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人間はコロナ自粛の中、DVや虐待が問題に… 見習いたいワンコの驚くべき優しさとは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、外出自粛が1カ月以上も続いています。

人は、自分が感染したら、基礎疾患を持っている人は重症化しそう、仕事がなくなってしまいそうなどの理由で不安になるからなのか、あるいは自粛生活のストレスなどからか、DVや子どもへの虐待などが問題になっています。この事態で精神にダメージを受けるのは、仕方がないかもしれません。そんな中、犬と猫の関係性から円満に暮らす秘訣を探ってみましょう。

この動画は犬が猫を虐待している? 

この動画は、飼い主が、猫と犬と一緒の写真を撮ろうとしたら、犬はちゃんとカメラ目線をしたけれど、猫はしていない。それで、一頭の犬が「なぁ、ちゃんと一緒に写真を撮ろうね」と猫を促していますね。たぶん一緒に飼われていて、家族の一員として、猫が違う方向を見ているのが、犬にとっては気にいらないのですね。なんともかわいいです。そして、猫は、首根っこを捕まれています。これって犬が猫を虐待しているじゃないの? と思われるかもしれません。しかし、そうではないと思う根拠がありますので、以下に解説をします。

(※海外の発信者ですが、掲載許可をもらっています)

・首根っこは、母猫が子猫を運ぶときにも使う。

母猫は、子猫を移動するときに、頭の後ろをくわえます。そうすると、子猫の方は「どこかに連れて行かれる」と理解して、おとなしくなります。

・猫のシッポが膨らんでいない。

猫が怒ると、シッポを膨らませて、自分を大きく見せます。この動画では猫のシッポは細いままです。

・猫の毛が逆立っていない。

猫が怒ると、自分を強く見せようとして、毛を逆立てて、大きく見せます。この動画では、毛はすんなりとなっていますね。

・犬が猫に咬まれたり、ひっ掻かれたりしていない。

猫は犬がいくら大型だといっても気にいらないと犬を咬んだり、ひっ掻いたりします。動画では、猫は犬に歯向かうことなく、おとなしくしていますね。

・犬と猫では、「種を超えて」仲良くしている。

元来は、猫と犬は種が違うので、仲良く遊んだりしないことが多いです。しかし、家にずっと飼われているので、このように「種を超えて」も一緒にいても大丈夫になり、相手のことに気づかいしています。本当にすてきな動画ですね。

犬ー猫、猫ー猫、犬ー犬 これは喧嘩か? じゃれあっている?

犬と猫を多頭飼いしている人は、「これは喧嘩なのか」「ただ遊んでいるのか」わからないとき、以下の点を注意してください。

・流血していないか?

本当に相性が悪い同士だと、流血騒ぎの喧嘩になります。こういう場合は、離して飼うことをおすすめします。けがをしたり、命にかかわる喧嘩に発展する可能性があるからです。仲裁に入った飼い主が、けがを負うこともありますから、注意してくださいね。

・じゃれあった後もまた一緒にいるか?

単にじゃれあった後だと、何事もなかったようにまた、一緒にいます。こういう場合は、大丈夫です。

・食欲があるか?

やはり犬や猫の世界でも上下関係があります。ストレスが溜まると食欲が落ちます。これもひとつのバロメーターです。

・どちらかが、必要以上に毛づくろいしている。

人が爪を咬むのに似ています。犬も猫もストレスがあると、毛を必要以上に舐めます、エスカレートすると、毛を咬みちぎる子もいますので、注意してくださいね。

まとめ

外出自粛が続いています。いままでこんなに長い間、自宅にこもったことのない人は、喜怒哀楽の感情が失われたり、周りの状況が他人事のように感じられたりするかもしれません。ため込んだストレスのはけ口として、他人をいじめたりする気持ちが芽生える可能性も出てきます。

しばらく、巣ごもり状態が続くのでしょうが、そんなとき、まだよくわかっていない新型コロナウイルスのニュースをずっと見続けて、不安になるより、このような動物の動画を見てリラックスするのはいかがでしょうか。

犬は家族のつながりや和を意識しているもので、元気がないとなぐさめようとしてくれることもあれば、種を超えて猫とも仲良くしようとします。猫はツンデレなところがありますが、憎めない愛嬌があり、癒やしになります。直接、触ることはできないですが、動物を見るだけでも、ずいぶん落ち着くものです。「動物の力」を借りて、この非常事態を少しでも快適に乗り越えましょうね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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