オランダで売上げ・人気ともにNo.1のトニーズ・チョコロンリー、日本初上陸!SDGs世界レポ(48)

オランダNo.1チョコメーカーのトニーズ・チョコロンリー(丸井グループ提供)

オランダのチョコレート業界で売上No.1(Nielsen 2019)の「トニーズ・チョコロンリー(Tony's Chocolonely)」が日本に初登場した。味が美味しいのはもちろん、オランダや北欧の消費者が評価する「サステイナブル・ブランド・インデックス」でも、2018年から3年連続、オランダで1位を誇っている(結果のURLについては後述)。

色とりどりのパッケージが目に楽しく映る(東京・有楽町マルイの期間限定ショップ、筆者撮影)
色とりどりのパッケージが目に楽しく映る(東京・有楽町マルイの期間限定ショップ、筆者撮影)

「トニーズ・チョコロンリー(Tony's Chocolonely)」は、カカオの生産現場で常態化している児童労働や現代奴隷制度を終わらせる目的を背負ったブランドで、オランダ人ジャーナリストTeun van de keuken(英語名 Tony)が一人で(lonely)立ち上げたチョコレート(Choco)メーカーである。

オランダのトニーズ・ロンリー直営店(サステイナビジョン 下田屋毅氏提供)
オランダのトニーズ・ロンリー直営店(サステイナビジョン 下田屋毅氏提供)

人気No.1はオレンジ色のパッケージ「キャラメルシーソルト」

原材料は、カカオ豆をはじめ、主にフェアトレード認証を受けたものを使用している。数あるラインナップの中でも一番人気を誇るフレーバーがオレンジ色のパッケージの「キャラメルシーソルト」。キャラメル風味の甘いチョコレートの中にピリッと塩味がきいており、いくらでも食べられそう。地元オランダのチョコレートの中でも一番人気だ。

オレンジ色のパッケージがキャラメルシーソルト(筆者撮影)
オレンジ色のパッケージがキャラメルシーソルト(筆者撮影)

人気No.2が、真っ赤なパッケージ、定番のミルクチョコレート。口の中で溶けると甘みとコクが感じられて、奥深い味わい。

奥が人気No.1のキャラメルシーソルト。手前がNo.2のミルクチョコレート(株式会社office 3.11撮影)
奥が人気No.1のキャラメルシーソルト。手前がNo.2のミルクチョコレート(株式会社office 3.11撮影)

最初に目に飛び込んでくるのは、カラフルなパッケージと明るくポップなイメージ。包み紙を開くと、そこには、トニーがなぜこのブランドを立ち上げたのか、児童労働が世界で1億5200万人もいる深刻な現状や、企業理念とストーリーが描かれている。

包み紙の中に描かれた企業理念やメッセージ(株式会社office 3.11撮影)
包み紙の中に描かれた企業理念やメッセージ(株式会社office 3.11撮影)

銀紙を開けると、さらにびっくり。均等ではなく、不均等な割れ目になっている。これは、チョコレート業界が、いまだに不平等であるのに、チョコの割れ目だけがエクセルシートのように均等であるのはおかしい、というメッセージを伝えている。

不均等な割れ目になっているトニーズ・チョコロンリー(筆者撮影)
不均等な割れ目になっているトニーズ・チョコロンリー(筆者撮影)

食品ロス削減に取り組む丸井グループと国分グループが国内流通を担当

トニーズ・チョコロンリーの製品は、丸井グループと国分グループ本社が連携して国内流通を担当し、オンラインでは2020年11月29日まで、店頭では11月30日まで販売中だ。期間限定ショップは国内1店舗のみ。東京・有楽町の駅前にある、有楽町マルイ1階、入って右手にある。

東京・有楽町マルイのポップアップショップに並ぶトニーズ・チョコロンリーのラインナップ(筆者撮影)
東京・有楽町マルイのポップアップショップに並ぶトニーズ・チョコロンリーのラインナップ(筆者撮影)

