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【アイスホッケー】韓国が歴史的屈辱! 冬季五輪のホスト国なのに史上初めて男子も女子も年間公式戦全敗!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
韓国国籍を取得して男子代表の守護神を担ったマット・ダルトン(写真:ロイター/アフロ)

 NHLをはじめとする北米のプロリーグやジュニアリーグでは、プレーオフの戦いが続いていますが、世界各国のアイスホッケーを統括する国際アイスホッケー連盟(IIHF)が主催する「世界選手権」は、昨夜(現地時間)をもって今季の全日程を終了しました。

▼スウェーデンが2連覇

 IIHFのメインイベントである「世界選手権」は、男子、女子ともに、シニア、ジュニア(=男子は20歳以下と18歳以下。女子は18歳以下)のカテゴリーに分かれて、開催されます。

 大会によっては開催年度が異なり、たとえばスマイルジャパンの愛称で知られる女子日本代表が、再昇格を果たしたトップディビジョン(1部)は、オリンピックシーズンには開催されません。

 一方、毎年開催される男子の世界選手権のうち、上位16か国が集まるトップディビジョンは、今月4日にデンマークで開幕。

 昨夜の決勝で、スイスをシュートアウト(=サッカーのPK戦に相当)の末に下したスウェーデンが、2年連続11度目の世界一に輝きました!

▼韓国は7戦全敗で降格

 昨季の世界選手権ディビジョン1グループA(2部)で準優勝して、トップ16入りを果たした韓国は、7試合戦って総得点が「4」。総失点は「48」と、どちらも16か国の中でワーストの成績が示すとおり、力の差を見せつけられ「7戦全敗」

 最下位となった韓国は、わずか1年で降格となってしまいました。

▼オリンピックも全敗に終わる・・・

 世界選手権に先駆けて開催された、韓国で初めての冬季大会となる2月の「ピョンチャン(平昌)オリンピック」では、「優秀な人材に対する特別帰化制度」(=いわゆる二重国籍法)の制定と、兵役期間中のチームを再度設けるなど、国を挙げたバックアップが奏功。

 当初は見合わせとなっていた開催国出場権も与えられた上、NHLの現役選手が出場を認められない”追い風” も吹きました。

 しかし、期待に応えることはできず4戦全敗。ピョンチャンで国歌を聞くことができませんでした。

▼女子合同チームも全敗に終わる

 一方、南北合同チーム(COR)結成で話題を呼んだ女子代表も5戦全敗。

 前述したとおり、オリンピックシーズンは女子の世界選手権(トップディビジョン)が開催されないことから、カップ戦や親善試合などを除くと、

「冬季オリンピックのホスト国なのに、男子も女子も(トップカテゴリーの大会で)年間公式戦全敗!」

という悔しさを味わうことに・・・。

 これは、女子アイスホッケーが正式競技に採用された1998年の「長野大会」から数えて、6大会(20年)目にして初めて。

 残念ながら、韓国アイスホッケー界にとっては、歴史的屈辱を味わうシーズンになってしまいました・・・。

▼アジアの王座は揺るがず

 とはいえ、韓国男子代表に最も多くの選手を送り込んだアニャンハルラ(プロアイスホッケーチーム)が、今季もアジアリーグ(日本、韓国、極東ロシアの8トップチームが加盟する国際リーグ)で、プレーオフを制して3連覇を果たし、アジアの王座は揺るがず。

 それだけに、4年後の「北京オリンピック」開催へ向け、強化が進むことが予想される中国のチームとのつばぜり合いが、アジアのホッケー界を、これからリードしていくことになるかもしれません。

筆者より:読者の方からご連絡をいただき、本文の内容が「トップカテゴリーの大会」との明記を加筆しました。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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