SDGs世界レポート(23)米・オーガニックコットンの野菜保存袋B-Organicを1ヶ月試してみた

米国のCathyが立ち上げた会社のオーガニックコットン製保存袋(筆者撮影)

米国で2018年に設立したB-Organic(ビー・オーガニック)は、国際認証を受けたオーガニックコットンを使った、生鮮食品用の保存袋だ。袋の果物や野菜のイラストは、果汁や植物油で作った染料で描かれている。

カラフルなイラストが描かれたB-Organicの保存袋(筆者撮影)
カラフルなイラストが描かれたB-Organicの保存袋(筆者撮影)

自身の失業経験から最初は手縫いでバッグを制作

2018年にB-Organicを立ち上げたのは、マサチューセッツ州に住む女性のCathy DiPilato(キャシー・ディピラート)さん。

野菜保存袋の冷蔵庫での使い方(photo: B-Organic official website)
野菜保存袋の冷蔵庫での使い方(photo: B-Organic official website)

キャシーさんは、The Boston Globe(ボストン・グローブ)の取材に、「かつて失業したとき、食費を削減しなければならず、冷蔵庫に野菜や果物を保存するために、オーガニックコットンで作ったバッグを手縫いした」と答えている。せっかく買ってきた野菜などがすぐ腐ってしまうことに気づいたことが、このバッグの誕生のきっかけになっている。

その後、2018年に会社を立ち上げた。果汁や植物油から作る染料を使って、インドから取り寄せたオーガニックコットンのバッグ(小・中・大サイズ)に、果物や野菜、ハーブ類など、50種類にもわたるカラフルなイラストを描いている。キャシーさんは、その染料を作るために、レストランや食料品店から、不要となった食品を集めているそうだ。イラストが描かれていることで、袋の外側を見れば何が入っているか識別できるようになっている。

B-Organicの袋(筆者撮影)
B-Organicの袋(筆者撮影)

オーガニックコットンは無漂白で、国際基準であるGOTS(Global Organic Textile Standard)の認証を取得している。また、バッグを買うとついてくる説明のタグは、バッグに使われているコットンを切るときに出るロスをリサイクルして作った紙を使っている。

バッグについてくるタグはコットンを切るときに出るロス分をリサイクルして作った紙でできている(筆者撮影)
バッグについてくるタグはコットンを切るときに出るロス分をリサイクルして作った紙でできている(筆者撮影)

キャシーさんの住んでいるマサチューセッツ州では、いくつかの街で、使い捨てプラスチックの使用が禁止されており、だからこそ、プラスチック製ではなく、何度も使うことのできる保存袋が求められている。

参考:マサチューセッツ州でプラスチックの使用を禁止している街のリスト

MASSACHUSETTS HAS ELIMINATED PLASTIC IN THE FOLLOWING TOWNS:

ほうれん草が描かれた袋(筆者撮影)
ほうれん草が描かれた袋(筆者撮影)

実際に野菜や果物がこの袋でどれくらい日持ちするかについては、クラーク大学が研究してくれた。その研究結果に基づき、たとえばバナナは3週間、アボカドは4週間、アスパラガスは5週間などと、公式サイトで示している。

各野菜や果物がどれくらの期間保存できるかを示したカード(筆者撮影)
各野菜や果物がどれくらの期間保存できるかを示したカード(筆者撮影)

キャシーさんによれば、野菜やハーブを冷蔵庫に入れる前に、袋の内側をちょっと湿らせておくのが鮮度を保たせるコツだそうだ。湿らせることにより、しっとりとした毛布のような状態になるという。使い方のコツが、公式サイトの「How to Use Bags」に書かれている。

キャシーさんは、購入した袋以外にも、おまけの袋も送ってくれた(筆者撮影)
キャシーさんは、購入した袋以外にも、おまけの袋も送ってくれた(筆者撮影)

キャシーさんのバッグはオンラインで注文することができ、注文した人には、何がどのくらいの期間保存できるのかを示すカードも同梱してくれる。日本に送ってもらう場合は、製品の価格のほかに、国際便の送料であるUS$ 20~27くらいが必要だ。

B-Organicのオンラインショップ

筆者も注文してみたところ、保存期間のカードやバッグとともに、手書きのお礼のカードがキャシーさんから送られてきた(筆者撮影)
筆者も注文してみたところ、保存期間のカードやバッグとともに、手書きのお礼のカードがキャシーさんから送られてきた(筆者撮影)

他の保存袋とどう違うのか?1ヶ月間、青梗菜を保存して実験してみた

では、実際、使ってみて、他の保存袋とどう違うだろうか?

青梗菜(チンゲンサイ)を1ヶ月間保存して、次の4種類で比べてみることにした。

1、キャシーさんから送ってもらった保存袋

2、青梗菜を買ったときについてくる袋

3、日本で市販されているプラスチック製の野菜保存袋

4、袋を使わずに剥き出しの状態

左から、キャシーさんの袋、買ったままの袋、日本で市販されている野菜保存袋、剥き出しのまま(筆者撮影)
左から、キャシーさんの袋、買ったままの袋、日本で市販されている野菜保存袋、剥き出しのまま(筆者撮影)

2020年5月11日から6月6日までの4週間、冷蔵庫の野菜室で保管してみた。

その結果を、写真でお見せしたい。

1、キャシーさんから送ってもらった保存袋

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。世界資源研究所(WRI)とオランダ政府が運営し食品ロス削減を目指すチャンピオン12.3メンバー。著書に『賞味期限のウソ』『食品ロスをなくしたら1か月5000円の得』。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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