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NHL史上初「14連勝」vs「12連勝」の絶好調チームが激突! 激戦必至の試合をNHLが無料で生中継

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
エクセルエナジーセンター(Photo:Jiro Kato)

1917年に創設したNHLは、今季が100年目。

節目のシーズンとあって、何かと話題につきませんが、今夜(現地時間)絶対に見逃すことのできない試合が、セントポール(アメリカ・ミネソタ州)のエクセルエナジー センターで行われます。

その試合とは、、、

「ミネソタ ワイルド vs コロンバス ブルージャケッツ」

の対戦です!

▼NHLトップの攻撃力を誇る「コロンバス ブルージャケッツ」

コロンバスは、前の試合を戦い終えた時点(現地29日=ミネソタも同様)で、所属するイースタン カンファレンスだけでなく、全30チームの中でトップの成績(34試合 勝点54ポイント)をマークしています。

「守り(に入った試合運びをすること)は、チームの死を意味する」

タンパベイ ライトニングを率いてチャンピオンに輝いた頃、こう話していたジョン ・トートレラヘッドコーチ(HC・58歳)が、昨季の途中に就任したコロンバスは、ポイント数(ゴールとアシストの合計)が出場試合を上回る選手は、キャム・アッキンソン(FW・27歳)ただ一人。

しかしながら、今季の試合に出場したプレーヤー(FWとDF)23人のうちの13人が二桁ポイントを記録しているように、厚みのある攻撃がコロンバスの強みで、ここまで1試合の平均得点(3.44点)、パワープレー(相手チームの反則によってプレーヤーの数が多い時)の得点率(28.0%)と、いずれもリーグでナンバーワン。

対してディフェンス面は、1試合平均の被シュート数(30本)が17位と芳しくはないものの、オリンピックやワールドカップでロシアのゴールを守ったセルゲイ・ボブロフスキ(28歳)が、頼れる守護神として君臨。リーグで唯一20勝以上(23勝)をマークする働きで、コロンバスを支えています。

セルゲイ・ボブロフスキ(Rights of Jiro Kato)
セルゲイ・ボブロフスキ(Rights of Jiro Kato)

▼NHLトップの守備力が武器の「ミネソタワイルド」

一方、コロンバスを地元に迎え撃つミネソタは、ウエスタン カンファレンスの2位ですが、トップのシカゴ ブラックホークスより3試合も消化が少ないのに、その差は1ポイントだけとあって、実質的には「西の1位」と呼ぶべきチームです。

そんなミネソタを率いているのは、ブルース・ブードローHC(61歳)

ブルース・ブードローヘッドコーチ(Rights of Jiro Kato)
ブルース・ブードローヘッドコーチ(Rights of Jiro Kato)

現役引退後、NHLの下部リーグで指導者に転じて実績を残し、2007年11月にワシントン キャピタルズのHCに就任。

2011年11月末に連敗が続き、ワシントンから解任されてしまいましたが、その「3日後」には、アナハイム ダックスからのオファー受けて、HCに就任。

昨季のプレーオフで敗れ、足掛け5季務めたアナハイムのHC職を解任されてしまいましたが、NHL史上7人目の異なるチームで、それぞれ200勝以上をマークした手腕を買われ、今度は「8日後」にミネソタのHCに就任し、今季から采配を振るっています。

得点王に輝くほどの卓越したオフェンス力を持つFWがいたワシントンやアナハイム時代とは異なって、ミネソタではディフェンスに重きを置いた戦いに注力し、1試合の平均失点(2.00点)は全30チームの中で最少。

リーグ9位だった昨季(2.49点)より、さらにディフェンス力を向上させ、ブードローHCは白星を積み重ねています。

▼NHLの連勝記録を塗り替えられるか!?

100年目を迎えたNHLの歴史の中で、レギュラーシーズンの(引分けを挟まない)連勝記録は、、、

【17連勝】

ピッツバーグ ペンギンズ(1993年3月9日~4月10日)

【15連勝】

ニューヨーク レンジャーズ(1982年1月21日~2月10日)&ピッツバーグ (2013年3月3日~30日)

が歴代のトップ3となり、コロンバスの「14連勝」は、ブードローHCが率いていた頃(2010年1月13日~2月7日)のワシントンなどと並んで歴代4位タイ!

コロンバスにとっては、あと3つに迫ったNHLの連勝記録へ向け、今夜の試合は最大のヤマ場と言えそう。

というのも、地元で待ち受けるミネソタも、目下「12連勝中!」

絶好調のコロンバスに待ったをかけるとともに、NHLの連勝記録更新へ挑もうと意気盛んな様子です。

▼NHL史上初めてとなる絶好調チーム同士の激突!

どちらも連勝記録更新の期待が集まる「14連勝中のコロンバス」「12連勝中のミネソタ」の対戦は、昨季のレギュラーシーズンで顔を合わせた「12連勝中のシカゴブラックホークス」vs「6連勝中のタンパベイライトニング」による「両チーム合わせて18連勝中」というNHL記録を大きく塗り替える「両チーム合わせて26連勝中」という絶好調チーム同士の激突!

100年目を迎え、「センテニアル クラシック」と題して、創設時から歴史を積み重ねてきた トロント メイプルリーフスとデトロイト レッドウィングスが顔を合わせるアウトドアゲームを、元日(現地時間)に開催しますが、プレーオフ圏外の順位に低迷しているチームの屋外ゲームより、現在のNHLでは最も歴史の短い(2000年に加盟)「コロンバス vs ミネソタ」 戦は必見です !!

NHLが現地の放送局(ホームとビジター両チーム向けのテレビとラジオ)の生中継を配信しているNHL TVでは、日本時間1月1日午前8時から始まるこの試合を無料で視聴できます。(予定)

2017年の始まりに、アイスホッケーの最高峰・NHLで、今 最も強い絶好調チーム同士による激戦必至の試合を、ご覧になってみてはいかがでしょう?

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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