高架橋もセクシーに?!オランダの3Dプリンターが曲線美あふれるコンクリートの造形に成功

3Dプリンターで造形したコンクリート型枠。曲線美あふれる高架橋も作れそうだ

先日、ドバイで3Dプリンターで造った世界初のオフィスがオープンしたという記事を掲載したところ、多くのアクセスをいただきました。3Dプリンターで実物の建物や構造物を造る技術開発は、世界中で進んでいるようです。

これまで、街中で見かけるコンクリートの橋や建物は、四角く、平らな面でできたデザインがほとんどでした。というのも、コンクリートを流し込むためには木材などで「型枠」という受け皿を作る必要があり、これをグニャグニャした曲面で作るためには相当な手間ひまがかかってしまうからです。

こうしたデザイン上の制約をなくそうと、オランダの建設会社、ハイジマンズ(Heijmans)とサイブ・コンストラクション(CyBe Construction)は、3Dプリンター使って曲面のある型枠を造形することに成功しました。(Images:Heijmans/Maikel Samuels)

3Dプリンターで造った曲面の型枠。コンクリートを流し込んだ後は表面に残る
3Dプリンターで造った曲面の型枠。コンクリートを流し込んだ後は表面に残る
作業中の3Dプリンターとドヤ顔の技術開発マネジャー氏
作業中の3Dプリンターとドヤ顔の技術開発マネジャー氏

今回、使われた3Dプリンターは、産業用ロボットがベースマシンになっています。ロボットのアーム先端に取り付けられたノズルから、コンクリート状の材料をソフトクリームのように型枠の断面に沿って少しずつ積み上げて造りました。

作られた型枠は側面が広がったり、狭まったりと波打った形をしています。高さは2.5mで、造形は約25分で完了しました。

造形中の型枠
造形中の型枠
ノズルの先端からはコンクリート状の材料が吹き出し、層状に積み重ねていく
ノズルの先端からはコンクリート状の材料が吹き出し、層状に積み重ねていく

3Dコンクリートプリンターで造形した部材は、どうしても造形時に層状の模様が残ってしまいます。そこで、今回は型枠の下半分をコテ仕上げで滑らかにすることにもチャレンジしました。

この型枠は、「打ち込み型枠」というものです。内部に生コンクリートを打設した後は、打ち込み型枠自体がコンクリートの表面となります。従来の型枠のように、コンクリート打設後に解体・撤去する必要ありません。廃材を出さないので、環境にもやさしいですね。

生コンクリートを流し込むと、型枠の内側にはコンクリートの重みで圧力がかかります。その力に耐えられるかどうかももう一つの型枠(幅1.25m×厚さ0.35m×高さ3.1m)を作り、中に水をためてコンクリートの圧力に耐えられるかどうかをテストしました。その結果は、予想を上回るものだったそうです。

生コンの圧力に耐えられるかどうかを確かめるため、型枠に水を満たしてテストした
生コンの圧力に耐えられるかどうかを確かめるため、型枠に水を満たしてテストした

両社には最近、複雑なデザインの住宅や高架橋などの注文が増えています。従来の型枠でも対応は可能ですが、設計や施工に多くのマンパワーが必要です。

その点、3Dコンクリートプリンターで打ち込み型枠を造ると、自由な形が作れるうえに、コストは50%オフまで可能になるとのことです。

両社は2017年半ばまでに、3Dコンクリートプリンターで作った打ち込み型枠を実プロジェクトで使用開始することを目指しています。

近い将来、セクシーな脚線美を誇る高架橋の橋脚が、オランダに林立しそうですね。