最近では犬や猫を迎えるのはペットショップだけではなく、保護施設からという意識も高まってきています。朝日新聞は、環境省は2020年度に全国の保健所で殺処分された犬や猫について、1974年度以降で最少の2万3764匹だったと報道しました。

殺処分の数が減っているのは喜ばしいことです。そうは言ってもまだ2万匹以上の犬や猫が殺処分されているので、まだまだ多いのです。

犬や猫の殺処分の問題点と解決法を考えてみましょう。

犬や猫の殺処分の内訳

環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況サイトより
環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況サイトより

殺処分数で比率が多く問題なのは、幼猫なのです。

環境省が発表した上の表を見ていただくと、殺処分数を増やしているのは、圧倒的に幼猫です。

幼猫とは、離乳していない猫です。つまり乳飲み子です。

猫は(犬も)生後1カ月頃から乳歯が生えてくるので、ミルク以外の食べ物にも興味を持ち始めます。 この時期、ミルクから少しずつキャットフードと水にシフトしていきます。

まだ、目が開いていない生後1カ月すぎまでの子が多く、殺処分されているのです。

数字を詳しく見ていきますと、猫の殺処分の内訳は、全体数が19,705匹で、そのうち約66%の13,030匹が幼猫です。圧倒的に幼猫が多いのです。

一方、犬の殺処分の内訳は、全体が4,059匹で、そのうち約20%の806匹が幼犬です。犬の場合は、幼齢は猫ほど多くありません。

殺処分数を減らす方法とは?

写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

上の表からもわかるように、殺処分数を減らすことは、幼齢の数です。

犬と猫の殺処分数の合計が、23,764匹でその約58%の13,836匹が幼齢の犬や猫です。それらがなくなれば、1万匹ぐらいの数になるのです。

減らす方法は、聞きなれた言葉ですが不妊去勢手術をすることです。そうすれば、幼齢の犬や猫が生まれることがないので、もっと殺処分数を減らすことができます。犬や猫を飼ったときに、生後1年のときに不妊去勢手術を躊躇するのはわかりますが、それをしなかったためにこのように殺処分されてしまう犬や猫を生み出しているのです。

もちろん、幼齢の犬や猫をミルクボランティアの数を増やして離乳が終わるまで、育てるという考えもあります。しかし、子犬や子猫は同時期に複数が生まれるわけです。数時間おきにミルクを飲ませて排泄を促し、そして保温にも気を配る必要があり、なかなか難しい作業です。もちろん、24時間態勢で子犬や子猫の面倒をみることになるので、行政の勤務時間外まで影響を及ぼしてしまいます。

こういうことを考えると、やはり望まない命を生み出さないためにも不妊去勢手術をすることが常識の社会になることです。

高齢化と殺処分の関係

写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

まいどなニュースでは以下のように報道しています。

「はい。飼えなくなったとしてセンターへ持ち込まれたペットは、昨年度だけで犬が68匹、猫は204匹を数えます。飼えなくなった理由として急増しているのが飼い主が高齢であることに起因する、『世話ができない、入院することになった、亡くなられた』です。普段から飼えなくなったときに世話をしたり、もらい受けてくれる方を探しておくよう啓発していますが、なかなかそういった準備はしていただけていないのが現状のようです。

特に猫では不妊去勢手術をしていなかったために増えてしまって飼いきれない、いわゆる多頭飼育のケースが目立ちます。こちらも不妊去勢手術の啓発を継続しています」

つまり高齢化社会では以下が問題となります。

世話できない

入院する

亡くなった

などがあります。

これからますます高齢化が進み、高齢者は孤独になり寂しいからといって散歩がいらない猫を飼う傾向があります。そして、上記の理由で終身飼育ができなくなることが多くなる可能性があるのです。

普段、実家と連絡をあまり取っていなくて、気がつくと親が猫を多頭飼育しているケースも多くあります。

猫は、繁殖力の旺盛な動物です。高齢化社会になっている日本では、猫のためにも不妊去勢手術をすることももっと啓発することで、殺処分になる犬や猫が減りできればゼロになるようにしたいものです。