丸井グループが蘭No1*チョコレートメーカー 「トニーズ・チョコロンリー」の日本初上陸を支援 ~国分グループと連携し、サステナビリティを推進~(2020年10月26日 株式会社丸井グループ)

オランダで売上No.1※チョコレートブランド 「トニーズ・チョコロンリー」を新発売 ―初年度は、丸井グループと連携し、サステナビリティを推進―(2020年10月26日 国分グループ本社株式会社)

ミニサイズのバー3種類を買うと、プレゼントにも使えるように、赤いリボンでまとめてくれる。

バー3種類(株式会社 office 3.11撮影)
バー3種類(株式会社 office 3.11撮影)

チョコレートの国内卸を担当する国分グループ本社株式会社は、缶詰や瓶詰の賞味期限を年月日表示から年月表示へ変更し、レトルト製品やフリーズドライ製品の賞味期限を延長、賞味期限の長い総菜を開発するなど、食品ロス削減の取り組みを進めている。全国5つのエリアでフードバンクへの寄付も実施しており、「持続可能な食料生産を支援し、生産に関わるすべての人が適正な対価を得ることができる世界を創る」としたSDGsステートメントを掲げている。

東京・有楽町マルイのポップアップショップ前にある展示(筆者撮影)
東京・有楽町マルイのポップアップショップ前にある展示(筆者撮影)

また、チョコレートの販売を担当する株式会社丸井グループも、食品の小分け提供やプレオーダー(事前の注文)などを通し、食品ロス削減に取り組んでいる。

トニーズ・チョコロンリーのオランダ本社でも食品ロス削減に取り組んでおり、無駄な原料やパッケージなどを最小限にするために入念に計画し、賞味期限が近づいているものをフードバンクに寄付したこともあるそうだ(株式会社丸井グループによる)。

オランダのトニーズ・チョコロンリー本社(サステイナビジョン下田屋毅氏提供)
オランダのトニーズ・チョコロンリー本社(サステイナビジョン下田屋毅氏提供)

SDGsのターゲット8-7は「現代奴隷制・人身売買・児童労働の撲滅」

SDGsの8番のゴールは「働きがいも 経済成長も」であることを知っていても、その下にあるターゲット8-7に「現代奴隷制・人身売買・児童労働の撲滅」が書かれていることは、誰もが知っていることではないだろう。

ILO(国際労働機関)によると、世界の子ども(5~17歳)のうち、10人に1人が児童労働に従事している(1億5,200万人、2016年現在)。また、現代奴隷制の被害者は、世界に4,000万人以上いる(2020年11月9日付 日経ビジネス、2020年4月27日付繊研新聞より)。

甘いチョコレートの裏側にある苦い現実とは?

筆者がトニーズ・チョコロンリーを知ったのは2018年3月。サステイナビジョンの下田屋毅氏による、英国CMI認定サスティナビリティ(CSR)プラクティショナーの資格講座を受講した時だった。その後、東京のオランダ大使館で下田屋氏によるプレゼンテーションと、トニーズ・チョコロンリーの試食が催された。

2018年にオランダ大使館で開催されたプレゼンテーション(筆者撮影)
2018年にオランダ大使館で開催されたプレゼンテーション(筆者撮影)

2019年にオランダ・デンマーク・スウェーデンへ取材に行ったところ、トニーズ・チョコロンリーのバーは、セブン・イレブンなどのコンビニエンスストアやスーパーですぐに買えるほど普及していた。

そして2020年、10月31日に開催された東京大学 One Earth Guardians育成プログラム 公開シンポジウムで、株式会社丸井グループの代表取締役社長、青井浩氏がトニーズ・チョコロンリーの販売について発表された。社会派で個性の強いトニーズ・チョコロンリーは海外でしか売られないものだと思っていたが、ついに日本に来る時がきた、と感慨深い思いだった。

チョコレートを作る人も売る人も、食べる人も、すべての人に知って欲しいことが、最近出版された書籍に書いてあった。(以下有料記事、記事全文6,829文字)

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。Champions12.3メンバー。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てられる食べものたち』他。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/第一回食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。

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