米フロリダ州高校銃乱射事件 2人のサバイバーが相次ぎ銃で自殺 

米フロリダ州の高校銃乱射事件から1年。多くの人々が犠牲者たちの追悼に訪れた。(写真:ロイター/アフロ)

 17人の人々が亡くなった、フロリダ州パークランドで起きたマジョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件から1年以上が経過した。しかし、乱射事件は今、新たな悲劇を生み出している。銃乱射事件で生き残った若者たちが、相次いで自殺を図ったのだ。

 3月17日(米国時間)、銃乱射事件で親友を亡くしたシドニー・アイエロさん(19歳)さんが、銃で自らの頭を撃った。シドニーさんは、友人たちが亡くなったのに自分は生き残っているという「サバイバーズ・ギルト(事件や災害の生存者が感じる罪悪感)」に苦しみ、最近、心的外傷後ストレス障害(PTSD)という診断を受けたばかりだった。

 事件直後は、ワシントンDCで、銃規制を訴えるデモにも参加したシドニーさんだったが、自ら銃で命を絶ってしまった。あまりにもやりきれない。銃乱射事件が人々に残した傷跡の深さを目の当たりにする思いだ。

銃乱射事件後、ワシントンDCで行われた銃規制を訴えるデモに参加したシドニーさん。写真:heavy.comより
銃乱射事件後、ワシントンDCで行われた銃規制を訴えるデモに参加したシドニーさん。写真:heavy.comより

2人とも銃で頭を撃つ

 シドニーさんは昨年6月、高校を卒業後、自殺者が出る懸念もしていた。俳優のロビン・ウィリアムズ氏やファッションデザイナーのケイト・スペード氏、シェフであり人気TV番組のホストも務めていたアンソニー・ボーディン氏など自殺した著名人を引き合いに出して「時には、強く見える人たちも大丈夫かどうか確認する必要がある」と訴えるフェイスブックの投稿をシェアし、自殺に対するアウェアネス(気づき)を与えていた。

 そんなシドニーさんだったが、そうすることで、自分自身を励まそうとしていたのかもしれない。実際、シドニーさんは、大学進学後、教室で銃撃が始まるのではないかと恐怖を感じ、大学に通うのが大変な状況になっていた。悲しみにも打ちひしがれていたという。

 そんなシドニーさんの悲しみを癒していたのはヨガだった。彼女はヨガのインストラクターになるべく、コスタリカでトレーニングも受けた。昨秋にはクラスを持って教えるほどになっていたという。また、人々の助けになりたいと医療の世界で働く希望も持っていた。しかし、シドニーさんの中に巣食ったPTSDという闇は、彼女自身の将来を見えなくするほど深くなってしまったのだろう。

 そして、シドニーさんの自殺から6日後の3月23日夜(米国時間)、彼女の後を追うように、銃乱射事件で生き残った同高2年生の男子生徒が「明らかな自殺」で亡くなった。彼もまた、シドニーさん同様、銃で頭を撃った。

助けを求めることは弱いということではない

 相次いだ銃乱射事件サバイバーの自殺。そこに「負の連鎖」を感じないではいられない。大きく注目された事件の後、その事件を模倣したようなコピーキャット犯罪が起きることがあるように、大きく注目された自殺事件は後追い自殺を誘発することがある。日本では、過去に、アイドルの岡田有希子さんや元X JAPANのHIDEさんの自殺後、後追い自殺が起きた。シドニーさんの後を追うように自殺した男子生徒の死が銃乱射事件に起因しているものであるかは現段階では不明であるし、シドニーさんの自殺に誘発されたものであるのかも不明だが、彼もまた対処できないような苦しみや生きづらさを感じていたのだろう。

 シドニーさんがシェアした前述のフェイスブックの投稿には「助けを求めることは弱いということではない」とも記されていたという。しかし、シドニーさんは、自殺する前、誰かに助けを求めることはなかった。助けを求めることができないほどの苦しみに襲われていたのかもしれない。

 シドニーさんのように、自分から助けを求めることができずに苦しんでいる人はたくさんいるはずだ。

 苦しかったら、助けを求めよう!

 自分の話を聞いてくれる人を見つけよう。最初の人が聞いてくれなくても、聞いてくれる人が見つかるまで、真剣に考えてくれる人が見つかるまで、どこまでも探そう!

 誰かに「大丈夫?」とリーチアウトされたら、心配をかけたくない思いから「大丈夫だよ」と強がったりしないで、素直に苦しさを伝えよう!

 結局、自分からアクションを起こさない限り、何も始まらないのだから。