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【平昌パラリンピック】日本は8年ぶりのメダルを勝ち取れるか? 氷上の日韓戦が行方を決める!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
バンクーバーパラリンピックの準決勝で地元カナダを下し銀メダルを手にした日本代表(写真:ロイター/アフロ)

 ピョンチャン(平昌)パラリンピックは、今日からパラアイスホッケーが開幕!

 「ノルウェー vs イタリア」のオープニングゲームに続いて、「韓国 vs 日本」の試合が行われます。

▼テストマッチ2試合で本番に

 韓国入りした日本は氷上での練習に加え、イタリア、スウェーデンとのテストマッチを行い、今日の初戦を迎えました。

 プレーだけに限らず、宿舎の部屋割りも、年齢やセットなどを考慮し、プライベートな時間も含めてコミュニケーションがとれるようシフトするなど、準備にぬかりはない様子です。

▼韓国戦はこの大会の行方を決める戦い

 ところで、テストマッチのあとメディアの取材に応えていた 上原大祐(DF・36歳)の口から、このような言葉が飛び出しました。

「初戦の韓国との試合は、この大会の行方を決める試合になると思います」

▼8年前の大きな一歩!

 上原がこう言った理由は、自らの経験に基づくものです。

 8年前の「バンクーバー パラリンピック」の準決勝で、日本はカナダを相手に 3-1 のスコアで勝利を収め、決勝戦に進出。

 惜しくもアメリカには敗れましたが、初めてのメダル(銀)を手にする”大きな一歩”を記したのです。

▼8年前と同じ戦い?

 カナダとの試合で決勝点を決めた上原は、この試合と今日の韓国戦の戦い方を、こう話していました。

「チーム力に差があるので(世界選手権の前大会に基づく世界ランキングは韓国3位。日本7位)、攻められるのは分かっていますから、守って守って、チャンスが来た時に決める」

 カナダ戦も日本のディフェンティングゾーン(自チームのゴールがあるゾーン)で試合が進む時間が、かなり多かったものの、我慢を重ねて守り続け、数少ないチャンスに得点。

 自国でのオリンピックで男子と女子のアイスホッケーが金メダルを獲得したのに続いて、パラリンピックでの ”三冠” を狙うカナダの野望を打ち砕きました!

▼韓国は準備万端!?

 一方、迎え撃つ韓国も、試合が行われるカンヌン(江陵)ホッケーセンターでの練習時に、音楽に声援を交えたノイズを大音量で流し続け、どのような状況でも、平常心を保ってプレーができるように努めていただけに、準備万端のようにも思えますが・・・。

 バンクーバー パラリンピックの準決勝で、日本に敗れた時のカナダ代表で、現在はキャプテンを務めている グレッグ・ウエストレーク(31歳・FW)は、当時を振り返って、

「少しだけかもしれないけれど、決勝戦と金メダルに想いが移ってしまっていた」

と当時を振り返っていました。

 果たして韓国の選手たちは、どのような心境で初戦に臨むのでしょうか?

 

▼8年前の再現となるか!?

 日本の選手の中には、バンクーバーで戦った8人の銀メダリストがいるだけに、このような経験を財産に、8年前の再現を演じることができるのか !?

 「日本 vs 韓国」戦は15時30分開始。生中継でお楽しみいただけます。(筆者が解説を担当します)

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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