“インフラ界のグーグル”目指す?!ソフトバンクが大手建設コンサルタントと業務提携

社会インフラと人の動きをIoT化し“賢く使う”スマートシティーを目指す

 道路や鉄道、電気、水道などの整備や、河川洪水に対する災害情報システム、避難システムなどは、人と社会インフラの両方にかかわる問題です。

 例えば、これまでは交通渋滞や通勤ラッシュを減らすために、道路や鉄道を建設するという考え方が主流でしたが、これらの社会インフラを利用する人を時間的に平準化すれば、ピークに合わせた過大な施設を建設する必要もなくなります。

 こうした賢い社会インフラや防災インフラの設計や開発を実現するため、ソフトバンクと大手建設コンサルタント会社のパシフィックコンサルタンツはスマートシティー開発を目指して業務提携を発表したのです。

握手するソフトバンク副社長兼COOの今井康之氏(左)とパシフィックコンサルタンツ社長の高木茂知氏(写真:家入龍太)
握手するソフトバンク副社長兼COOの今井康之氏(左)とパシフィックコンサルタンツ社長の高木茂知氏(写真:家入龍太)
交通インフラを“賢く使う”イメージ(以下の資料:特記以外はパシフィックコンサルタンツ)
交通インフラを“賢く使う”イメージ(以下の資料:特記以外はパシフィックコンサルタンツ)

 交通インフラや防災インフラを、より賢く使うために必要なのは、ズバリ「IoT(モノのインターネット)」です。

 人やインフラの動きや状態を大量に設置したセンサーやスマートフォンなどでリアルタイムに把握し、AI(人工知能)を活用して混雑する場所や洪水の浸水域を予測しながら、問題が起こる前に人やクルマの動きなどを賢く制御します。

 例えば、駅の混雑防止には、列車の到着時間や、通勤・通学の時間をずらすことにより、駅を拡張しなくても混雑の防止が可能になります。

 河川には様々なセンサーを設置することで、人間が巡回監視するよりも詳細でリアルタイムな洪水情報を把握することが可能になります。

 また、新しい道路の建設によって交通量が減った道路には、LRT(ライトレール型路面電車)を建設したり、芝生、カフェを設置したりして、環境に配慮したまちづくりを行うことも可能です。

河川に大量のセンサーを取り付けてリアルタイムな洪水情報を把握するイメージ
河川に大量のセンサーを取り付けてリアルタイムな洪水情報を把握するイメージ
鉄道駅の混雑は、時間的に利用客の数を平準化することで軽減できる
鉄道駅の混雑は、時間的に利用客の数を平準化することで軽減できる
交通量が減った道路には、ライトレールや芝生、カフェなどを設けて環境に配慮したまちづくりが行える
交通量が減った道路には、ライトレールや芝生、カフェなどを設けて環境に配慮したまちづくりが行える

 最終的には、人やインフラの情報を都市圏全体での広い範囲で集めることを目指しています。また、空港の混雑防止には、日本に飛来する飛行機の情報も必要になってきそうです。

最終的には都市圏全体での人やインフラの情報をリアルタイムで集め、解析やフィードバックすることを目指す
最終的には都市圏全体での人やインフラの情報をリアルタイムで集め、解析やフィードバックすることを目指す

 いわば、“インフラ界のグーグル”のようなビジネスモデルが誕生しそうですね。

 様々な種類のデータを大量に集める方法としては、5G(第5世代移動通信システム)やIoT向けの通信規格を利用することで実現します。

 今回の業務提携は、パシフィックコンサルタンツが公共インフラの調査や設計、マネジメントのノウハウを提供し、ソフトバンクが5GやIoT、AIなどのリソースを提供する形になっています。

パシフィックコンサルタンツとソフトバンクの提携イメージ
パシフィックコンサルタンツとソフトバンクの提携イメージ

 つい先日も、ソフトバンクは日建設計と「次世代スマートビル」の開発を目指して提携を行っています。

 スマートシティーを実現するためには、建築や土木だけではできません。通信やIT(情報通信)など異業種との本格的なタイアップが必要な時代になってきたようです。