関西初出店「Origin」フリースタイルレストラン 新たなるフィールドへ 

関西初出店「Origin」(オリジン東秀提供)

Originに行き着くまで

オリジン弁当からキッチンオリジンへ

2014年からオリジン弁当は「キッチンオリジン」へのモデルチェンジが始まった。2015年5月にはイートインスペースを設けた店舗が登場した。キッチンオリジンの行徳店、関西では東三国店など幾度となく見学し、最近のコンビニ、スーパーとは違う堅強な業態の出現に驚いたものだ。

多くのスーパー、コンビニではイートインの増設、そしてg量り売り惣菜、バイオーダーも見かけられるようになった。とはいえ、これまでスーパーではパック売りでの惣菜販売は手掛けているものの、量り売り惣菜は商品設計が違うため、ゼロから出発となる。

「g量り売り惣菜、バイオーダーは惣菜とはいえ似て非なるもので難しい」といった声も聞かれるほどだ。

オリジン弁当では、長年、培ったg量り売りの商品開発、徹底して普段使いを考慮した価格設定、顧客が自らセルフでとることを前提にした盛り付け、商品の肝を外していない店舗内調理、そしてg量り売りのロスへの対処法も苦慮しながら手掛けている。

その上でイートインがドッキングしたならば、他の企業を寄せ付けない参入障壁の高い業態の出現と言える。

ニューヨークに行くとブロックごとにデリカテッセンのお店がそこかしこにあり、店内では朝から老若男女の顧客が食べている食風景を見て、「このような業態が日本にあれば」と思ったものだ。それが日本で実際、目の当たりにしたとき「ついに!オリジンが始めたんだ」と思うと、ちょっと大げさに思われるかもしれないがジンと目頭が熱くなった。

次第にキッチンオリジンに移行するなか、以前にも紹介したが定食屋も手掛けている。

またまた定食業態が動き出した

こうして本来、外食の中華東秀から中食に参入したオリジン弁当、そしてこれらの業態のノウハウがうまく結集し、これまでにない業態として「Origin」が誕生したのである。

そこで今回、取材にあたって経営戦略の鈴木さん、店舗にいらした小川さんにお話が伺えた。

鈴木さん「Originには、お客様にあらゆる食シーンを利用していただきたい、そんな想いをOriginのロゴの下にFree Style Restaurantと表しております」

現在、「Origin」は今回の関西店をあわせると全部で12店舗となっている。ちなみに関西初の茨木店は4月4日に出店した。

以前、大阪の茨木店は、事務所が後ろにあり、今回の改装により、事務所がすべて厨房と売り場に変更されていた。

通常のオリジン弁当より1・8倍の大きさを基準にしているとのこと。

先述したように定食屋をもドッキングした新しい店舗になることは、一つの店舗に定食屋までこなすことになる。そうとなればレジ稼働が気になっていたのである。

セミセルフレジ導入による効果

弁当専門店の多くは、ご存じのように、スタッフが注文を受けて、レジ清算したのち、待ちナンバーを渡し、そのスタッフがくるりとちょうど真後ろにある厨房に入ってフライパン調理する。昭和の時代では、非常に効率の良い動線であり、よく考えられていた。

とはいえ、ピーク時を見ると行列になる。そして昨今、人手不足からレジ稼働が回らなくなってきているのだ。

Originに導入されているセミセルフレジにより、これらの問題がずいぶん軽減されている。

日経MJ4月24日掲載を引用すると

イートインを備えた主力「キッチンオリジン」と、定食や麺類など外食メニューを扱う「Origin(オリジン)」の今後の新店をすべてセミセルフ式のレジにする。店員が商品のバーコードを読み取った後、客が自分で会計機で示された購入額を支払う仕組み。客が画面で好きな弁当などを選ぶと、厨房にいる店員に自動で注文が伝わる。

出典:日経MJ 4月24日引用

入って左手イートイン側に券売機2台おかれ、「店内」「持ち帰り」というタッチパネルで選べるようになっており、ここで食券を購入し注文する。

入って左手イートイン側に券売機が2台おかれ、「店内」「持ち帰り」いずれかを選べるようになっており、食券を購入することで注文ができ、番号を呼ばれるのを待つ(オリジン東秀提供)
入って左手イートイン側に券売機が2台おかれ、「店内」「持ち帰り」いずれかを選べるようになっており、食券を購入することで注文ができ、番号を呼ばれるのを待つ(オリジン東秀提供)

店内に入って真正面には2台のレジが置かれ、いずれも顧客が自動つり銭機へお金を入れ、会計される。

真正面のレジ2台、いずれも顧客が自動つり銭機へ自らお金を投入し清算する(オリジン東秀提供)
真正面のレジ2台、いずれも顧客が自動つり銭機へ自らお金を投入し清算する(オリジン東秀提供)

