Yahoo!ニュース

【平昌パラリンピック】開会式に続いて明日から始まる「パラアイスホッケー」の絶対に見逃せない3人!!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
バンクーバーに続いてソチパラリンピックでも金メダルを勝ち取ったアメリカ(写真:ロイター/アフロ)

 ピョンチャン(平昌)パラリンピックは、今夜の開会式に続いて明日からパラアイスホッケーが開幕! 

 2大会ぶりの出場を果たした日本の戦いはもちろんですが、世界ランキング1位の カナダアメリカ(同2位)、韓国(同3位)というトップ3の強豪国のプレーも見逃せません。

 残念ながら、なかなか見る機会がないだけに、選手を知らない方がほとんどだと思いますので、パラアイスホッケーの試合をご覧になる際「絶対に見逃せない3人」を紹介しましょう!

▼カナダ/ホッケー大国の頼れるリーダー

 ”ホッケー大国”だと誰もが自負するカナダの選手の中で、胸にC(キャプテン)マークをつけてプレーするのが、グレッグ・ウエストレーク(31歳・FW)

グレッグ・ウエストレーク(Photo:Jiro Kato)
グレッグ・ウエストレーク(Photo:Jiro Kato)

 初めて出場した「トリノ大会」で金メダルを手にしたのから一転、「バンクーバー」では4位に終わったことをバネにしたのが、「自らのレベルアップにつながった」と言います。

 気持ちの強さが伝わるハードなプレースタイルで、チームを牽引し続ける”頼れるリーダー”は、両親とガールフレンドが応援に来るとあって、モチベーションも高い様子(!?)

 過去2回(2013年2017年)韓国で開催された世界選手権(上位チームが参加するAプール)は、いずれも世界一に輝いているだけに、今回も金メダルを勝ち取って「幸運の地にしたいね」と、笑顔を見せていました。

▼アメリカ/16歳でソチ大会のMVP

 4年前の「ソチ大会」で、世界のスレッジホッケーファンを驚かせたのが、アメリカの デクラン・ファーマー(FW・20歳)

デクラン・ファーマー(Photo:Jiro Kato)
デクラン・ファーマー(Photo:Jiro Kato)

 16歳ながらアメリカ代表に選ばれ、初めてのパラリンピックに出場すると、図抜けたスピードを武器に相手ゴールへ攻め込み、5試合で5ポイント(3ゴール2アシスト)をマーク。

 なかでも最大のライバルであるカナダとの試合では、2得点を記録するなどして、パラリンピック史上初めての2連覇に貢献しました。

 

 この活躍が評価され、全ての競技を対象にした最優秀選手賞(男性部門)を受賞。

 大会終了後にオリンピックも合わせたアスリートとともに、ホワイトハウスに招かれると、バラク・オバマ大統領(当時)に、名指しされるシーンも見られました。

 地元にあるNHLのタンパベイ ライトニングのスレッジホッケーチームで育ったとあって、「タンパベイの大ファン」というファーマー。

 NHLのタンパベイは、今季絶好調。ここまで全31チーム中でトップの成績を残しているだけに、「ボクたちは金メダル、タンパベイはスタンレーカップ(=NHLの優勝チームに送られるカップ)が揃ってとれたら最高だね」と笑顔で話していました。

▼韓国/CMにも出演するスピードスター

 「とってもワクワクしています」

 開幕を目前に備えて、こう語ったのが韓国の ジョン・スンファン(32歳・FW)

ジョン・スンファン(Photo : Jiro Kato)
ジョン・スンファン(Photo : Jiro Kato)

 前出のファーマーにも引けをとらないスピードを武器に活躍し、韓国パラアイスホッケー界のシンボル的存在としてCMにも出演した経歴を誇ります。

 しかし30代に入った頃から、スピードを武器にするウイングのポジションから、攻撃に加えて守りの役割も担うセンターフォワードへコンバート。(アイスホッケーのFWは、センターフォワードを中心に、左と右にウイングと呼ばれる選手の3人で、FWラインを構成して戦う)

 「センターになってからは、ウイングの時ほど走っていないよ」と言いながらも、まだまだスピードは衰えていないため、ここ一番の場面でスピードを武器に攻め込むシーンが見られそう。

 「目標は決勝まで勝ち進むこと」

 自らが口にした目標を現実のものとするには、何よりもジョン・スンファンのスピードが、大きな原動力になるはずです。

 明日から始まるパラアイスホッケーの試合は、日本戦やメダルの行方を懸けた試合を中心に、NHKでご覧いただけます(筆者が解説を担当します)

 普段はなかなか見られないパラアイスホッケーの激しいバトルを、ぜひお楽しみください!!

 尚、選手の日本語表記は、中継をご覧いただく方たち向けへ、NHKの統一表記で掲載しています。

(韓国語通訳:チェ・ハヌル)

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事