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ドコモ650円スマホはメーカーブランドスマホを壊滅させる 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.200

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2016/10/22(vol.200)

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《目次》

1.NTTドコモが「650円スマホ」をはじめとする13機種を一挙発表

━━メーカーブランドスマホは衰退し、キャリアブランドが復活するのか

2.総務省・有識者会議でUQモバイルとワイモバイルが標的に

━━MNO子会社とサブブランドに協調的寡占状態を招く懸念

3.総務省・有識者会議に欠けた「国民視点からの議論」

━━「ガイドラインの穴を完全につぶす」と息巻くが、すでに限界

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.NTTドコモが「650円スマホ」をはじめとする13機種を一挙発表

━━メーカーブランドスマホは衰退し、キャリアブランドが復活するのか

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10月19日、NTTドコモは2016-2017冬春・新サービス新製品発表会を開催した。吉澤和弘社長にとっては初の新製品発表会となった。発表会終了後、囲みが行われた。

━━いま、ドコモとしてあれだけ安い端末である「MONO」を作ったのはどういった事情があるのか。

吉澤社長

「基本的には、我々は今までもフラッグシップ、あるいはミドルレンジがあり、(MONOのような)ローエンドもないことはなかった。バラエティのある価格帯の製品を作る、と言う流れは当然あると思う。MONOは価格としては非常に安いところを実現し、お客さまにもベーシックに使っていただける。そういったものをドコモの初めてのオリジナルブランドで実現した」

(★ 商品担当は安くて良いものを作りたいと開発していたら、営業サイドから650円という値付けが出てきて、結果、こんな報道のされ方になったんだろうな)

━━総務省の指導があり、端末価格のサポートもやりづらくなるのか。

吉澤社長

「今のサポートは、かなり値段の高い機種につけて安くしているところがある。ちゃんと機能はベーシックであっても、もともと安いものであれば、リーズナブルな価格で提供することは何ら問題ないわけです。我々としてはベーシックな機能をベーシックな値段で使っていただける、そういったお客さまに向けて作るという動きでやっている」

(★ 実質0円がダメで、一括650円が許されるのがよくわからないな。このあたり、有識者会議で突っ込まれそうな予感)

━━MONOの想定価格は650円程度のようだが、端末代をドコモが負担している構造ではないのか。

吉澤社長

「端末代金を負担しているというか、私ども自身は調達をして、卸売りをして、それに対して、それぐらいで売るという対応をしている」

(★ ソフトバンクもiPhone 6sなどは一括の場合、月々の割引などを無くした見せ方にして、解約する場合に解除料を請求するやり方にしている。この売り方、今後も広まっていくのかも)

━━ちゃんと利益が出る価格なんですか。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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