【速報】楽天とKDDIが携帯電話&ネット通販事業で提携

楽天・三木谷 浩史(写真左)とKDDI・高橋誠社長

11月1日、KDDIと楽天は通信事業とネット通販事業において提携することを発表した。

楽天は2019年10月に「第4のキャリア」として携帯電話事業に参入する計画だが、参入当初は全国にネットワーク網がないため、大手3キャリアのいずれかの会社と「ローミング」と呼ばれる他社ネットワークに接続できるようにしなければならなかった。

当初、NTTドコモがローミング先として本命視されていたが、急転直下、KDDIがパートナーとして選ばれたのだった。

ただ、KDDIにとってみれば、楽天が携帯電話事業に参入するとならば競合となるはずだが、今回の提携にはKDDIにも大きなメリットがあったとされる。

現在、KDDIでは「Wowma!」というネット通販事業に展開しているが、アマゾンや楽天など競業がひしめき合っている。特にアマゾンは全国に倉庫を持ち、即日配送に注力しており、特に都心部では1~2時間以内に日用品を配送する「アマゾンナウ」も人気だ。楽天もアマゾンに勝とうと物流倉庫の展開に本気になり始めている。

この分野でKDDIが自社で物流倉庫を強化していくには限界がある。そこで、楽天と組むことで、全国的な物流網を確保できるという狙いがある。

全国にネットワークを持つが物流を持たないKDDIと、全国に物流網を整備しつつあるが、ネットワーク網はこれからになる楽天が提携することで、お互いにメリットを見出すことができたというわけだ。

ただ、政府としては、楽天に第4のキャリアとして携帯電話事業への参入を認めた背景には「大手3社に対して料金競争を仕掛けてくれる」という期待があったからに他ならない。実際、菅官房長官が「携帯電話料金は4割下がる余地がある。来年10月に楽天が参入することで、料金値下げが実現するだろう」と語っている。

しかし、今回、楽天とKDDIがローミングだけでなく、ネット通販事業にまで踏み込んだ大型提携をしたことで、楽天がKDDIを刺激するような低料金プランを出すのは難しくなったのではないか。当然、楽天はKDDIからネットワークを借りている手前、配慮が働いてもおかしくない。

一方で、10月31日にはNTTドコモが来年、2~4割値下げをすると発表したばかりだ。

料金値下げを巡って、4つのキャリアによるにらみ合いがしばらく続きそうだ。

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『iPhone5から始まる!スマホ最終戦争』(日本経済新聞出版社刊)がある。

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