Yahoo!ニュース

小池知事が20年近く溺愛したワンコ「ソウちゃん」亡くなる。政治家とペットの関係とは

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

小池百合子都知事が20年近く飼っていた愛犬のヨークシャーテリア「ソウちゃん」が今月、亡くなったそうです。

ソウちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。

小池氏は、大切にソウちゃんを飼われていたのでしょう。ヨークシャーテリアの平均寿命が15歳ぐらいなのでそれでも20年近く生きていたのですから、小池氏が愛情深く面倒をみられていたのがわかります。

バイデン大統領の愛犬のチャンプちゃんも最近、亡くなりました。政治家とペットの関係について、考えてみましょう。

バイデン米大統領の愛犬亡くなる 「心痛む」夫妻で声明

写真:アフロ

バイデン米大統領は今月19日、ジル夫人と連名で声明を出し、愛犬のジャーマンシェパード「チャンプ」が死んだと発表しました。

1月の大統領就任に伴い「ファーストドッグ」になったジャーマンシェパードの1匹です。

そのときの声明に「心が痛む。この13年間、ずっと大切な仲間だった」「喜びの時も悲しみの時も、私たちのそばにいた」と思いをつづっています。

このことから、次になにが見えてくるのかを考えましょう。

なぜ政治家はペットを飼うのか?

政治家はストレスが多く、自分の判断で決めることもあり孤独感もあるのでしょう。

人間関係が複雑に絡み合っている中で、そして都民や国民のために働いています。体調が悪くて辛いとき、精神的にまいっているときもそのようなことをあまり外には見せません。鎧を着て戦っているようにも見えます。

そんなときに、自宅に帰ってペットと遊んでいるとしだいに笑顔になります。ペットたちは、飼い主がどんな地位にいようともいつも温かく出迎えてくれますからね。

たとえば、小池氏が「ソウちゃん」と呼んでいるときは、きっと「猫なで声」になっていたのでしょう。小池氏にとって愛犬は、癒やしでまさに心のリハビリ介護士だったのではないでしょうか。

ヨークシャーテリア

写真:アフロ

小池氏が飼っていたヨークシャーテリアの説明をしておきます。

19世紀中ごろ、イギリスのヨークシャー地方の工業地帯の労働者の家屋を荒らすネズミを捕まえるために作り出された小型犬です。

日本では不動の人気の小型犬なので、街でよく目にしますね。ヨークシャーテリアは、以下のような病気が多いです。

膝蓋骨脱臼

気管虚脱

僧帽弁閉鎖不全症

歯周病

上記のような病気で約15歳の寿命の子が多いです。

そんな中、20年近く生きていたのですから、小池氏は獣医学的知識も持ち大切に飼われていたのでしょうね。

ペットロス

提供:Moonlight/イメージマート

ペットが亡くなって、その喪失感からなにもする気力がなくなるなどのペットロスになる人も多くいます。

ペットを亡くした飼い主につい「十分に長生きしたのだから」「あなたに飼われていたのだから、幸せよ」といいがちですね。このような言葉はなるべく控えたほうがいいですね。

その理由は、飼い主は愛犬や愛猫が頭では長生きだとわかっていても少しでも長生きしてほしかったなと思う人が多いからです。それを理解してあげてくださいね。

筆者も19年近く生きてくれた愛犬をこの4月に亡くしました。そんな筆者なので、小池氏の気持ちが少しは理解できる気もします。

小池氏にはソウちゃんとの思い出に浸ってもらいゆっくりしていただきたいですね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

石井万寿美の最近の記事