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愛犬が「ハンマー」で殴られないために、コロナ禍で問題になりやすい鳴き声をどうすれば?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:イメージマート)

熊本県で飼い犬がハンマーのようなもので殴られた事件があり、近所に住む男が動物愛護法違反などの疑いで逮捕されました。

実は、ペットに関する鳴き声のトラブルは、そう珍しくないのです。行政で働いている知人は、このコロナ禍で増えていると言っています。ペットを飼っている人は、鳴き声に対するトラブルを起こさないためにどうすればいいのか考えていきましょう。飼い主が注意を払わないとペットによるトラブルで殺人や傷害事件に発展するケースもあるからです。

飼い犬が“ハンマー”で殴られた事件とは?

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

日テレNEWSによりますと、近所に住む男が、住宅に侵入し、庭で飼われている犬の右目近くをハンマーのようなもので殴った疑いです。調べに対しその男は「犬の鳴き声に悩まされていた」と供述し、容疑を認めているということです。

コロナ禍で在宅疲れによる気になる鳴き声

もちろん飼い犬がハンマーで殴られる事件は、そうありませんが、騒音によるトラブルが拡大しているのです。コロナ禍が原因のひとつになっています。理由は、以下です。

コロナ禍で精神的に不安定な人が増えた

在宅時間が増えた

テレワークと仕事の形態が変化した人が増えた

2020年5月23日付け中日新聞の朝刊によりますと、コロナの不安が社会を覆った3月、4月、都内で騒音関連(ペットの鳴き声だけではありませんが)の110番は計2万4245件に上り、2019年の同期の1万8864件と比べ28.5%増加したと伝えています。

なぜ、犬は鳴くのか?

写真:イメージマート

コロナ禍になり、飛沫防止のため人はあまり喋らないようにしています。スーパーマーケットでも「NO レジ袋」とカードを入れてレジ袋不要ということを伝えてます。黙々と作業をするという環境になってきているのです。そんななか、犬が鳴くと耳につきやすく、犬は以下の理由で鳴きます。

家の付近を犬が考える不審者が通った

特に雄犬は、テリトリー意識が強いのでよく鳴きます。

家の付近を犬が通った

犬が家の付近でニオイを嗅いだり、オシッコをしたりすると余計に鳴きます。

運動不足

散歩が足りないと欲求不満になりやすく鳴きます。

飼い主が留守で不安

飼い主がいないと不安になり(分離不安という精神的な病気)、鳴きます。

認知症

昼に寝ていて、夜に起きて鳴いたりする場合もあります。

脳腫瘍

若いときはおとなしかったのに、急に怒りっぽくなってよく鳴くようになる子もいます。

犬をあまり鳴かさないようにするために

飼い主は、犬は鳴くものだと思っているかもしれません。その一方で、世の中には、犬の鳴き声がどうしても我慢できない人がいることを飼い主は自覚する必要があります。

上述のようにコロナ禍で自宅にいる時間が増えて、不安を感じている人もいるので、犬の鳴き声により注意が必要です。

なるべく室内飼いにする

散歩の時間を増やす

犬とのスキンシップを増やす

自宅の窓を防音対策する

上記のことをしてもよく鳴く場合は、動物病院に行って、認知症や脳腫瘍などの病気がないか検査してもらいましょう。分離不安などの精神的な病気は、獣医師やドッグトレーナーに相談しましょう。

近所の犬が鳴いて困る場合

良好な関係の飼い主だと犬があまり鳴かないように相談してみるのもいいですね。

そうはいってもなかなか近所なので、いいにくいですね。そのようなときは、マンションなどに住んでいる住人である場合、基本的にはそのマンションなどの管理の問題として解決してもらいましよう。したがって、犬の鳴き声に関する苦情は、管理会社やマンションオーナー(大家)などに、その建物の管理に関する権限を持つ者に対して通報するべきでしょう。

自治体が運営している保健所でも、犬の騒音に関する苦情を受け付けていて、飼い主に対する注意などを行っています。あくまでも注意のみとなりますが、公的な機関である保健所から注意をされたとなれば、飼い主の行動にも変化が見られるかもしれません。

写真:イメージマート

犬を飼い始めたら、鳴くかもしれないので、向こう三軒両隣には、挨拶しておくことがいいですね。そして「なにかございましたら、お伝えください」と言っておくことをおすすめします。飼い主が留守のときに、犬が鳴いたりしているかもしれないのです。

それと忘れてはいけないのは「ペット可のマンションなんだから、鳴いてもイイでしょ!」と思ってはいけないことです。やはり人が迷惑になるほど鳴かせるのはよくないです。

「犬が鳴いてうるさくても、犬には罪はないです」飼い主が犬の鳴く原因をしっかり考えてあげましょう。そして、犬の鳴き声が苦手な人もいることを認識すべきです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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