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レディー・ガガさんの愛犬を【無事保護】...フレンチブルドッグってどんなワンちゃん?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
バイデン米新大統領就任式 レディー・ガガが国歌斉唱(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

レディー・ガガさんの愛犬を散歩させていた男性が撃たれ、奪われたフレンチブルドッグ2匹が無事保護されました。ガガさんは、その愛犬に50万ドル(約5300万円)の懸賞金を提示して行方を捜していました。ガガさんは、愛犬家で3匹のフレンチブルドッグと住んでいます。このワンちゃんはどんな犬か見ていきましょう。

レディーガガさんの愛犬が無事保護

レディー・ガガさんの犬 無事保護 懸賞金50万ドルは?

まずは、この事件を詳しく見ていきましょう。

報道によりますと、米ロサンゼルスのハリウッドで24日夜、レディー・ガガさんの犬の散歩をしていたスタッフが何者かに撃たれ負傷し、フレンチブルドッグの「コージ」ちゃんと「グスタフ」ちゃんの2匹が奪われたそうです。

ガガさんは、仕事で海外にいましたが、愛犬の身を案じて、返還した人には懸賞金50万ドル(約5300万円)を支払うことを申し出ており、返還者には「何も事情を聞かない」意向だと報じられています。

その2匹のワンちゃんは、26日に女性により警察に届けられたそうです。撃たれた犬のスタッフは、命に別状がないものの重体。文字通り、命をかけて犬を守ったのです。

フレンチブルドッグ

写真:PantherMedia/イメージマート

この事件のフレンチブルドッグは、どんな犬か見ていきましょう。

この犬は、自然にできたものではなく人為的な交配によって作りあげられたものです。以下のような特徴があります。

□ 日本の値段は、約30万円以上

□ 難産でほぼ帝王切開で出産

□ がっしりとした体つきで筋肉質

□ 極めて鼻が短い

□ いびきをかくこともある

□ 体重は10キロ前後

□ コウモリが羽を広げたような耳

バット・イアと呼ばれています。

□ 尾は通常短い

断尾しているのでなく、ほとんど振ることはできません。嬉しいと腰から振っているという感じの犬です。

□ 性格は人懐こく、飼い主に従順

米国ではとくに人気です。2019年のアメリカンケネルクラブ(AKC)によりますと、ラブラドール・レトリバー、シェパード、ゴールデン・レトリバーに次ぎ4番人気の犬種。

この急激な人気上昇の背景には、セレブリティの影響があるといわれています。レディー・ガガさんをはじめ、デビッド・ベッカムさん、レオナルド・ディカプリオさんなどがフレンチブルドッグの愛好家です。セレブが、インスタグラムなどSNSに写真が投稿しているので、ファンとしては飼ってみたい犬種類になるのでしょう。そして、「ファッショナブルな犬」に見えるので、フレンチブルドッグを選ぶのかもしれません。

フレンチブルドッグのなりやすい病気

写真:Paylessimages/イメージマート

フレンチブルドッグは、注意しないと病気の多い犬です。以下のような疾患になりやいです。

□ 皮膚疾患

日本の湿度が多いためか、皮膚病の子が多いです。短頭種なので、鼻をブヒブヒいわせながら、待合室で皮膚を掻いている子が多くいます。

□ 呼吸疾患(短頭種気道症候群)

小さい鼻と短い頭なので、このような病気になりやすいです。

□ 熱中症

短頭種は、息をするのがうまくないので他の犬より熱中症になりやすいです。

□ 脳腫瘍

ふらつき、痙攣、うまく歩けないなどがおきます。

□ 難産

短頭種なので帝王切開がほとんどです。

まとめ

COACH PRESENTS MISS ASIA KINNEY INより

ガガさんのペットシッターさんが散歩させていた3匹のうち1匹の誘拐されなかったアジアちゃん(上記の動画)は、ブランドCOACHのモデル犬をしていました。動画をご覧になると、皮膚病にもなっていなく光沢のある被毛で覆われています。コロナ禍だし、こんなかわいい犬がいるのなら、飼ってみたいと思う人もいるかもしれません。

しかし、フレンチブルドッグは、中型犬なので散歩もいります。家の中だけの運動ではすまないのです。そして、社交的なので、散歩中にいろんな人のところに愛嬌をふりまきにいきます。そのため、飼い主は飼い主同士のコミュニケーションができないとトラブルのもとです。

上記にあげたように、病気もしやすいし暑さにも弱いので、この犬のことをよく知ってから、飼ってあげてくださいね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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