ゲリラ雷雨が頻発、身近な水災害の危険性

(写真:ロイター/アフロ)

水災害(みずさいがい)とは?

最近、自然災害による被害が増えています。自然災害は、暴風(台風、竜巻)、豪雨(台風、集中豪雨)、洪水、豪雪、雪崩、地震、津波、高潮、噴火、地すべり、山火事などの自然現象による災害です。この中で、豪雨、洪水、津波、高潮が水に関わる災害で、ここでは、水災害と呼んでいます。もう少し具体的に言うと、集中豪雨時にマンホールや排水路から溢れ出しておこる内水氾濫(雨水出水)、川から水が溢れる外水氾濫、地震や大規模な崩壊に伴う津波、台風や低気圧や季節風により起こる高潮です。身近な水災害は内水氾濫です。

宅地や道路に降った雨は、道路の側溝から下水管や排水路を流れ、直接川に入るか排水機場から川へポンプ排水されます。これらの雨水排水施設は、1時間40~50mm程度の雨が排水できるように設計されていますが、最近、これを上回る雨が全国各地で発生し、道路が冠水しているニュース映像を見る機会が増えています。

2000年9月の東海豪雨災害、石垣撮影
2000年9月の東海豪雨災害、石垣撮影

溢れた水は、低いところへ

下水管がいっぱいになると、マンホール等から溢れ出した水は道路上を流れて周りより低い場所に集まり浸水被害が発生します。自動車のマフラーの高さは平均30cm程度ですので、浸水深がこれを超えるとエンジンが止まり、鉄道などの下をくぐるアンダーパスなどでは最も深いほうへ流されます。最悪の場合は、ドアを開けて脱出することが困難になります。実験では、道路面からの深さが60cm程度を超えると大人でもドアを開けることが困難になります。また、歩いている場合でも、勾配が大きな道路や排水路は流れが速いので、足元をすくわれて流される危険性があります。

雨量は何ミリ?

豪雨の量がミリメートルで表されるので、その大きさが分かりにくいものです。ミリメートルで表されるのは、雨量が写真の転倒ます式雨量計と呼ばれる機械で測られているからです。矢印の部分が、雨量0.5mm毎にシーソーのように左右に傾きます。原理は、日本庭園にある鹿威し(ししおどし)と同じで、片側のますに0.5mm相当の雨水が溜まると転倒して排水され、他方のますに雨水が溜まるようになっていて、転倒回数から雨量を測ります。豪雨で視界が悪くなる時間30mm程度の雨の場合、1分間に1回転倒する程度です。雨水は集まってくるので、下水管や排水路の水かさが10~20分という短時間に増え、許容量を超えるとマンホール等から溢れ出します。水量が急激に増加した場合、下水管やマンホールに残っていた空気が圧縮され、マンホールの蓋を飛ばすことがあるので、そのような危険性のあるマンホールの蓋にはチェーンなどが付けてあります。こうした浸水は、都市域であれば、どこでも起こると考えていた方が良いものです。

転倒ます式雨量計、石垣撮影
転倒ます式雨量計、石垣撮影

「五月雨をあつめて早し最上川」は松尾芭蕉の句として有名ですが、豪雨時には、雨水は短時間であつまって道路上を早く流れ、周りより低い場所に溜まります。同じ場所に溜まりますので、普段から注意しておくことが必要です。