カンヌで250匹の犬が受賞した話題作『ホワイト・ゴッド』 捨て犬たちの実態と運命とは?

(写真:ロイター/アフロ)

もうすぐ、連休ですね。Go Toトラベルで旅行に行くのもいいですが、第67回(2014年)カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリに輝いた映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』を観ながら、捨て犬の課題、私たちができることについて考えてみませんか。

日本の殺処分の現実

行政は殺処分ゼロを目指しています。それでも、平成30年に殺処分された数は、犬猫で38,444匹。つまり4万匹弱が殺処分されているのです。

環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況より
環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況より

引き取られた犬の内訳を図から見ると、所有者不明が、9割弱いるのです。所有者不明ということは、捨てられたか、迷子になった犬なのでしょう。野犬は狂犬病予防法によって、捕獲されます。その犬たちが、動物愛護センターに収容されています。彼らはその後、どんな人生を歩むのかご存知でしょうか? それを知る上でよい映画があります。日本の映画ではなくて、ハンガリーの映画ですが、そこから捨て犬たちの運命などを考えてみましょう。

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 カンヌ国際映画祭「ある視点部門でグランプリ」と「パルム・ドッグ賞」でW受賞

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ハンガリーの首都ブダペストを、250匹以上の犬たちが疾走する迫力のある映像が見られます。

この犬たちは、全て保護犬で、1カ月以上にわたって指導を受けたというから、驚きですね。日本でよく飼われている種類と違って、ドイツが原産のジャーマン・シェパードなどの大型犬が多いです。この犬たちは、「パルム・ドッグ賞」を受賞。カンヌ国際映画祭で優秀な演技を披露した犬に贈られる賞で、優秀な演技を披露した犬に、「PALM DOG」と書かれた革の首輪が贈られるそうです(名称はカンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドール(「黄金のヤシ」という意味)に由来しているというから、フランス人の犬好きとユーモアが感じられますね。ちなみに、2018年に是枝裕和監督『万引き家族』がこのパルム・ドールを受賞されています)。

映画の内容が、ネタバレになるので、あまり詳しくは書きませんが、主人公の少女は、自分の意思に反して離ればなれになった飼い犬の行方を追い翻弄され、その一方で、捨て犬たちによる人間への反乱も描かれています。

コーネル・ムンドルッツォ監督の言葉

ムンドルッツォ監督は2017年に『ジュピターズ・ムーン』というヨーロッパの難民問題を背景に、浮遊能力を得た青年の逃走劇をSFサスペンス仕立てで作っています。エンタメ映画祭の最高峰、シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。

監督は『ホワイト・ゴッド』について、「犬は人類の最良の友」という言葉を挙げ、「自分たちと動物の間にどれほど多くの共通点があるか気付かず、動物を支配下に置いて虐待し、恐怖に陥れている人類への批判を描いた」と語っています。

ちなみに、この映画に出てきた犬は、全部、愛情深い里親のところに行ったということです。

『ホワイト・ゴッド』を観るときの注意点

それじゃあ映画を観ようかな、と思う方は以下の点に気をつけてくださいね。

・PG12指定(12歳未満の年少者は保護者の助言・指導が必要)

・牛の解体シーン

・闘犬のシーン

・野良犬を捕獲するシーン

・動物収容施設のシーン

など犬好きな人には、目をそむけたくなる残酷なシーンもあります。そういうのが、苦手な人はよく考えてからにしましょう。

犬は人類のよき友ですが、人類はそれをよくわかっているはずなのに、支配下において虐待などをしてしまう動物のようです。