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楽天モバイルとNECが活路を見出す海外5G市場 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.374

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2020/06/06(vol.374)

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《目次》

1.楽天モバイルとNECが5Gコアで海外展開を模索

━━海外で求められる「品質」よりも「コスト」

2.ファーウェイが4万円台のSIMフリー5Gスマホ「P40 Lite 5G」投入

━━「端末縛り」で意外と扱いづらいキャリアのSIMカード

3.Xiaomiが2万4800円(税込)のスマホを日本投入

━━GMSのないファーウェイの座を奪うことはできるのか

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.楽天モバイルとNECが5Gコアで海外展開を模索

━━海外で求められる「品質」よりも「コスト」

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楽天モバイルとNECは、コンテナ技術を導入したスタンドアローン方式5Gコアネットワークの共同開発に合意。Rakuten Communications Platformとともに、海外のキャリアなどに売り込む意向であることを明らかにした。三木谷浩史社長は日本の楽天とNECが組むことで日本の技術力を世界にアピールしたいと語っていた。

海外市場においては、イギリスが5G設備において、ファーウェイを外す意向を明らかにしたという報道があるなど、海外展開を狙うNECにとっても追い風が吹いている。

ただ、4Gは日が浅く、5Gの運用経験の全くない楽天モバイルが売り込むプラットフォームがどこまで海外のキャリアに受け入れられるかは未知数だと言えそうだ。

通信業界における日本企業の海外進出といえば、3Gの頃が旺盛だったように思う。当時はW-CDMAという海外でも導入されようとしている規格ということで、日本企業にとっても海外展開がしやすいという話であった。「日本企業のものづくりにおける高品質が世界で受け入れられる」なんて、誰もが鼻息を荒くしていたものだ。

ただ、その後、日本企業はどこもいまいちで、結局、3Gの頃はエリクソンやノキア、4Gになってファーウェイの影響力が増していき、日本メーカーは見る影もない存在となってしまった。

今から10年以上前、まだ、MWCが「3GSM World Congress」と言われていた頃に、日本メーカーの人に「なぜ、基地局ビジネスで日本メーカーは厳しいのか」と尋ねたところ、こんな理由が返ってきたのを今でも鮮明に覚えている。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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