時速100キロで走るクルマからひび割れを発見! 笹子トンネル事故を教訓にトンネル点検技術が進化

時速100kmで走行中のクルマから撮影した換気ファン取り付け金具の画像

画像解析でトンネルの異常個所を発見

NEXCO中日本では、2012年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル上り線での天井板落下事故を反省し、2013年7月26日に「安全性向上3カ年計画」を公表しました。

この計画の一環として、中日本高速道路(NEXCO中日本)は、日常巡回用の車両にカメラを取り付け、トンネル内を高速走行しながら撮影した映像を、画像解析することにより、コンクリートのひび割れなどを自動的に異常を検出する技術を開発しています。

既に時速100kmでトンネルを走行しながら、換気用ファンの取り付け金具の状況を鮮明に撮影することに成功しました。

トンネル内を撮影している様子
トンネル内を撮影している様子

人間の目ではわかりにくいひび割れの変化もわかる

これまでのトンネル点検は、交通規制を行いながら高所作業車などによる人間が目視や打音などで異常を見つけていましたが、画像処理によって人間が見つけられなかった異常も発見できます。

例えば、過去の画像と今の画像を比べることで、コンクリートのひび割れや金具などの位置がどれだけ進行したかといったこともわかるのです。

この点検技術の開発に使われているのが、東京大学情報理工学研究科創造情報学専攻の石川正俊教授が開発した高速画像処理技術です。

もともとは高速で移動する物体を高速度カメラのフレームの真ん中に捉えながら高精度な映像を撮影する技術ですが、逆転の発想で高速移動するクルマ側にカメラを載せて、高速で通り過ぎていくトンネル内部を撮影しているわけです。

今後、過去の画像と比較しながら、変位や変状をリアルタイムに検出できるシステムを構築していく予定です。

笹子トンネルの事故が起こったことは大変残念なことですが、事故をきっかけに開発された新しい点検技術は、日本や世界のトンネル管理を大きく変えることになるかもしれません。