Audi A6にみる自動運転的なものとディスプレイのスマホ化とその未来

見た目やタッチ&フィールもスマホ的なAudi A6のディスプレイ(著者撮影)

Audi、最新のA6試乗会ということで、千葉の富津まで行ってきました。アクアラインが渋滞してないことが条件になりますが、都心から2時間もかからないような場所に、あれだけ風光明媚な場所があるとは、個人的には初体験でした。なるほど、Audiが試乗会の場所に選ぶわけです。

Audi A6 55 TFSI quattro リア(著者撮影)
Audi A6 55 TFSI quattro リア(著者撮影)
Audi A6 55 TFSI quattro リア(著者撮影)
Audi A6 55 TFSI quattro リア(著者撮影)

プレミアムカーの世界は、まさにレベル3を見越しての自動運転的な装備とセーフティ機能の充実さも、運転体験の一部として、ここ数年の進化が著しいものがあります。

Audi A6はこんな車ですよ!というのは、さすがに今どきですから、ちゃんと動画が用意されています。

A6の動画に出てくるキーワードを並べてみましょう。

  • 自動ブレーキ
  • トラフィックセーフティ
  • センサーが歩行者を感知
  • 降車時に後方確認
  • 後方に気を配る
Audiの象徴ともいえるquattroの文字(著者撮影)
Audiの象徴ともいえるquattroの文字(著者撮影)

また、実際の運転としては、もうこれぞAudi。完璧な車と言ってしまっていいレベルです。値段もすごいんですが、ホント弱点がまったくない車っていうのはこういう車のことを言うのだと思います。運転中、ずっと「いいなあ、いいなあ、いい車だなあ」としか言ってなかった気がします。

自分が運転している車が1000万円を超える車であることを知ったとき、人はこんな顔になります(著者撮影)
自分が運転している車が1000万円を超える車であることを知ったとき、人はこんな顔になります(著者撮影)

自分で運転すれば、こっちの意図通りに走り続け、ホントに思ったところに車が動いてくれます。自分が運転がうまくなったんじゃないかって、錯覚するほどです。

そして、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をオンにすれば、高速道路での移動は、ほぼクルージング状態になります。ある意味、人間以上の精度で周囲の状況を監視していますから、この日も何度かありましたが、斜めから入ってくる車に対しても、しっかり反応して、加速と減速をコントロールしていました。

A6のステアリング(著者撮影)
A6のステアリング(著者撮影)
ACCのオンオフや設定変更などはステアリングのうらにあるレバーとスイッチで行う(著者撮影)
ACCのオンオフや設定変更などはステアリングのうらにあるレバーとスイッチで行う(著者撮影)

さらに、今どきのレベル2の自動運転的なものとしては、レーンキープがあります。Audiも少し前までは、左右のラインをピンポンするような挙動がなかったわけではないですが、今の世代ではしっかり道路のセンターをキープし続けます。レーンキープが動作している間、ちょっと車に意地悪するようにステアリングを切っても、すぐに「違う違う、センターはこっちですよ」と車の方から修正が入ります。

さて、車にこういった車による運転の自動コントロール機能が充実していき、カーナビがあり、他にも多くのインフォメーションを扱うことになってくると、当然車のダッシュボードやディスプレイも進化してきています。

A6のフルデジタルメーター、カーナビからの指示も速度計の中に表示される(著者撮影)
A6のフルデジタルメーター、カーナビからの指示も速度計の中に表示される(著者撮影)

このA6に至っては、カーナビがデジタルなのは当たり前として、メーターもフルデジタル、エアコンなどの操作もタッチパネル操作です。

結局、ドライバーもスマホに慣れていますから、そこにディスプレイがあれば、タッチするユーザーインターフェイスにする方が、操作ミスもないし、なにより危なくないわけです。ただ、古いカーナビなんかは今でもそうですが、スマホの精細で細やかなタッチ操作になれていると、ちょっといただけない操作感のものもけっこうあったわけです。

それが今回のA6では、タッチする感覚については、完全にスマホレベルに到達し、人と接するユーザーインターフェースについても自動車メーカーらしいアプローチを入れてきています。

運転中に見ることの多いディスプレイもフルデジタル表示(著者撮影)
運転中に見ることの多いディスプレイもフルデジタル表示(著者撮影)

A6のセンターに位置するディスプレイは上下に分割されていますが、これは単に分割されているだけではありません。上のアッパーディスプレイは基本情報の表示のみ、下のローワーディスプレイにはエアコンの画面が表示されていますが、同時にそのコントロールやテキスト入力も行う操作の部分を担っています。

さらに、そこはさすがAudi。単なるタッチディスプレイではないんです。

タッチディスプレイでボタンのように表示されている部分を押すと、ちゃんとアナログ的な押した感じがちゃんとあるんです。しかも振動と音で、見ないで押してもどのスイッチを操作しているのかがわかるようになっているんです。しかも表示はデジタルなので、カスタマイズも可能です。

そしてセンターコンソールには、タッチパネル以外のスイッチもたくさんあります。運転に慣れてくれば、この辺のスイッチって、ほぼどこにあるか意識しないで、ちらっと見る程度で操作しますよね。だから、Audiではスイッチ類は以前から触った感じがそれぞれ違うように設計されていました。だから、ほぼブラインドタッチでも操作できるほど、直感的で安全になっているわけです。

ローワーディスプレイとスイッチ類が同居するセンターコンソール(著者撮影)
ローワーディスプレイとスイッチ類が同居するセンターコンソール(著者撮影)
パーキングブレーキなどもそりゃ電子制御です(著者撮影)
パーキングブレーキなどもそりゃ電子制御です(著者撮影)

スマホが出てきて、ざっくり10年ぐらい経過しました。スマホはまさに日進月歩で進化し、iPhoneだけで考えても毎年新作が出ます。そのスマホと比較すると、車の製品サイクルはずっと長いです。

それが車の中でタッチディスプレイがこなれていくまでに時間がかかった理由のひとつだと思います。しかし、このA6では車内のタッチディスプレイはスマホレベルになっただけではなくプレミアムカーらしく従来の車のユーザーインターフェースと融合する領域にまで踏み込んできました。

車は徹底的にドライバーをサポートする方向に進化していますし、そうあるべきです。しかし、同時に運転する楽しさをダメにしても、それはそれで意味がないと思います。楽しさと安全性を両方実現するのが、これからのプレミアムカーでしょうし、実際Audi A6はどちらも満たす車となっていました。ホント、こんなに完璧な車作ってしまって、今後どうするんでしょうね。