来年の夏休みに備えよ「しゅくだいやる気ペン」はホントに子供たちをやる気にさせたのか?

9月になっても苦労している家庭には「しゅくだいやる気ペン」をどうぞ

夏休み前に発売が開始されたコクヨの「しゅくだいやる気ペン」。いわゆるIoT製品ですが、鉛筆とセットでしか使えない商品にもかかわらず、発売直後は販売サーバがつながらない、1日の販売数が瞬殺されるという状態でした。

やる気ペンが日々の努力を見える化するから、子どもは書きたくなる。保護者には褒めるきっかけが生まれる。褒められるから子どもはますます書きたくなる。このサイクルを繰り返すことで、子どもの「勉強する」という行動が自然に強化されていきます。

出典:コクヨ公式】かきたくなる。ほめたくなる。しゅくだいやる気ペン

さて!

夏休みの宿題を夏休み中に無事に終えたご家庭も、夏休みが終わってから泣きながら宿題をこなしたご家庭も、今年の夏ホントにこのしゅくだいやる気ペンが勉強をやる気にさせたのかどうか気になるところだと思います。

イラストも実に子供に親しみやすい「しゅくだいやる気ペン」(著者撮影)
イラストも実に子供に親しみやすい「しゅくだいやる気ペン」(著者撮影)

ということで!

ツイッターを検索して、しゅくだいやる気ペンに関するものを探してみました。ええ、これがけっこうあったんです。しゅくだいやる気ペン、すごい。

つまり、しゅくだいやる気ペンには、子どもの勉強用の秘密兵器として試すだけの価値はあると言っていいでしょう。我が家でも、試してみたのですが、効果はありました。

なぜ、しゅくだいやる気ペンは効果的に働くのでしょうか。それは2つの可視化がカギだったのです。

1つ目は行動の可視化です。しゅくだいやる気ペンで勉強をしていると、しゅくだいやる気ペンの色がどんどん変化していきます。これだけですでに普段の鉛筆とはまったく違います。そして、その色の変化には上限があるというのが、設計としては実にうまい。やる気ペンの設計はわりとちゃんとしていますので、鉛筆を振り回したりするだけでは、色は変化しません。

使い始めはまだみどり(著者撮影)
使い始めはまだみどり(著者撮影)
勉強がすすむと色が変化していく(著者撮影)
勉強がすすむと色が変化していく(著者撮影)
みずいろになると、それ以上は変化しないし、やる気もペンにチャージされない(著者撮影)
みずいろになると、それ以上は変化しないし、やる気もペンにチャージされない(著者撮影)

そして、色の変わったしゅくだいやる気ペンをアプリを起動したスマホにかざすと(事前にスマホにしゅくだいやる気ペンを登録しておく必要あり)、まずやる気ペンにどれだけやる気がチャージされたかがわかり、その量に合わせて、すごろくをゴールに向かって、自分をすすめることができます。

ペンにチャージされたやる気の量でリンゴをゲット(著者撮影)
ペンにチャージされたやる気の量でリンゴをゲット(著者撮影)
リンゴの数だけマス目をすすめてゴールに向かう(著者撮影)
リンゴの数だけマス目をすすめてゴールに向かう(著者撮影)

これは成果の可視化です。そして、ゴールは(親が)任意のものを事前に決めておくことができます。ということは、それぞれの家庭でそれぞれ子どもに合わせた目標を設定できるわけです。最初のうちは比較的小さ目なごほうびにして、ちょっとずつ成功体験を重ねていけるとなおよいでしょう。

もちろん、この成果の可視化は、親がいっしょに確認することができ、そのタイミングでその成果が親子で話をするきっかけにもなります。

行動の可視化と成果の可視化、このように可視化が2段階になっていることで、勉強へのゲーム的な報酬が2回あります。その先にゴールというホントの報酬が待っている。つまり、1回の勉強がキーになって、3段階の報酬というたくさん楽しさを体験できる設計になっているわけです。これは子どもがハマるわけです。

なお、このしゅくだいやる気ペン、六角形の鉛筆で使う設計になっていますが、うまくはまってしまえば、四角形でもなんでも大丈夫ですよ。

しゅくだいやる気ペンの鉛筆をはめるスペース(著者撮影)
しゅくだいやる気ペンの鉛筆をはめるスペース(著者撮影)
鉛筆は六角形でなくても大丈夫(著者撮影)
鉛筆は六角形でなくても大丈夫(著者撮影)

では、なぜこのしゅくだいやる気ペンが誕生したのか、改めてご紹介したいと思います。成功のカギはターゲットをしっかり絞ることでした。

開発責任者であるコクヨ事業開発センターネットソリューション事業部の中井信彦氏(著者撮影)
開発責任者であるコクヨ事業開発センターネットソリューション事業部の中井信彦氏(著者撮影)
しゅくだいやる気ペンの試作品、大きさやランプの位置などが違う(著者撮影)
しゅくだいやる気ペンの試作品、大きさやランプの位置などが違う(著者撮影)

文房具でIoT製品を開発するということになって、当初いざやろうとすると、どうしてもハードウェアの機能的にできることから考えてしまい開発が難航していたそうです。そこで、できることから、実現させたいことに発想を切り替え、かつ文房具の基本であるという書くことに立ち戻って考えたときに、「子ども」というターゲットが見えてきたそうです。

書くということで考えると、大きな2つの疑問が設定可能です。

  • いちばん書いているのは誰なのか?
  • 書くことをいちばん伸ばすべきなのは誰なのか?

この2つの疑問が設定できた時点で、実はしゅくだいやる気ペンは完成したのも同然だったと言えるでしょう。伸ばすのが学力ではなく書くことそのもの、ということは明確なターゲットは書くことを学んでいる層、つまり小学校の低学年です。

さらに完成までの道のりで言うと、以下のような話を聞かせてもらいました。いずれも、すごく大事なポイントです。

  • 親がガミガミ言わなくてはいけない問題を解決したい
  • 毎日の努力が見えるようにしたい
  • なにかが貯まるとうれしい
  • ただし刺激が強すぎてはいけない
  • 成果は自分を投影できるものがいい
  • ロボット、動物も試したが性差の問題もある
  • 自分の頭から木を生やすというのがいちばんはまった
  • 子供だけでなく親も助ける結果になって欲しい

コクヨは日本一ノートを作っている会社です。ということは、書くことが好きになる子供が増えてくれることは、実はビジネス面にも直結する課題なんですね。また、開発の途中でユーザーを巻き込んでの企画会議やお試し会を通じて、製品の手ごたえもつかんでいったそうです。

鉛筆に1つアタッチを追加するだけで、書くことが楽しくなり、結果として宿題も進み、かつ宿題やってない問題で起きる家庭の雰囲気問題も解決することを目指したしゅくだいやる気ペン。勉強をさせることではなく、「書く」ことそのものにフォーカスすることが成功のカギだったというのは、子供だけではなく、大人のビジネスにもヒントに成り得ることです。

ということで、実は夏休みの宿題だけではなく、普段の勉強にも大いに有効なしゅくだいやる気ペン。ぜひ、お試しを。

【追記】

しゅくだいやる気ペンがACCクリエイティブイノベーション部門でシルバーを受賞しました。おめでとうございます!

▼ACC公式

▼審査員の池澤あやかさんによるコメント