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台風14号 予想が大きく変わり、静岡に近づく可能性も

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:ロイター/アフロ)

台風14号の進路が大きく変わる

最新の進路予想を見てみると、ずっと東シナ海で停滞していた台風が東へ動き出しています。

17日金曜日の午後6時に九州北部付近に進み、18日土曜日の午後3時に東海地方、日曜日は東の海上で温帯低気圧に変わりそうです。

台風のまま静岡に近づく予想に変わってきました。18日土曜日の日中に最接近となりそうです。

台風14号の予想進路(提供:ウェザーマップ)
台風14号の予想進路(提供:ウェザーマップ)

大きく進路が変わったのは偏西風が関係しています。

15日水曜日の予想では対馬近海で温帯低気圧に変わった後、日本海沿岸に進む予想でした。偏西風に乗って、スピードを上げて東に進む予想だったんです。

ただ最新の予想では、偏西風に乗り切れない予想になり、かわりに南の高気圧を回る風に流される形で瀬戸内海や静岡県付近にやってくる形に変わりました。

高気圧の風は偏西風よりも遅いので、少し動きがゆっくりにもなりました。

15日水曜日と16日木曜日の台風進路の比較(提供:ウェザーマップ 筆者加筆)
15日水曜日と16日木曜日の台風進路の比較(提供:ウェザーマップ 筆者加筆)

たった一日で大きく予想が変わりましたが、こういう時はまだまだ予想が変わることが考えられます。近づく直前まで最新の予想を参考にしてほしいと思います。

台風14号 静岡は特に大雨に警戒を

まだ変わる可能性はあるものの、今の予想通りに動くとしたら、特に大雨に警戒です。雨は2段階で降りそうです。

16日木曜日午後3時の気圧配置を見てみると、台風14号が東シナ海にあり、その東側に前線がのびています。北の比較的冷たい空気を持った高気圧と、非常に暖かく湿った空気を持つ台風や南の高気圧の間で前線がのびています。

台風が東に動くにつれ前線も東に進みます。静岡県内にはまず前線の雨雲がかかりそうです。そしてその後台風の雨雲がやってきそうです。

16日木曜日午後3時の天気図(提供:ウェザーマップ 筆者加筆)
16日木曜日午後3時の天気図(提供:ウェザーマップ 筆者加筆)

雨のピークは18日土曜日の午前中です。

雨の予想を時系列でみていくと、台風の南東側に広がる前線に伴う雨雲が17日金曜日の昼頃からかかり始めそうです。前線の活動が活発で夜には激しく降るところも出てくるでしょう。

前線の雨雲が抜け切る前に、18日土曜日の日中は台風本体の雨雲がかかります。風も強まって荒れた天気になりそうです。

17日金曜日午後6時から18日土曜日午後6時までの雨量は、多いところで200~300ミリです。

短い時間で一気に雨量が増えるので、低い土地の浸水に警戒です。また土砂災害や川の増水にも警戒が必要です。

17日金曜日の時系列予報(提供:ウェザーマップ)
17日金曜日の時系列予報(提供:ウェザーマップ)

18日土曜日の時系列予報
18日土曜日の時系列予報

17日金曜日の日中に台風対策を

17日金曜日の日中はまだ雨が弱いので、台風対策を進めてください。

台風で停電になることもあります。携帯電話はしっかり充電しておきましょう。懐中電灯の点検もしておくとよさそうです。

台風が近くを通るので風も強いです。飛ばされやすいものは家の中にしまったり固定をしましょう。

また、今回は暗い時間から雨が強まってきます。雨が強まってからの避難は危険です。不安がある方は早めの避難も考えてください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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