米の消費量が著しく減少していることから、「米離れ」と言われているが、中食では増加傾向

コンビニのおにぎりでございます。(写真:アフロ)

米の減少 その原因

米は消費減少していることが「米離れ」?

米の消費減少から「米離れ」と言われている。たしかに一人当たりの消費量は,図のように確実に急降下し減少はしている。とはいえ、果たして減少がつまるところ「米離れ」と言えるのだろうか。

「米離れ」と言われ始めたのはいつ? そして現状

平成5年の大凶作で米が不足。翌年、豊作であったとはいえ、元の消費量に戻らなかった。

その後、平成13年、一般家庭の年間の米消費量が100キロ割ったことから「米離れ」と言れれるようになったという。

この資料、平成18年までです。
この資料、平成18年までです。

平成18年一人当たりの年間消費量61キロ。

平成25年一人当たりの年間消費量56.9キログラム。

平成25年日本人のごはんの1日の消費量344g お茶碗2杯強

米100gで220gのごはんになる。米56・9キロを365日で割り、計算すると、平成25年、一人一日あたり344gのごはんを消費していることになる。ご飯一杯分約150gとして2杯強。既に高齢化していることから、食が細くなっていることも大きい。

調理の手間

高齢者もさることながら、単身者も、現状、すでに25・3%(厚生労働省の調べ)となっている。今後、単身者は増加傾向にあり、2030年には4割になると予想されている。これらから、おのずと調理も極力、簡易になっていく。最終、電子レンジのみが残るのではないか、という声もあるほどだ。

調理が手間、面倒となり、より簡易へ

つまり洗米、浸漬、炊飯は手間、面倒になっていることが大きいと思う。それを解消するためには、調理を簡素化した商品、もしくは出来上がった商品、まだ調理前の米から、調理後のごはんを購入するようになり、「減少」というより中食へ「移行」したのではないか。簡易化として一例を上げると、無洗米は既に2006年の調べでは、6割の人が購入経験ある(大阪ガスの調べ)。

食の欧米化から米減少?

次に

・パンに移行された。

・パスタなどの食の多様化から米への興味が薄くなった。

などが原因に挙げられる。

パンに移行として、数年前、話題となった記事。

パンの逆転現象平成23年2011年 翌年、元に・・・

平成23年2011年の総務省「家計調査」

1世帯(2人以上世帯、農林漁家世帯除く)あたりの米に対する年間支出額2万7428円に対し、パンは2万8318円と逆転した。家庭調査を開始してからパンが上回ったことは初めてで、「米離れ」と話題になった。しかしこのデーターは、単身者が省かれている。今後、前述したように単身者が急増することを考えると、1世帯(2人以上世帯、農林漁家世帯除く)の調べのみならず、単身者の動向も踏まえて米について語る必要がある。そして平成24年には、支出額は米がパンより上回り、元に戻っているため、一時的な逆転と言えよう。

付け加えて言うと、パンを購入する人の層は、年収の高い層が多いとされ、今後、消費税が10%導入されること、そして日本人の年収の増加は難しいといわれるなか、米はやはり強い主食と言える。

参考として、この図のパン支出額に注目。

パンの年間収入高低1人1か月当たり支出額(平成24(2012)年) 

年収351万以下と828万以上の比較 家庭調査 
年収351万以下と828万以上の比較 家庭調査 

ということで、細かい要因はあるが、手間を省く、調理を少なくすることからこれが米減少となり、中食に移行したこと。

これは、現在、食の外部化率(外食、中食)は48・2%(袋物惣菜を含む)になっていること。

その中で米の外部化率をみてみるとわかりやすい。

米購入から、ごはん購入へ、中食にたよる家庭

米の家庭内消費 加工・外食消費別の変化
米の家庭内消費 加工・外食消費別の変化

資料: 総務省「家計調査」、農林水産省「食糧需給表」を基に農林水産省で推計(平成15年から平成25年まで)      

平成15年から25年をみると、この10年で米の外食・加工比率は、むしろ52・8%から56・7%と3・9%増加している。

冒頭にのべたように、中食では増加している。

そして惣菜白書2015年、中食のごはんの支出状況を見ると

惣菜白書2015年

2008年~2014年の家庭調査における、中食へのごはんの支出額(お弁当、寿司、おにぎりなどを含む)

2008年73528円  2014年では75554円となっている(総務省「家庭調査」参照)。

ちなみにこれは単身者、そして2世帯以上を合算いたしました。

そして%で計算すると、1%増加している。この中には、おにぎり、弁当、寿司が入っている。

外食産業は売り上げ減少しているなか、ごはんの3・9%増、そのうちの中食が1%。

中でもおにぎりに関して

年度によって減少、増加といった形、若干の上下動があるにせよ、安定している。

リーマンショックでは多少減ったが、すぐに持ち直し、中食のおにぎりは不動なのである。

そこでコンビニのおにぎりで最も販売数が圧倒的に高いとされるセブン-イレブンにフォーカスすることにした。

セブン-イレブンは、以前、調査した時期2006年から2014年ではおにぎりの販売数を大きく増加しているからだ。

セブン-イレブンのおにぎりの購買量、年間 日本人の一人当たり18個

2006年

年間11億500万個販売。日本の人口1億2689万人として考えると、赤ちゃんからお年寄りまで年間一人約10個食べていることになる。

2014年

年間18億7600万個とぐんと増加。一人10個から18個食べていることになる(人口1億2689万人)

おおよそ10年ほどで8個増加。

食べた量を距離に置き換えると、なんと世界2周ちかく

ちなみに2006年で既に、'''1個のおむすびを約4センチ幅と考えると、4万2400キロ、地球1周(約4万キロ)、2014年では2周弱(1・87周)となる。

コンビニのおにぎり歴史、口火を切ったセブン-イレブン

セブン-イレブンがおにぎりを製造されたのは昭和53年。コンビニ初であった(ローソンはその後)。最初は手握りであったが、その後、機械に移行。58年には新商品としてシーチキンを開発、人気商品となった。そして次々とヒット商品(赤飯むすび)を提案し、当初、反対の声があったとはいえ、今やセブン-イレブンではなくてはならない商品にまで成長している。そして他社も追従する形で販売することで、おにぎりはコンビニの顔になり、ここまでの製造量を誇るのは脅威である。

コンビニ開発

コンビニにおにぎりが登場して40年近くになる。その間、おにぎりの商品開発はめまぐるしく発展、努力があったため、この数字がはじき出された。ふり塩から、おにぎりの空気の含み具合、そして握った際、その握り加減を機械で再現し、均一でないことに注目し、にぎり方、つまり圧のかけ具合を徹底した。身体に優しい御酢をいれることで品質を保持し、食べるたびにバージョンアップしている。これが米減少に歯止めかけてくれているとも言える。

高齢化、単身者急増から、胃袋も小さくなることで、少量となり、手間もなくしたい方向に向かっている。人口減少も伴って、おのずと米減少となっていくだろう。パンなど選択肢が増えたにせよ、中食の売り上げから見て、一概に「米離れ」とは言えないように思う。