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【平昌オリンピック】NHLに続いてKHLも現役選手不出場へ! 韓国へ来るのは二流選手ばかり!?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
開幕へ向けて国内の聖火リレーも始まった「ピョンチャン(平昌)オリンピック」(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 来年2月9日に開幕するピョンチャン(平昌)オリンピック

 既に韓国国内での聖火リレーもスタートし、初めてとなる冬季オリンピック開催へのカウントダウンが進んでいます。

 ところで、冬季オリンピックでは最後の金メダルを懸けて、必ず閉会式の前に争われる競技と言えば、「男子アイスホッケー決勝戦」です。

 欧米を中心に多くのファンが駆けつけ、文字どおり“冬季オリンピックの花形競技”となっている男子アイスホッケーは、既に当サイトで4月4日に報じたように、NHLが現役選手の出場を認めない方針を決定。

 そのため1998年の長野オリンピックを皮切りに、5大会続いて出場していたNHLの現役スター選手たちが祖国のジャージで戦う姿を、ピョンチャンで見ることができなくなりました。

▼KHLも現役選手不出場へ

 世界各国のトッププレーヤーたちが集まるNHLの現役選手が、見られなくなるのに続いて、ロシアをはじめとする8か国の27チームが加盟しているヨーロッパ屈指のビッグリーグKHL(コンチネンタルホッケーリーグ)も、ここへ来て現役選手の出場を禁止する可能性が高まってきました。

 ご存じの方も多いでしょうが、ソチオリンピックでのロシアのドーピング問題に端を発し、ピョンチャンオリンピックへの参加を認めるか否かが、国際オリンピック委員会で協議され、来月5日に決定する見込みです。

 この決定に先駆けて、ロシア人スポーツジャーナリストによると、ロシア議会が「KHLの現役選手がピョンチャンオリンピックに出場することを禁止する法案」の成立を進めているとのこと。

 法案にはロシア人以外の選手も含まれているため、成立した際には、NHLに続いてKHLの現役選手も全てオリンピックに出場できない見通しです。

▼国際アイスホッケー連盟は制裁を公言

 これに対して、オリンピック(のアイスホッケー競技)を統括する国際アイスホッケー連盟のルネ・ファゼル会長は、ロシア以外の国籍を持つ選手が、出身国からオリンピック出場要請を受けた際は、KHLが認めるように勧告。

 反した場合は制裁を科すと公言したことを、タス通信が報じています

 しかし、最終的な決定権はKHLと所属チーム側にあるため、NHLに次ぐ高いレベルを誇る世界で2番目のアイスホッケーリーグの選手も、ピョンチャンで見られない可能性が高まってきました。

 前述したとおり、1998年の長野オリンピックを皮切りに、5大会続いて出場していたNHLのスター選手たちが祖国のジャージで戦う姿を見ることができなくなっただけでなく、「韓国へ来るのは二流選手ばかり!?」との声が聞かれそうな雲行きに・・・。

▼”ドル箱競技”も閑古鳥が鳴く!?

 韓国の中央日報によれば、開幕まであと80日となっても、ピョンチャンオリンピックの前売りチケット販売率は「33.5%」

 試合数と試合会場のキャパシティも多く、欧米からやってくる人たちも含め、たくさんの観客を見込める男子アイスホッケーは、本来であれば”ドル箱競技”となるはずですが、ピョンチャンオリンピックは(現状では)前途多難な模様です。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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