Yahoo!ニュース

【NHL】ゴールデンウイークに海外でスポーツ観戦を楽しむ予定の皆さんは、お間違えないように!!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ベガスのウィリアム・カールソン(Courtesy:@ESPNStatsInfo)

 カンファレンス セミファイナル(=2ndラウンド)の戦いが繰り広げられているNHLのプレーオフは、昨夜(現地時間)タンパとラスベガスで試合が行われました。

 どちらの試合も、終盤まで接戦が続き、手に汗握る試合となりましたが、なかでもSAPセンターで行われた「サンノゼ シャークス vs ベガス ゴールデンナイツ」第3戦は、二日前の第2戦に続いて、オーバータイムまで及ぶ大熱戦に!

▼ベガスがリベンジ!

 前の試合では、2ndオーバータイム(=通常の試合の3つのピリオドで決着がつかずに第5ピリオド)まで及んだ戦いに競り負けて、プレーオフ初黒星を喫してしまったベガスでしたが、昨夜の第3戦は、敵地に乗り込んでサヨナラ勝ち! リベンジを果たして、シリーズの対戦成績を2勝1敗としました。

▼ヒーローはスウェーデン出身の「カールソン」

 この日のヒーローになったのが、ベガスの ウィリアム・カールソン(FW・25歳・タイトル写真)

 自陣からスピードに乗って攻め込むと、ゴールの左隅へシュートを放ち、試合に蹴りをつけました。(白#71)

▼アナハイムからコロンバス経由ベガスへ

 祖国のスウェーデンでは、小さい頃から頭角を現し、ジュニアリーグでMVPに輝くなど大活躍。

 その姿を見たアナハイム ダックスのスカウトが、2011年のドラフトで2巡目(全体53位)で、カールソンを指名しました。

 しかし、アナハイムでポジションをつかむ前に、プレーオフへ向けたDFの補強の見返りとして、コロンバス ブルージャケッツへトレード

 ただ、これが吉と出て、コロンバスに移るとオフェンス力を発揮して、主力FWとして台頭。

 一昨季、昨季と二桁のポイントをマークして、レギュラーに定着しました。

▼エクスパンションドラフトで白羽の矢

 カールソンは、そのままコロンバスでキャリアを積み重ねていくと思われましたが、新チームのベガスがNHLに加盟するのにあたり、既存のチームから一人ずつ選手を提供する「エクスパンション ドラフト」で、白羽の矢を立てられベガスへ移籍。

 アナハイムのドラフト指名を受けてから丸6年。

 ようやくカールソンは、自らの力を発揮できるチームに、たどり着いたのです。

▼アメリカ出身の「カールソン」

 一方、もう一人、アメリカ出身のカールソンも活躍しています。

 ジョン・カールソン(ワシントン キャピタルズDF・28歳)です。

ジョン・カールソン(Photo:Jiro Kato)
ジョン・カールソン(Photo:Jiro Kato)

 ドラフト1巡目(2008年全体27番目)で指名を受けたことでも明らかなとおり、ジュニア時代からアメリカのトップDFとして活躍。U20(20歳以下)の世界選手権では、ホスト国のカナダとの決勝戦で、オーバータイムにサヨナラゴールを決め、アメリカを世界一に導いた立役者。

 ワシントンでも、ポイントゲッターとして鳴らしたアレクサンダー・セミン(既に引退)に続く、10代でのNHLデビューを飾った経歴の持ち主で、チーム内には、優勝経験のあるブルックス・オービック(37歳)のようなベテランも在籍していますが、カールソンは押しも押されもせぬ看板DFとして、毎試合フル回転。

 1試合の平均プレータイムは、全チームのDFの中で5番目に多い数字(27分03秒=通常の試合時間は60分)を、記録しています。

▼同じ「カールソン」でも、ちょっと違う

 プレーオフで存在感を発揮している二人の「カールソン」を紹介しましたが、この両選手がプレー中に着用しているユニフォームの背中ををよく見ると、ちょっと違う点があるのを、ご存じでしたか?

 まず最初に紹介した「ベガスのカールソン」は、、、「KARLSSON」

ベガスのカールソン(Courtesy:@TheVegasRealm)
ベガスのカールソン(Courtesy:@TheVegasRealm)

 対して、アメリカで生まれたワシントンのカールソンは、、、「CARLSON」 と、名前(苗字)のスペルが異なります。

ワシントンのカールソン(Photo:Jiro Kato)
ワシントンのカールソン(Photo:Jiro Kato)

▼選手にアピールをしたいのなら

 「はるばる日本から駆けつけて観戦しに来たのだから」と、近年はスタンドで観戦されるファンの方が、お手製のボードを掲げる姿が増えてきましたが、くれぐれもスペルをお間違えないように!

 いっそ間違えのないよう、こちらのファンの方たちを参考に、写真やイラストでアピールしてみるのも、いいかもしれませんよ。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事