約30年ぶりの続編「トップガン」の撮影で使われたレンズはオールジャパンシネレンズだった

SIGMAシネレンズ「FF High Speed Prime Line」

あの大ヒット作「トップガン」の30年ぶりの新作続編として公開が予定されている映画「トップガン:マーベリック」。その予告編が公開され、すでにYoutubeでの再生回数は、約1週間で約2000万回を超えています。

そもそもの前作「トップガン」でも圧倒的であった映像は、30年を経て、さらにものすごいことになってます。もちろん飛行機を巡る状況は変化して、登場する戦闘機そのものも変わってはいますが、この「トップガン:マーベリック」の予告編をちらっと見るだけでも、やはりその圧倒的な映像のパワーは健在としか言いようがありません。

すでにいろいろな話題が出てきていますが、この話題作の製作の話が、思わぬところから出ています。なんと日本のレンズメーカーであるSIGMAがその発信源です。

SIGMAは、一眼レフのレンズメーカーとしては、50年近い歴史を持っていますが、「SIGMA CINE LENS」でのシネレンズの参入は、実は2016年。

ということは、トップガンの撮影期間などを考えると、SIGMAとしては、初登場のシネレンズがハリウッドのそれも「トップガン」の続編という話題作に本格採用されたということになるんですね。

SIGMAシネレンズ参入時の山木社長のインタビューを確認すると、価格面で勝負といった趣旨の言葉が残されています。

「ご存知のように、当社は会津工場でほぼ完全内製し、開発から量産まで一貫して行っています。長年、垂直統合型の製造ラインで少量多品種生産を続けていますので、細部の擦り合わせによる高い精度の追求と、効率的な量産を矛盾なく両立させられる。つまり、今の市場の価値基準を刷新する高性能でリーズナブルなモノづくりができるんです。“重く大きく、高性能なら高くても仕方ない”現状に対し、“軽量コンパクトで、性能の高さからは想像できない価格”という、まったく新しい価値、新しいカテゴリを創れるはずです」

出典:SEIN | SIGMA

でも、1500万ドルと推定される製作費「トップガン」の30年ぶりの新作が撮影の要であるレンズの予算をケチらないと思うんですよ。つまり、日本製のシネレンズが最新の映画のデジタル撮影の現場で評価されたということでいいのですよ。

またSIGMAといえば、会津に自社工場を持ち、サプライヤーも含めて ”Made in Japan” であることで有名なレンズメーカーです。まさにオールジャパンシネレンズです。

シネレンズを手にするSIGMA会津工場、SIGMA社員(著者撮影)
シネレンズを手にするSIGMA会津工場、SIGMA社員(著者撮影)

一応、話を整理しておきましょう。

* SIGMA、Artレンズを発表

* 一部のArtレンズが妙な売れ方をしていることが判明

* Youtuberなどの小規模映像撮影の現場で一眼レフ用のSIGMAレンズが使われていることが判明

* よし、勝負できる価格でシネレンズに参入しよう

* トップガン30年ぶりの続編新作でレンズ採用

最後だけ、どうしてこうなった?という展開なのですが、おもしろい出来事というのは、得てしてこういう展開になるものです。いやあ、最高ですね。SIGMAさん、ロックだよ。

レンズのことをあんまり知らないとわかりにくいと思うのですが、カメラのレンズと映画などの映像の世界で使うシネレンズは似ているけど、ノウハウも価格もまったく違う世界なんです。それでこの展開。やっぱ、SIGMAさん、最高にロックだよ。

さて、また今回のこの話が、どうも最初に世間に露見したのが、どうもYoutubeのハッシュタグがきっかけだったというのも、実に今どきな面白い展開です。ロックです。

「トップガン:マーベリック」の公開は2020年夏ということなので、まだ実際にSIGMAのシネレンズの威力を映画館のスクリーンで味わうには、しばしのお時間がかかりますが、それまで楽しみが増えました。いやあ、うれしい。実にうれしい出来事です。

タイトル画像の出典:SIGMA社