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povoゼロ円は政府ではなくユーザーに向けた本気プラン 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.436

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2021/09/18(vol.436)

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《目次》

1.povo2.0で基本料金を撤廃してオプションを充実

-----KDDIが本当にやりたかった料金プランを具現化

2.KDDとNTTドコモが「購入プログラム」を改定

------「残価設定型」で有利なiPhone、不利なAndroid

3.iPhone 13の価格を高いと感じる日本市場

-----新製品より型落ち、中古を選ばざるを得ない現実

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.povo2.0で基本料金を撤廃してオプションを充実

-----KDDIが本当にやりたかった料金プランを具現化

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基本料金をゼロ円とし、トッピングを10種類にまで拡大したKDDIのpovo2.0。

実は先週、「来週、どうやらKDDIは新料金プランを発表するらしい。楽天モバイルに対抗し、数百円のプランをいくつも出すようだ」というリーク情報が寄せられたので「もしやpovoかも。基本料金を3GB990円にして、足りない容量をトッピングで補うのか」と思っていたら、まさか基本料金をゼロ円にしてくるとは思わなかった。

昨年12月の「さよなら、au」炎上から9ヶ月。povo1.0が出たときも世間的には好意的に受け止められたが、今回はそれ以上にインパクトを与えたのではないか。

KDDIは昨年10月にアジアを中心に若者向けMVNOで定評のあったCircles Asia社と提携。本来、デジタルネイティブに向けたMVNOとしてスロースタートを切るつもりだったようだが、菅政権の誕生、さらに値下げ圧力に素直に応じたNTTドコモ「ahamo」によって算段が狂い、1月に急遽、povoを発表することになった。

いまから振り返れば、povo1.0は付け焼き刃的な、その場しのぎのプランのように思えるし、povo2.0こそ、KDDIが目指していた世界観のような気がする。

そのあたりを率直に高橋誠社長にぶつけてみたところ

「povo 1.0は、決して付け焼刃的に作ったわけではない。一生懸命に考えてオプションではなくトッピングというかたちで、ユーザーとの接し方を、見つめ直した結果だ。

2.0は、それが進化したかたちとして、お取りいただきたいと思います」

ということだった。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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