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ジェームズ・ハーデン、トム・ブレイディ、ホセ・アルトゥーベを抑えて最優秀アスリートに選ばれた男は?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
アレックス・オべチキン(写真:ロイター/アフロ)

 アメリカのスポーツ専門放送局ESPNが、際立った活躍をしたアスリートを表彰する、毎年恒例の「ESPY(=Excellence in Sports Performance Yearly)アウォード」が、昨夜(現地時間)ロサンゼルスのマイクロソフト シアターに、多数の俳優や著名人などを招いて、華やかに催されました。

▼1993年に始まったESPYアウォード

 あまり海外スポーツに詳しくない方でも(おそらく)耳にされたことがあるESPNは、アメリカの三大テレビネットワークの一つABCと同様に、ウォルト・ディズニー カンパニーの傘下の放送局。

 そのESPNが、1993年から(何度か内容を変更しながら)毎年開催しているのが、ESPYアウォードです。

▼あらゆるスポーツを表彰

 表彰項目は多岐にわたり、NBA、NFL、NHL、MLBの北米4大スポーツから、それぞれ最優秀選手を選ぶだけに限らず、ゴルファーや競馬の騎手、プロボウラー、モータースポーツのドライバー。 

 さらには、最優秀学生アスリートや最優秀チームに、最も印象に残った新記録達成者など、あらゆるスポーツを様々な視点から評価し、表彰しました。

(表彰項目と受賞者はESPNのオフィシャルサイトで、ご覧になれます)

▼注目は男性の最優秀アスリート

 多くのアスリートやチームが表彰を受けましたが、やはり最も注目されるのは、男性の最優秀アスリート。

 過去には、NBAのマイケル・ジョーダンや、MLBのバリー・ボンズに、ゴルフのタイガー・ウッズら、日本でもおなじみのトップアスリートたちが選出されています。

▼7年連続NBA選手が受賞

 ここで近年の男性最優秀アスリートを、おさらいすると、、、

2011年 → ダーク・ノビツキー

2012年 → レブロン・ジェームズ

2013年 → レブロン・ジェームズ

2014年 → ケビン・デュラント

2015年 → ステフィン・カリー

2016年 → レブロン・ジェームズ

2017年 → ラッセル・ウエストブルック

 このように、インターネット投票などで選ばれる最優秀アスリートは、注目度が高い上に、NFLよりもシーズンが長いNBAの選手が、7年連続で選ばれています。

▼最優秀アスリートは史上初めてNHL選手!

 今年の男性最優秀アスリートの最終候補4人の中にも、ヒューストン ロケッツのジェームズ・ハーデンが最終候補に名前を連ねていることから、昨年と同様にNBAのレギュラーシーズンMVPが、最優秀アスリートに輝くとの声が多かった模様。

 ところが、ステージ上で発表された最優秀アスリートの名前は、、、

 NHLで初めてチャンピオンに輝いたワシントン キャピタルズアレックス・オベチキン

 1993年に始まったESPYアウォードで、初めてとなるNHL選手の受賞となりました。

▼アメリカでホッケー人気が高まる!?

 さらに加えて、前述したハーデンをはじめ、トム・ブレイディ(NFL・ニューイングランド ペイトリオッツ)、ホセ・アルトゥーベ(MLB・ヒューストン アストロズ)を抑えて受賞したオベチキンは、ドイツ出身のノビツキー以来、7年ぶりとなるアメリカ人以外の受賞者に!

 一方、2月に行われた「ピョンチャン(平昌)オリンピック」の女子アイスホッケーで、カナダとの熱闘を繰り広げた決勝戦が、ESPYアウォードの年間最高の試合に決定!

 近年は経済の活況も手伝って、アメリカ国内でのNHLの試合も、多くのアリーナでシーズンチケットの売れ行きが、上向いていると伝えられているだけに、今後はアメリカでのホッケー人気が、一層高まっていくかもしれません。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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