日本国民の踏ん張りどころ:坊主頭になった中国の女性医療関係者とひげをそらないイタリアやイランの人たち

疲れ果てて眠るイタリアの医療関係者(提供:Francesca Mangiatordi/@france_exa/ロイター/アフロ)

感染の拡大を阻止するには様々な要因が関与

 新型コロナウィルスは世界中で猛威をふるっています。ヨーロッパではイタリアやスペイン、中東ではイランがかなりの死者を出しています。それらの国では患者さんが医療機関に押し寄せて医療崩壊が起こってるようです。病院そのものがクラスター化している状態でしょう。

 3月当初のコラムでも書きましたが感染制御で重要な事は国家体制や先端技術です。そして医療制度や国民の意識、宗教観なども大きく関係すると思います。そのために各国で同じ対策が取れるとは限りません。またある国で有効な方法もあまり役に立たないことも起きるでしょう。

変化する海外での日本の評価

 最近の日本の対策に関して海外の評価が変化しているように思います。ダイヤモンド・プリンセス号の対応に対しては海外からかなりの批判がありました。それから1ヵ月して新型コロナウィルスが欧米に蔓延し、米国やイタリアなどは震源地の中国を上回ってしまいました。約1ヵ月も早くから感染が広がっているわが国や韓国の死亡者数がかなり少ないことに関して海外からは賞賛と疑心の声が聞こえてきます。

 韓国はPCR検査を積極的にして医療崩壊直前で踏みとどまっています。わが国はPCR検査を限定した結果、医療崩壊には至っていません。しかし、東京などでは徐々に感染者が増え、緊急事態宣言を考慮されていますので油断は禁物です。

重要なのは国民の意識

 今のところ日本が踏みとどまっているのは国民の公衆衛生や公共意識の高さではないかと言われています。確かに海外旅行すると日本人にとってはトイレなどが不潔だと感じるでしょう。公衆衛生感覚では日本は特異的な国です。逆に日本は清潔に対して意識が高すぎるのかもしれません。しかし、今回は日本の高い公衆衛生感が功を奏しているともいえます。

 最近の医療系のサイトでは中国の医療関係者の奮闘ぶりが伝わってきます。その中でなんと女性の医療関係者が坊主頭で治療に当たっていることが紹介されました。逆にイタリアで医療崩壊が起こったときに、助けを求める男性医師の姿を見て私はのけぞりました。悲鳴に近いコメントを発する口にはかなりのヒゲを蓄えていたのです。これでは感染対策としては失格です。さらに皆さんも感じているように市中でマスクをしている人が非常に少ないことです。またイランでは宗教上の理由があると思いますが、多くの男性が長いヒゲを蓄えています。小さなことかもしれませんが、こんなことからも感染症に対する意識がうかがわれます。

日本の高い公衆衛生の実力が試される

 東京をはじめとして、大都市では爆発的な感染が起こる恐れがまだあります。ここは公衆衛生意識の高い日本人の踏ん張りどころだと思います。新型コロナウィルスの制圧にはまだ時間がかかると思いますが、このまま感染者数や死者数を抑制して制圧することができれば日本の公衆衛生が素晴らしいと言うことを世界に証明することになります。

 東京オリンピックも1年先になりそうですが、その頃に新型コロナウィルスが制圧できていれば、日本の高い公衆衛生を売り込むチャンスでもあります。公衆衛生博覧会なども同時に開催すれば盛り上がるかもしれません。

 健康にやさしく、おいしい和食が世界に広がったのと同じように、日本の公衆衛生が世界に広がるきっかけになれば、大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか?そのためにも日本国民一丸となって、頑張ってこの危機を乗り越えましょう。