突然の激しい雨でビル地下に浸水すると・

浸水した地下室からの避難体験実験(石垣撮影)

地下に浸水して被害が発生=

水は低い方に流れます。豪雨時に地上に溜まった水は、地下室等のより低い場所があれば、そちらに流れていきます。640以上の地下駅、78以上の地下街、多数の地下駐車場、アンダーパス、地下室など、日本には多くの地下空間があり、1982年7月の長崎豪雨、1983年8月の赤坂見付駅浸水、1999年6月の福岡水害、1999年7月の新宿地下室、2000年9月の東海豪雨、2003年7月の福岡豪雨、2008年7月京都怖向日市のアンダーパス、2009年11月の和歌山地下駐車場、2010年7月の可児市のアンダーパス、2011年3月の東日本大震災、2011年8月の大阪梅田地下街、2011年9月JR高蔵寺駅浸水、2013年9月の京都市地下鉄御陵駅浸水などの地下空間浸水が発生しています。海外でも、2001年7月のソウル地下鉄浸水、2002年8月のヨーロッパ地下鉄浸水、2003年9月の馬山でのビル地下浸水、2012年10月のハリケーン・サンディによるニューヨーク地下鉄および道路トンネル浸水などが発生しています。これらの地下浸水は、豪雨、河川の氾濫、高潮、津波により引き起こされましたが、対応できる時間が最も短いのが豪雨による地下浸水です。

浸水した地下室からの避難体験実験結果(石垣作成)
浸水した地下室からの避難体験実験結果(石垣作成)

浸水した地下室から脱出できる?

豪雨時に道路が冠水して水かさが地下への出入口の高さを超えると階段やエスカレーターを通して流れ込んできます。地下にいると地上の状況が分からないことが多いので、大雨の際には地下に入らない方が良いのですが、大阪梅田地下街を利用する人へのアンケート結果によると、6割以上の人が大雨時に地下空間を利用すると答えています。地下浸水で最も危険なのはビルの地下室です。地階に入った水は通路を流れ、地下室のドア前に溜まります。地下室のドアは、部屋の中から外向きに開く構造になっているので、ドア前に溜まった水の水圧で開けにくくなります。図は、地下室からの避難体験装置を用いた8歳から80歳までの800名以上の体験結果です。体験前に開けることが可能であると予想してもらったドア前水深と成功率を示したものです。この結果より、成人の地下室からの避難限界水深は30cmで、全員が避難できるのはわずか10cmであることが分かります。30cmの水深になるまでの時間が非常に短いというのは簡単に想像できます。記録短時間降雨の時間80mmの雨が降った時、ビルの大きさによりますが、2分~10分程度でドア前水深が30cmに達することが解析結果で分かっています。

以上のように、突然の激しい雨による地下室浸水が発生しています。地下室にいると外の状況が分からないことが多いので、大雨注意報は発表された時には、自分がどこにいるのかを自覚しておくことが備えになり、自分を守ることになります。