだったように、ロックをはじめとする音楽やユースカルチャー、グランジムードといった彼自身の好みを強く反映させた新しい世界観を打ち出すだろう。どこに「セリーヌ」らしさを見出すかがポイントだが、きっとまた賛否両論を呼ぶことになりそうだ。ただ、スリマンは「サンローラン」時代にバッグや革小物などで幅広い層から支持されるアイテムを生み出してきた実績もある。9月にどんなコレクションが披露されるのか、楽しみだ。