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【NHL】スタンレーカップの行方はゴーリーが握っている!鬼門に戻るリネ vs 弱点を狙われたマリー

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
スタンレーカップの行方は両チームのゴーリーが握る(写真:代表撮影/USA TODAY Sports/アフロ)

今季のNHLのチャンピオンを決める「スタンレーカップファイナル」は、先月29日(現地時間)から始まりました。

これまでの戦績をおさらいすると、第1戦、第2戦と地元のピッツバーグが2連勝。

しかし、舞台をナッシュビルに移して行われた第3戦と第4戦は、逆にナッシュビルが2連勝と、いずれもホームチームが試合を制して、対戦成績は「2勝2敗」になりました。

▼結果で答え返したリネ

ピッツバーグでの第1戦と第2戦で精彩を欠いてしまったのは、ナッシュビルのGKペカ・リネ(34歳)

ファイナルを迎えるまでの成績が、今季のプレーオフで10試合以上出場したGKの中でナンバーワンと、抜群の安定感を誇っていたのから一転し、ピッツバーグでは2試合続けて4失点。第2戦に至っては途中交代を命じられノックアウト・・・。

ところが、ホームアリーナへ戻ってからは本来のプレーを取り戻し、第3戦は28本。第4戦では24本のシュートを放たれながら、いずれも1失点に抑えて連勝に大きく貢献。

さらに、ピッツバーグでは見られなかったダイナミックなプレーも披露しました。

「お前が我々のチームの屋台骨であるのは変わらないぞ!」と、2連敗した後にピーター・ラビオレット ヘッドコーチ(HC)が口にした守護神への信頼感に、リネは結果で答え返したのです。

▼鬼門で勝たなければならない

しかし、これからリネの真価が問われることになりそう。

なぜなら、両チームとも優勝まで「あと2勝」となりましたが、ナッシュビルよりレギュラーシーズンの成績(勝点)で上回るピッツバーグは、今夜(現地時間)の第5戦と、もつれた際は最終戦(第7戦)をホームアリーナで戦うことができます。

つまりナッシュビルがスタンレーカップを手にするためには、必ず敵地で白星を手にしなければならないのです。

第2戦終了後の記事で紹介したように、リネは2005年12月15日にデビューして以来、ピッツバーグでの公式戦(レギュラーシーズン&プレーオフ)で一度も勝っていません(通算成績0勝5敗)。

成績を見ても、1試合(3つのピリオドをフルにプレーした際)の平均失点率は「4.85」(NHL全試合の通算成績は2.38)。シュートセーブ率に至っては「8割3分3厘」(同9割1分7厘)と、まさしく「鬼門」!

今夜の第5戦を再びピッツバーグで戦うリネが、鬼門で勝つことができるか !?

チーム創設史上(1998年秋からNHLに参戦)初めてのスタンレーカップ獲得へ、NHLのGKで3番目に高い年俸(700万USドル=およそ7億8000万円)の守護神の活躍が、不可欠となるでしょう。

▼ナッシュビルで連敗したマリー

対してピッツバーグのゴールを守るのは、マット・マリー(23歳)。

昨季の途中にNHLデビューを果たしたしたマリーは、2009年の優勝時にメインGKを担ったマーク アンドレ・フルーリー(32歳)がケガで離脱した穴を埋めるべく、1stラウンドの途中からゴールを任されると、7季ぶりの頂点へ導きました。

今季のプレーオフも、オタワセネターズとのカンファレンス ファイナル第4戦から、フルーリーに代わって先発マスクを託されると、マイク・サリバンHCの期待に応え、イースタンのチャンピオンに!

2年連続のスタンレーカップファイナル進出に貢献したマリーですが、ナッシュビルでの2試合は、いずれも黒星を喫してしまいました。

▼23歳の守護神に命運を託す

第3戦が「4失点」(他にGKをベンチへ戻しFWを1人増やしてプレーした際の失点あり)、第4戦も「4失点」してしまったマリーですが、気になるのは、2試合で「8失点」したうちの「6失点」はグラブサイド(シュートをキャッチするGK用ミットをしている左手側)に決められたもの。

出場試合数が多くないため、今季のレギュラーシーズンでは明確な違いは現れていませんでしたが、ナッシュビルがマリーの弱点を狙い続けたのは明らか。

しかしながらサリバンHCには、フルーリーを再度先発させる考えはない模様で、ピッツバーグの命運は、23歳の守護神に託されました。

他のスポーツ同様に、アイスホッケーの試合でもGKのプレーが勝敗を大きく左右するだけに、「スタンレーカップの行方はゴーリーが握っている!」と言えそうです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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