癒しが一方的な動物カフェの闇… 「フクロウカフェ」に行って残酷な生活を覗いてきた!

(写真:Panther Media/アフロイメージマート)

動物カフェは、一般的には犬猫が多いですが、ここ数年では、「フクロウカフェ」なども急激に増えてきています。普段は見かけないため珍しく、顔が大きくてインパクトもありますので、SNSなどにアップすれば「いいね」がたくさんもらえるのでしょう。訪れる人は、フクロウが好きでしょうし、見ていると「かわいい」ので、癒されるかもしれません。ただ、その裏側では動物たちに多大な負担がかかっている場合もあります。“癒されている”のは、人だけでいいのでしょうか? ペットとしてのセキセイインコや保護されたスズメやハトなどの野鳥を診察している筆者が店を覗いてきたので、一緒に、「フクロウカフェ」の問題点を考えてみましょう。

フクロウカフェとは?

撮影筆者 シベリアワシミミズク
撮影筆者 シベリアワシミミズク

フクロウやミミズク(※)を展示して、触れ合いを提供しているところです。簡単に説明すると、都会の街中や観光地にあることが多く、客側は気軽にフクロウを見たり、触ったりできるところです。

(※)フクロウとミミズクの違い

一般的に羽角(耳のように見える)は頭の左右にある一対の羽毛の束で、羽角あるのが「ミミズク」、羽角ないのが「フクロウ」です。 中には区別できないものもいます。

行政的には、「第一種動物取扱業」の登録が必要です。事業所・業種ごとに都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受けなければなりません。また、動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などの基準を守ることが義務づけられています。

フクロウカフェの実態

主に、人口が集まる都会や観光地にあります。ここ数年、InstagramやYouTubeなどの影響もあってか人気が上昇中で、主な実態は以下です。

・入れ替わりが激しい業界

・犬猫カフェについで、多い

・自国で触れることができないこともあり、外国人に人気(コロナ禍でいまは、外国人観光客はほとんどいません)

・海外のガイドブックに、掲載

・都会や観光地にあることが多い

フクロウカフェの何が問題なの?

フクロウカフェに行ったけれど、フクロウを叩いたりしてないし、見て、なでてきただけなのに、何が問題かよくわからないという人もいるかもしれません。私は先日、近畿にあるフクロウカフェに実際に行ってみて、問題に感じたのは以下のポイントです。

・止まり木が低すぎる。

フクロウは、本来、2メートル以上のところにいます(自然界で地面付近にいるフクロウは、かなり少ないです)。フクロウカフェに行くと、人から見える位置にいます。人が見下すか、同じ目線です。フクロウの習性からすると、ずっと人に見られる位置にいるのは、ストレスです。

・隠れる場所が全くない。

フクロウは、自然界では森の中で木などに隠れたところにいます。

それなのに、フクロウカフェに入ると目のつくところにいますね。木が生い茂っていて、フクロウがどこにいるかわからないようなカフェは、ほとんどないですね。

・フクロウが飛べない。

フクロウは、鳥なので飛ぶことができます。しかし、フクロウカフェでは足や手がひもなどで拘束されていることがほとんどで、飛ぶことができません。そんなに飛び回る動物ではありませんが、少なくとも営業時間内はじっとしていることを強いられているのです。檻の中でインコを飼っている方には、ストレスを軽減するために一日に一定時間は出してあげるように説明しています。

・シロフクロウもメンフクロウも同じ部屋にいる。

(メンフクロウ 相場は約200,000円で販売)

撮影筆者 メンフクロウ
撮影筆者 メンフクロウ

(シロフクロウ 相場は約500,000円で販売)

撮影筆者 シロフクロウ
撮影筆者 シロフクロウ

フクロウカフェでは本当に数多くの種類を取り揃えているところが多いようです。ただ、フクロウは、暖かいところから寒いところまで生息しています。ハリー・ポッターで人気のシロフクロウは、寒冷地にいます。メンフクロウは比較的暑い地域にいます。生息地の温度差があるのに、同じ部屋にいると適切な温度が違いますよね。フクロウ全てを一緒だと考えないで、寒い地方のものと暖かい地方のものは、別の部屋にすべきですね。

・フクロウの餌にヒヨコもあげていた。

私が訪れたフクロウカフェでは、フクロウの餌がネズミだけではなくヒヨコもあげていました。フクロウは、猛禽類で主な食べ物は、小型のげっ歯類(ネズミ)が多いです。昆虫や鳥を食べることもあります。しかし、ヒヨコは、生まれて間もないので、毛に覆われていますが、筋肉などがあまりないので、見た目より栄養がありません。ずっと、そればかり食べていると栄養失調になり、病気になることもあります。

鳥類の餌はとても難しいです。ペットとして確立されているセキセイインコなどは、それ用のフードがあります。犬猫は、ペットフードが数多くありますので、その辺りは大きく違いますね。しかし、スズメやハトなどの野鳥が保護されたときの餌に困ります。昆虫をあげたいのですが、なかなか手に入らないなどのハードルがあります。フクロウもペットとして飼われていますが、基本的には肉食の動物なので、その子に合ったものをあげないと病気になる可能性が高くなります。

フクロウカフェの課題

私は近畿にあるフクロウカフェに行ってきました。20畳くらいの広さの場所に、20羽弱のフクロウやミミズクが飼われていました。 しかし、これまであげてきたポイントに照らし合わせてみて、本当に、フクロウが好きな人たちがカフェをやっているのかは、疑問に感じました。全ての動物カフェを否定しているわけではないですが、カフェを運営するからには責任を持ってフクロウのことをもっと学び、知ってもらいたいですね。

繰り返しになりますが、犬や猫、インコなどの愛玩動物とは異なり、フクロウは肉食の猛禽類のため、飼うのがとても難しいのです。愛玩動物の世話が簡単というわけではありませんが、命の重さをもっと知って欲しいといつも思ってしまいます。

動物には、動物の福祉というものがあります。私たち人が動物と生きていくためには、以下の5つの自由は満たす必要があります。

環境省 動物と愛護と適切な管理
環境省 動物と愛護と適切な管理

5つの自由とは?

・飢え・渇きからの自由

・痛み・不祥事・病気からの自由

・不愉快からの自由

・本来の行動をとれる自由

・恐怖・抑制からの自由

フクロウの本来の行動様式を知って、展示を変えないといけません。

拘束し続けるのではなく、飛びたいときに飛ばせてあげる。人が来ても隠れてもいいような環境で見せるべきです。旭山動物園のように、行動展示型にして、運がよければ、フクロウが見ることができるけれど、そうじゃないときもあるということです。

触れ合いですが、人に育てられて、触ることがストレスにならないフクロウなら、短時間なら、いいかもしれません。

まとめ

多くのフクロウカフェは、見せ物小屋のようになっていて、尚かつ、触ってなんぼの状態です。フクロウの本来の行動様式に従った展示をしていないと、静かな虐待です。アニマルウェルフェア(動物福祉)の考え方を知らないとこのようなことに陥りますね。

フクロウは、見るだけで癒しになります。フクロウが、好きな人なら触れなくてもちらりと見られただけで、よかったと考えてほしいですね。来た人が、触ることによってストレスで病気になったり、しないことを切に望みます。

コロナ禍で廃業しているフクロウカフェなどの動物カフェが多いと聞きます。動物たちは、どこに行ったのか? 心配ですね。適切な環境で飼われていますように。