小中学生男子は「スマホで電子書籍の方が紙の本より読みやすい」率が高い件

(写真:アフロ)

全国学校図書館協議会(SLA)と毎日新聞社が小中高校生男女を対象に毎年実施している「学校読書調査」の2018年報告が「学校図書館」18年11月号(全国学校図書館協議会)に掲載されている。

調査内容は多岐にわたるが、今回はその中の「電子書籍の読書」についての調査結果を主に紹介したい。

「スマホやタブレットなどを使って読書をしたことがあるか」という質問に対して、「読んだことがある」と答えたのは、

小学生だと最も低いもので小4男子の24.0%、最も高いもので小6女子の42.8%。

中学生だと最低が中1男子の31.7%、最高が中3女子の57.5%。

高校生だと最低が高1男子の45.4%、最高が高3女子の58.1%。

となり、成人に対する調査では電子書籍の読書経験率が約30%であるのに対し、かなり高く出ている。

さらに「紙の本とスマホやタブレット、どちらが読みやすいか」に対しては、どうか?

ざっくり言うと「紙の本」が5割くらい、「モバイル」が3割くらい。

小学生の方がスマホ派が多く、中学、高校と年齢が上がるにつれて紙の本派が増える。

これが単純にスマホネイティブ/電書ネイティブ度合いによるものなのか(若いほど早い時期にモバイル端末に触れていてディスプレイでの読書に慣れているせい?)、何か年齢が関係しているのかは、比較となる過去の調査がないのでわからない。

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グラフ(出典:「学校図書館」2018.11.号44pより引用)をよく見てほしいが、

小4、小6、中1、中2の男子に至っては「スマホやタブレット」派が「紙の本」派を上回っている。

(電書を読んだことがある率は男子の方が低いのに、読んだ人間の中では「電子の方が読みやすい」と答える率は男子の方が高い)

ちなみに、平均読書冊数は、小中高と進むほどに減っていく。

(2018年月間で小学生は9.8冊、中学生4.3冊、高校生1.3冊)

冊数ベースで言えば、小学生が(学生に限らず)全年齢の中でもっとも読書家なのである。

にもかかわらず、小学生向けの電書サービスは民間、あるいは図書館においてもまだまだ充実しているとは言いがたい。

ここには課題(またはビジネスチャンス)がある。

また「子どもが紙でも電子でも読書できる環境づくりを」と言う以前に、小学校中学年以上男子向けの本は出版業界では「なかなか売れない」「難しい」と言われ、それほど充実していない(「だからますます読まない」というニワトリ卵問題?)と言われ続けている。

「日本の子どもの読書」を取り巻くファクトを認識し、彼らが接するコンテンツに関する問題、およびコンテンツをどうデリバリーするかという問題を検討するために、図書館関係者や出版業界人以外にも広く「学校読書調査」を読んでもらいたい。