小川さん「レジがスムーズになり、お客様を待たせずに提供できるようになり、ミスもずいぶん減りました」

イートイン、細かな配慮

Origin茨木店は全部で一応29席。「一応」と述べたのは、写真でもわかるように片面がソファになっており、人数の調整ができるほか、チャイルドシートが4席、置かれていた。

Origin イートイン29席(オリジン東秀提供)
Origin イートイン29席(オリジン東秀提供)

奥に広がるイートインは、見わたすと広い顧客層が利用している。

イートイン席は売り場と上手に仕切られており、一人で食べることに違和感のない造りにもなっているのだ。

以前、イートインのアンケート(500名)を行ったことがあるが、自由回答のなかで「一人で食べづらい」という意見が多く見受けられた。それを解決している空間づくりとなっている。そしてあるスーパーでは、席数をあまり多くしたため、学生のたまり場と化し、売り上げに直結しないといった問題も出た。スタバなどでは時間制限を設けるなどをしている。オリジン東秀は時間制限は設けていないが今のところ問題がないと言われ、随時、顧客が入っており、坪数における席数も適正席数なのかもしれない。

ちなみにイートイン比率は約18%とのことで、商店街立地である沼袋店の15%より高い数字をはじき出している。

柔軟な立地対応

これまではまず業態にあう立地を探し、そこに出店するというのがおおよその出店プロセスであった。オリジン弁当では、商圏1キロに対し、1万人で出店すると言われている。

鈴木さん「実際、このように新たなる業態、つまり一つの店舗でいろいろな食の提案ができることで、郊外型も好調で、新たなる出店立地も可能となりました」

一つの店舗で定食屋をドッキングさせることで初期投資は以前よりかかり、大きい坪数が必要となるであろう。しかし立地は確実に選択肢が広がるのだ。つまり半ば難しかった立地にも柔軟に対応できるのだ。事実、これまで難しいとされていた郊外型は好調とのこと。そしてその上、単価もアップしている。将来的には立地によって、キッチンオリジン、Originを使い分けて出店でき、キッチンオリジンとOriginの比率は半分半分となるかもしれないとのこと。

餃子定食400円(税込み)、値ごろな価格設定で内食へも考慮

さて餃子定食を注文。

餃子定食400円(税込み)提供されたままにお写真をとりました。それで逆になっております。すみません。
餃子定食400円(税込み)提供されたままにお写真をとりました。それで逆になっております。すみません。

400円(税込み)という値ごろな価格もさることながら、商品力も高い。厨房内には餃子焼器があるが、鉄板に皮が付かないように試行錯誤を繰り返したという。一つ一つの餃子がきれいに離れている。単品だと200円(税込み)。

餃子どうしが付くことなく、パラリと食べられる。皮もきれいな焦げ目でやぶれていない
餃子どうしが付くことなく、パラリと食べられる。皮もきれいな焦げ目でやぶれていない

皮も薄く、店舗内調理だからこそこの薄さで提供を可能にしている。中具と皮の間に空洞もあまりなく、よくできている。

定食は全部で13アイテム。価格は350円から始まり690円まで。この他にラーメン、うどんも揃っている。うどんはラーメンより低価格設定で350円から7アイテム。ラーメンは4アイテムで500円から650円。

朝食にパン180円、そしてデザートには190円でソフトクリームがある。

持ち帰り弁当とG量り売り惣菜183円の豊富な品揃え

持ち帰り弁当、そしてg量り売り惣菜、おにぎりは通常のオリジンの品ぞろえ。g量り売り惣菜100g183円で通常よりアイテム数は多い。

好調な滑り出し 機械導入、そして外してはならない肝

売り上げは、オープン後、1か月過ぎた現在、改装前より1.5倍。前年比でみても同様の数字をはじきだしている。

各社、人手不足で悩まれるなか、解決策として製造で機械を導入し、何とかカバーしている。とはいえ、機械導入することでマイナス要素になるときもある。それは、商品の肝となる部分を機械製造することで本来の美味しさが失せてしまうことも多々あるからだ。これが食の難しさでもある。いかに顧客のストレスを減らし、商品の肝を外さない、そして人手不足の解消も考慮する。これらのバランスを保つには、これまで築き上げた中食の開発、本来、外食出身(中華東秀)からの中食参入の強み、そして現場の難しさを熟知していることが前提となってくる。定食屋と類似した商品を扱っているからできるといった容易いことではないのである。1店舗であらゆるシーンを創出でき、参入障壁が高い業態の出現はこうした要素があってこそ成せるのではないだろうか。