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就活相談38・OB訪問のコツ

石渡嶺司大学ジャーナリスト

質問 OB訪問では何を聞いたらいいですか? あるいは、気を付けた方がいいことなども教えてください。

なるほど。気になるところですね。色々と多岐にわたりますが、注意点から。

「約束した日時・場所を守り、5~10分前には到着するようにする」「挨拶はちゃんとする」「メモやノートを取るようにする(筆記用具を持参している)」。

この3つ。

当たり前と思うでしょ?

できない学生、結構多いですよ。

私も、以前に社会人訪問の依頼を受けて、新宿で待ち合わせをしたら、30分遅刻(しかも連絡なし)、しかも第一声が「私、新宿とかめったに来ないので。それにごちゃごちゃしている街ですよね」。

こらこらこら、遅刻しそうならまず連絡。

で、会うことができたら、事故だろうがなんだろうが

「ごめんなさい」

でしょうが。

挨拶もOB訪問・社会人訪問をする学生だから大丈夫か、と思いきやしんどい学生、そこそこいます。

メモ・ノートも取らないヤツ(ヤツ?)、多くてもう。

山のように話をしているけど、絶対忘れているし。

なお、注意点の次点は「学生が自分の話ばかりしてしまう」と「第一志望と言わない」。

後者は別の質問でどうぞ。

聞いた方がいいのは、年次にもよります。

入社1~4年目あたりの若手社員なら、その社員の就活について聞いてみましょう。

就活前・就活後、入社後でそれぞれ仕事やその企業についての印象や仕事観などがどう変化したか、なども面白いはず。

入社5年目以降の中堅・ベテラン社員なら、「若手社員に対してアドバイスしたいこと」。

自分より若い後輩社員や部下に対して言いたいことは山ほどあるはずなので、どこが不満なのか、アドバイスするとしたらどの辺か、聞いてみてください。

あなたが入社した際に気を付けた方がいいポイントでもありますし、もっと言えば、それを意識していれば就活もかなり改善されるはずです。

そのうえで、入社5~15年目あたりの中堅社員だと、仕事そのもの。

どの年次でどんな仕事を任されるのか、若手社員時代の雑用はどんな仕事に結びつくのか、仕事での失敗談や失敗からの立ち直り方など、色々あります。

入社15年目以上、もしくは課長クラス以上の役職者・ベテラン社員なら企業そのもの。

企業がどんなビジョンで進もうとしているのか、あるいは、その企業が持つ課題はどこか。ビジネス週刊誌の記事にあった内容は的外れか、それとも痛いところをついているのかどうか。などなど、かなり大きな話を聞けるはずです。

共通項としては、自分の性格(おとなしいか、社交的か……その他何でも)を伝えて、似たようなタイプの社員はいるかどうか、いるなら成功例と失敗例をそれぞれ聞いてみると参考になります。

もう1点、採用サイトやナビサイト(マスコミに露出の多い企業なら新聞・雑誌記事なども)で登場する社員の記事を印刷しておいて、それを見せつつ、活躍する社員などを聞いていくと面白いですね。

「こいつは確かに出世株で」「なんで、あいつが出ているんだか」など色々盛り上がると聞いています。

※『300円就活 面接編』(角川書店オリジナル電子書籍)より引用

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計31冊・65万部。 2023年1月に『ゼロから始める 就活まるごとガイド2025年版』(講談社)を刊行予定。

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