美容界に建築革命!ガウディの「逆さ吊り実験」をヒントに開発されたカット技術が話題に

逆さ吊り実験(左)にヒントを得て開発された「ノンブローカット」の理論(右)

スペイン・バルセロナで建設中のサグラダ・ファミリアで有名な巨匠アントニー・ガウディは、構造体の力学バランスを最適化するため「逆さ吊り実験」を行ったことで知られています。

ガウディの逆さ吊り実験(写真:家入龍太)
ガウディの逆さ吊り実験(写真:家入龍太)

その実験装置の写真を、筆者のブログサイトで紹介したところ、この写真を貸してほしいと髪書房という美容界の専門出版社から依頼がありました。

「美容業界とは、建設とはかなり畑違いだな?」と思っていたところ、しばらくして「月刊 BOB」という雑誌の2016年4月号が送られてきました。

この写真が使われていたのは、ガウディの逆さ吊り実験をヒントにして、美容師のVANさんが開発した「ノンブローカット」技術の解説記事だったのです。

逆さ吊り実験をヒントにした「ノンブローカット」の記事(以下の写真・資料:髪書房)
逆さ吊り実験をヒントにした「ノンブローカット」の記事(以下の写真・資料:髪書房)
ノンブローカットの開発者であるVANさん(左)と掲載された逆さ吊り実験の写真(右)
ノンブローカットの開発者であるVANさん(左)と掲載された逆さ吊り実験の写真(右)

例えば「ワンレングス」の場合、従来はクシでテンションを真下にかけて床に対して平行になるようにカットします。ただこの場合、角ばった印象になり、後で丸く見せるためにドライヤーなどで調整が必要なります。そのため、自宅で再現することが難しい場合もあります。

一方、ノンブローカットとは、ガウディの逆さ吊り実験と同様に、頭を上下に反転させたときをイメージして髪をカットしていく、全く新しい考え方のカット方法です。

自然に髪が落ちる位置でまとまるので、調整もほとんどせずに済み、ドライヤーでラフに乾かしても自然にまとまります。そのため、自宅でもサロンに近い仕上がりが得られます。

ワンレングスに「ノンブローカット」を応用した例
ワンレングスに「ノンブローカット」を応用した例
自宅でラフにブローしても髪が膨らまず、サロンのような仕上がりとなる
自宅でラフにブローしても髪が膨らまず、サロンのような仕上がりとなる

今回の記事ではワンレングスの具体的なカット手順やドライの方法も説明されています。

これまでのヘアカットは、えり足、中間、表面の順番に切っていくことが多いそうです。えり足で土台を作ってから髪を積み上げていくイメージは、建築の構造に似ているので、建築に興味を持つ美容師さんは、意外に多いそうです。

そのうち、美容界にも建築界の最新デジタル技術のようなカット設計法が導入されるかもしれませんね。

「月刊 BOB」では8月号まで「ノンブローカット」の連載を組むそうです。読んでみたい方は、一般書店ではなかなか手に入りませんが、アマゾンや髪書房のウェブサイトで購入できるそうです。