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メジャー10年目と迎えるPerfumeとソーシャルメディアの歴史の幸福なリンク

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー
Perfume 5th Tour 2014『ぐるんぐるん』
Perfumeライブ当日の代々木第一体育館前
Perfumeライブ当日の代々木第一体育館前

Perfume 5th Tour 2014『ぐるんぐるん』の最終公演代々木第一体育館の4daysが終わりました。私は初日と2日目に行ってたいました。

ここまでのPerfumeのやってきたことの集大成のような、まさに横綱相撲と呼ぶにふさわしいすばらしいライブでした。前回の2009年の代々木2daysをまさに払拭してくれる内容でした。

ライブのことを少し書いておくと、冒頭Webで展開しているPerfume Worldの画面が、大スクリーンに表示され、それが一気に下がってオープニング。

Perfume WorldのPerfumeの家
Perfume WorldのPerfumeの家

その後は、数曲とMCによる緩急の入ったステージ。初日と2日目で多少の違い、例えばお客さんいじりとか、はあるものの、構成に大きな違いはなく公演は終了。ただ、まったく違ったのはアンコールでした。

アンコールは、毎日違う曲、それも少し懐かしい曲をやるというコンセプトになっており、そのことを初日に知った私は「なぜチケットを4日間分おさえなかったのか」と自分を呪いました。なにしろ、代々木4daysの3日目はのっちの誕生日であり、最終日はPerfumeのメジャーデビュー9周年でちょうど10年目を迎える日でもあったわけですから。

実際、最終日はデビュー曲である「リニアモーターガール」が7年ぶりにお披露目されたり、ファン(とスタッフ)によるPerfumeメンバーへのサプライズも用意されていました。ああ、これにも参加したかったと思うのが、純粋なファン心理です。

さて、ここからメジャー10年目となるPerfume。ちょっとその歴史を振り返ってみましょう。Perfumeというグループの歴史はざっくり3つの時期に分けられます。

【Perfumeの歴史】

  • 2000〜:広島時代
  • 2003〜:東京インディーズ
  • 2005〜:東京メジャー

ただ、これは単純にPerfumeが置かれている状況を反映しているだけで、歴史を出来事で考えるとこうなるかなと思います。

【もう1つのPerfumeの歴史】

  • 2003〜:中田ヤスタカプロデュース
  • 2007〜8:Perfumeブレイク、武道館&紅白出演
  • 2009〜:もろもろ驀進中

現在、アイドル界では、ドームクラスの集客力を持っているのは、AKBグループ・ももクロ・Perfumeの3グループで、3グループもいることがすごいわけですが、中でもPerfumeの歴史はIT関連のサービスの歴史と妙にリンクしています。

【ITサービスの歴史】

  • 2005〜:Youtube・iTunes Music Store日本版
  • 2006〜:ニコニコ動画開始・mixi上場
  • 2007〜:iPhone、初音ミク、pixivの登場
  • 2009〜:ツイッター日本で流行

ちょうどPerfumeがブレイクしていく最中に音楽やカルチャーを共有するサービスが育っており、ともに成長するという過程を経て、お互いにブレイクしているのです。

私が最初にPerfumeという名前を目にしたのは、とある人のmixi日記の中でしたし、はじめて音源を聞いたのはニコニコ動画でした。伝説の恵比寿リキッドルームライブは、これも、とある人のmixi日記で、すさまじい長蛇の列の記述を見て、行くのをあきらめたことを今でも覚えています。さらに、ここに2003以降の日本でのブログブームなども関係して、ブレイク前の段階で、ネット上にはすでにPerfumeに関する言葉、コンテンツ、動画などがあふれかえっていました。だから、ブレイクするのは当たり前のように予想できました。

また、ブレイク後もあたらしくファンになった人たちが過去のコンテンツを参照できる状況にあるということが、Perfumeとファンの間に幸福な関係を作ることを助けてくれているのです。

なお、日本でのツアーを終了したPerfume。この先にはワールドツアーPerfume WORLD TOUR 3rdを控えています。

このワールドツアーのきっかけであり、海外でPerfumeが知られているのは、Youtubeのおかげであることはもう言うまでもありませんよね。

さて、ここで何を言いたいのかというと、ソーシャルメディアマーケティングしろとか、Youtubeでがんばれとかそういうことではありません。Perfumeの場合、サービスの成長とグループの成長が同期するという最高の関係があったわけですが、それを同じことをやることはほぼ不可能です。

ただ、自分たちのファンがどこでどんなことを考えて、どんなものを求めているのか、ソーシャルメディアを見渡してもなにもないなんてことはないはずです。発見できていないとすれば、単なる調査不足です。音楽は、なぜかメディアの中で、その活用や動きが大きく先行することが多いジャンルです。これはきっと音楽が理屈ではない領域のものだからでしょう。

さらに言うと今の日本の状況から考えると、ブレイク前の予兆をソーシャルメディアから発見することは、それほどむずかしくありません。ファンはいつでもどこかでコミットしているからです。私たちが、今音楽とともにある環境というのは、ファンが先行して生み出したものなのです。

その言葉はとても感動的だった。Perfumeのステージは「こんなところまで来れた」3人の物語を数万人が共に体験するもので、その一体感が強力な物語性をもたらしていた。彼女たちにとっても、RIJというフェスにとっても、いろいろな意味で記念碑的なステージになったと思う。

出典:ゲーム化"する夏フェスで、Perfumeはいかにして勝ち上がったか - Real Sound|リアルサウンド

そして現在、もっとも最高にその関係が完成しているのがPerfumeというグループであり、それを証明するかのように、コスプレする人が増え続け、おなじみの「男子ー!女子ー!」のコール&レスポンスも女性ファンの声の方が大きく聞こえる瞬間するすらあるのが、今のPerfumeの現場なのです。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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