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新iPhone、ドコモ4GにKDDIは3GBで勝負を挑む 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.147

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2015/09/19(vol.147)

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《目次》

1.NTTドコモがiPhone発売に向けて「PREMIUM 4G」を全面アピール

━━1700円への値下げに追随されたKDDIは「3GB」を徹底訴求へ

2.SIMロック解除iPhoneに向けて、MVNOたちが空回り

━━広報体制の不備が引き起こす「記者発表会のバッティング」

3.SWATCHがビーチバレーに特化した腕時計デバイスを発売

━━スマートウォッチはカジュアルに付け替えるのが理想なのか

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.NTTドコモがiPhone発売に向けて「PREMIUM 4G」を全面アピール

━━1700円への値下げに追随されたKDDIは「3GB」を徹底訴求へ

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新型iPhone発売に向けて、各社のアピール合戦が続いている。

15日、NTTドコモはネットワークに関する説明会を開催。今回のiPhoneから2 GHz(最大112.4Mbps)と1.7GHz(最大150Mbps)のキャリアアグリゲーションに対応し、最大262.5Mbpsの速度で通信が可能になる。

他社はすでにiPhone6でもキャリアアグリゲーションを訴求していたが、NTTドコモでは1.7GHz帯のみでの150Mbpsとなっていた。

今回から晴れてキャリアアグリゲーションが実現でき、さらに国内最速となる262.5Mbpsになったことで、アピールしたかったのだろう。

ただ、iPhone登場時のエリアや速度の比較は、すでに「お腹いっぱい」という感もあり、昔に比べると注目度は低くなったように思える。

数年前は、iPhoneでの速度やエリア、それこそauのiPhoneであった○印問題など、ネットワーク品質は話題に事欠かなかった。週刊アスキーを筆頭に、「どこでソフトバンクが速かった」「エリアの広さならau」といった調査記事であふれていた。

そのなかには、いま注目を浴びている「ステマ記事」も数多く紛れており(キャリアが媒体に調査をさせ、良い結果だけを抜き出してトップ扱いにして記事化など)、あまりに記事が多すぎて、どれを信用して良いかわからない状況になっていた。

結果として、読者がエリア調査比較記事に飽きてしまい、またステマ記事ということで信頼性もなく、さらにステマ記事が追放される昨今の風潮もあることから、いつのまにかiPhoneのネットワーク比較記事は廃れていったのだった。

今回、NTTドコモがキャリアアグリゲーションを開始し、KDDIやソフトバンクでもTD-LTEのキャリアアグリゲーションに対応できるなどの進化はあるものの、ネットワーク比較記事がどこまでユーザーに響くかは未知数と言わざるをない。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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