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【NHL】王者・ピッツバーグペンギンズに挑む「ナッシュビル プレデターズ」を知るための5つのポイント

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
2000年秋にさいたまスーパーアリーナで開催されたNHL公式戦(写真:ロイター/アフロ)

NHLのプレーオフは、東西両カンファレンスのチャンピオンが決まり、いよいよ今夜(現地時間)からスタンレーカップ ファイナルが幕を明けます。

今季の頂上決戦で顔を合わせるのは、イースタン カンファレンスを制したピッツバーグ ペンギンズと、ウエスタン カンファレンスの覇者ナッシュビル ブレデターズの両チーム!

昨季のチャンピオンの上、シドニー・クロスビーエフゲニ・モルキンら、個人タイトルを手にしたキャリアを持つFWがいるピッツバーグと対照的に、初めて頂上決戦に勝ち上がったナッシュビルは、「どんなチームなの?」という方も多いでしょう。

そこでスタンレーカップファイナルを目前に控え、

「ナッシュビル プレデターズを知るための5つのポイント」

をお届けします。

▼<1>日本で最後の公式戦に臨んだチーム

現役NHLプレーヤーが初めて出場した「長野オリンピック」の前後(1997、1998、2000年)に開催された「NHL日本公式開幕戦」。そのうち最後の年に来日したのがナッシュビル!

タイトル写真でご覧いただいたとおり、さいたまスーパーアリーナを舞台に2試合行われましたが、対戦相手は、くしくも今季のスタンレーカップファイナルで顔を合わせるピッツバーグでした。

日本では1勝1敗と星を分け合いましたが、今夜から始まるスタンレーカップファイナルでは、どちらのチームに軍配が上がるでしょうか?

ちなみに、当時のナッシュビルとピッツバーグの来日メンバーの中で、今季もNHLでプレーしたのは、ヤロミール・ヤーガ(45歳・現フロリダパンサーズ)だけです。

▼<2>日本人選手も在籍

「NHL日本公式開幕戦」に挑むことが決まったナッシュビルから「チームの主力クラスで、英語でコミュニケーションがとれる選手」と白羽の矢を立てられ、トレーニングキャンプに招集されたのが、当時コクドに在籍していた中島谷友二朗(なかじまや ゆうじろう) 氏!

ナッシュビルプレデターズにも在籍した中島谷友二朗氏(photo : Jiro Kato)
ナッシュビルプレデターズにも在籍した中島谷友二朗氏(photo : Jiro Kato)

カナダでプレーした経歴を持つ中島谷氏は、フィジカルなプレーが武器のDFとして、日本リーグの新人王に輝いただけでなく、日本代表の一員としても活躍。

その実績を買われ、ナッシュビルのトレーニングキャンプに招かれると、来日前のプレシーズンゲームではポイント(=アシスト)を記録するなどして、日本人選手の力をアピール!

残念ながら正式契約ではなかったため、プレシーズンゲームだけしか出場できなかったものの、この貴重な経験を財産に、今春の世界選手権でに出場したスマイルジャパン(女子日本代表)の優勝メンバー竹内愛奈(あいな)、寺島奈穂、浮田留衣(るい)3選手が在籍しているクラブチームDaishin(ダイシン)の監督を務めています。

▼<3>ミュージックシティがホームタウン

テネシー州の州都のナッシュビルは、カントリーミュージックの殿堂があるなど、アメリカでも指折りのミュージックシティ。

エルビス・プレスリーがレコーディングに利用したスタジオも、ナッシュビルにあったことから、ホームゲームが行われるブリヂストンアリーナの周辺には、エルビスのソックリさんが、あちらこちらに出没!

またアリーナ内でも、試合中のインターミッションには、スタンドに設けられたステージを使ったミニライブも催され、ミュージックシティのホッケーファンを楽しませています。

ブリヂストンアリーナのインターミッションショー(photo : Jiro Kato)
ブリヂストンアリーナのインターミッションショー(photo : Jiro Kato)

▼<4>ヨーロピアンパワー

ナッシュビルを勝利に導く立役者となっているのは、チームトップの得点とポイントをマークしているスウェーデン出身のFWフィリップ・フォースバーグ(22歳)

チームで最も多い出場時間を誇るスイスからやって来た DFロマン・ヨッシ(26歳)

そして、フィンランド生まれの GKペカ・リネ(34歳)というヨーロピアンパワー。

いずれもワールドカップや、世界選手権代表としてプレーしたキャリアを持つ実力派ですが、なかでも、これまでの全試合を一人で守り続けているGKのリネは、シュートセーブ率、平均失点の成績が、10試合以上出場したGKの中でナンバーワン。

カナダのオンラインブックメーカーがつけたコンスマイス トロフィー(プレーオフMVP)のオッズも、前述したピッツバーグの主力FWのモルキン(4.35倍=2位)、クロスビー(4.55倍=3位)よりも低い「3.70倍」! コンスマイストロフィーの大本命に目されています。

▼<5>プレーオフ史上最大の下剋上

「大本命」と言えば、プレーオフが始まる前から優勝候補に数えられていたのが、ディフェンディング チャンピオンのピッツバーグ。

それもそのはずで、昨季のプレーオフに出場した25選手のうち、22選手が今季も在籍しているとあって、経験値の高さが武器になりそう。

一方のナッシュビルは、プレーオフに進んだ16チームの中で、最も少ない勝点でプレーオフに進んだ最低成績チーム

勝点94ポイントで、ウエスタン カンファレンスの最後のイス(ワイルドカード2位)を手にしたものの、もしイースタンカンファレンスに所属していたら、タンパベイ ライトニングの成績を下回り、レギュラーシーズンで敗退になっていたチームなのです・・・。

プレーオフが16チームで争われるようになった1980年以来、リーグ16位のチームが頂上決戦まで勝ち上がってきたのは初めて!

「NHLのプレーオフ史上最大の下剋上」を、ナッシュビルが演じるのか !? 大いに注目されるスタンレーカップ ファイナルは、今夜ピッツバーグで始まります。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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